「サソリは優しい虫なんだよね」狼をさがして redirさんの映画レビュー(感想・評価)
サソリは優しい虫なんだよね
理由は忘れてしまったけど。
東アジア反日武装戦線のことを扱った映画を今年見られるとは。なんとも驚きであった。劇場もほぼ満席で、でもそれはわかる、自分が若い頃に比べたらネット、スマホで知ることができる、けどこういうことはやはりclosed で、手に入る情報はかぎられている。
東アジア反日武装戦線のこと、そして、彼らを長く支援する支援連の方たちのこと、死刑制度のこと、さらに東アジア反日武装戦線の武装闘争あるいはテロの背景にある歴史と現在。それらのことを、さまざまな語り口で語られる心情や事実や主張でゆっくりと一緒に考えながら進んでいくような。
池田先生がおっしゃっていたと思うが暴力を振るえるのは権力者の側であり、暴力とは圧倒的なか権力側が持っているということは事実であり、それと闘う側は何をもって戦っていくのか。最近読んだ王力雄氏の私の西域君の東トルキスタンという本でも、
確かに、テロリストはルールを無視し、しばしば民間人や民間施設を攻撃目標とする。だが彼らは劣勢であるが故に、もしルールを守っていたら、何も達成できない。
というようなくだりがあり、もちろん他の方も同じことはたくさんいわれているし、実際に劣勢な方はよくで石礫、どころかなにも戦う術がないことも強いられている。綺麗事ではない、いかなる場合においても、人が人の命を取ること、人が他の人を殺すことは許されない。東アジア反日武装戦線のメンバーや支援者たちは、過ちに気づき反省を重ねそして人の命を奪わないことを全うするために死刑制度反対に連なっていく。
人の命、無差別に民間の人の命や人生を損傷したことに過ちを見出しながら、でも、それでも、、という、さらに巨大で理不尽な暴力搾取差別犯罪に対抗する気持ちもあると思う。
日本のような他者への共感力が希薄な社会では、東アジア反日武装戦線的な考えや行動は広く理解されないだろう。身近に問題があること、在日外国人へのヘイトとか入管問題とか研修生の問題とか、今も同じ文脈同じ理不尽さのまま何も変わらず戦中戦後からほぼメジョリティとしてはかわらず継続している、つまり暴力装置を巨大に持ってるがわは何も変えようとしていない。このもどさしさは、つい、他人の命に対し、でも、それでも、、という気持ちを生んでしまうような気がする、ほんとにもどかしく折り合いつけがたい。そんなことも考えながら、、東アジア反日武装戦線か面白いのは初めに組織ありき、組織と綱領ありき、ではない参集の仕方、そのことも示す具体的ネーミングだなあ、などと、まとまらないことを様々に思った。
傍観者、無関心者であってはならない、、、
も、