「後半パートがもったいない」Arc アーク bionさんの映画レビュー(感想・評価)
後半パートがもったいない
最初の30分は、圧巻だった。コンテンポラリーダンスのようなダンスを4人の女性が踊る。さすが石川慶監督、画がバッチリ決まっている。続いて、リナが登場するのだが、狂気をまとった芳根京子にはゾクゾクする。
そして、寺島しのぶ演じるエマも負けてはいない。プラスティネーションされたボディをマリオネットのように操り、芸術的なポーズに仕上げていく。
これは、すごい作品に出会えたんじゃないかと思っていたら、徐々に失速。
2回り以上歳の離れた弟が登場したあたりから、違和感が多くなる。エマからリナに会社が代替わりする過程が不自然だし、リナと天音の関係もしっくりこない。
後半のモノクロパートは、明らかに冗長。末期癌の女性が入所した段階で、ラストは決まったようなもんだから、一気に行って欲しかった。風吹ジュン、小林薫、そして倍賞千恵子といった素晴らしい名優が出演しているのにもったいなかったな。
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