「オリジナルには及ばない!」CUBE 一度入ったら、最後 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
オリジナルには及ばない!
昨日ヴィンチェンゾ・ナタリ監督作「CUBU」1997年を観てから、
この作品を観ました。
2021年(日本)監督:清水康彦。
ヴィンチェンゾ・ナタリがクリエイティブ・アドバイザーとして、
全面協力してる。
《あらすじ》
目が覚めると謎の立方体(キューブ)に閉じ込められていた6人。
誰が?何の目的で?
死のトラップを張り巡らされた立方体から、6人は脱出ができるのか?
確かに、オリジナル映画とそっくりです。
素数
…………(1と、自分自身でしか割れない数字)
デカルト座標。
フラクタル図形。
数学用語ですので、説明されると、成る程、と思いますが、
《素数》が扉にの書いてある部屋は、トラップが仕掛けてある。
これは良しとしましょう。
《デカルト座標》もCUBEの縦、横、高さを表している。
これも良しとしましょう。
《フラクタル図形》とは?
同じ操作を自分自身に繰り返して得られる図形のこと。
自己相似図形・・・とも言います。
これはとてもとても、この映画を暗示・・・してますね。
(結局、死のフラクタルから抜け出せるのか?)
この日本版は、主人公の後藤裕一(菅田将暉)の過去のトラウマが、
何度も何度もフラッシュバックします。
これはオリジナル作品にはなかった設定です。
(ここだけ、日本的なセンチメンタルなストーリーをぶちこんでいる。)
岡田将生が閉じ込められた1人として出演してます。
彼が唯一無二の見所です。
出てくるとお約束のように楽しませてくれる。
(こう言っちゃあ、語弊がありますが、斎藤工は見た目が怖いだけ!!)
元々、不条理な映画です。
集められた6人への目的は何か?
誰が何を企んでいるか?
そもそも犯人とか、拉致組織は存在するのか?
なぜ、こんな酷い目に遭わなければならないのか?
集められた人6人が死の恐怖と閉塞感の中で、
人間が壊れていく所を描きたかったのか?
私はオリジナルを超えられなかった!!と思いました。
と言うより、この映画の設定が、もう古いのでは?
ヴィンチェンゾ・ナタリさんに声をかけずに、自由な閃きで新しい映画にした方が、
良かったと思います。
ひとつでも、あっと言わせるアイデアのない映画は詰まらんです。
琥珀糖さん、コメントありがとうございます。
アイデアが面白くても細かな設定が生かされないと失敗作になりますよね~
設定自体がオリジナルを超えられない限り、やっぱりどこかで工夫してもらいたいところです。
それにしてもそんなに数学用語が出てきてたとは!!