とんびのレビュー・感想・評価
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息子を送り出す父親の心情
<映画のことば>
「ええか。お前は好きで東京に行くんじゃ。
つまらん泣き言言うてくんなよ。
野垂れ死んでもええ。
お父さんが東京に行くときは、お前の骨を拾いに行くときじゃ。」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
大学進学のためにひとり東京に旅立つ息子。
早くに母親を亡くして、父ひとり子(息子)ひとりで暮らしてきただけに、父とすれば、息子と別れて暮らさなければならない寂寥は並大抵ではない。
むしろ、突き放さなければ、自分がその寂寥感に押し潰されてしまいそう。
その胸中を吐露するのに、これ以上の言葉はないと思う。
スッキリ
よみがえる家族愛
内容は、はしょられた感はある
ストーリーは分りやすいし、TVドラマ化もされており“知っている”人も多いのだろうと思う。
少々オーバーな演技も散見するが昭和の元気過ぎる人々だと思えば、違和感もない。
そして泣かす所はちゃんと泣かしにくる。
この内容でグッとくる年齢はやはり高齢者と思うが、中間層でも「親はどうしているだろう?」位の気持ちは充分に湧く。
美佐子(麻生久美子)が待ってる家に乱暴者だった安男(阿部寛)が家に入る前にタオルで身体を拭いてから入る様など微笑ましい。
美佐子を失ってからの少年期
大学で上京する青年期
親父上京といきなり結婚と、時期を分けた際のエピソードがはしょられている分、ドラマを観てきた人には言いたい事もあるかもしれないが、ドラマ未見の私には充分でした。
不器用な親父と息子、それを支える仲間たちのドラマがお好きな人には向いています。
そう言うのがピンと来ない人には不向きかもしれません。
キャスティングもよく演っている役柄とは言え、脇役までキッチリしたメンバー。
安男のバツイチ姉、薬師丸ひろ子
坊主頭のプロ(笑)麿赤兒
寺の息子なのにオールバックの安田顕
その妻、大島優子
コメディリリーフに濱田岳
いつもの仏頂面、島田久作
バツイチ子持ちの年上女房を杏
似合いすぎ、狙いすぎな感もあるが豪華です。
北村匠あっぱれ
今作品、泣けました。長い。ただ長過ぎる気はした。何回か泣きました。4回くらいかな。
阿部寛は妻が亡くなった理由を言わない。我が子をおもう父親の気持ちに号泣。大学1年の我が子に重ねる。
麻生久美子は、広島の映画は二回目だな。夕凪の街でも不幸。不幸の似合う女、麻生久美子である。インスタント沼とか、時効警察みたいなコミカルな役柄も合うんだけどね。麻生久美子バンザイ。死なないで〜。
🔷お坊さんの言葉
だいたいのニュアンスです。
❶お前は海になれ!雪が降っても溶かして飲み込む、全てを包む海。
❷お前には母親がいない、だから、背中は寒いだろう。しかし他のみんながお前を必ず背中を温めてやる。背中に手を当てて温めてもらいなさい。
ふかい〜ふかい〜。
泣けたなあ。
重松清、サイコー🙆
ブクロサイコー(は石田衣良)
2本立て1本目。原作は泣かせの達人、重松清。NHK版ドラマもTBS...
絶対泣けるっしょ!
大好きな作家、重松清さん。『ステップ』でも変幻自在俳優、山田孝之さんや脇を固めた役者さん、伊藤沙莉さんたちとともに泣かせていただきましたが今回も最初からうるうるの連続で自宅での鑑賞でよかったとつくづく思いました。(前半まではファミレスでの鑑賞だったの席で涙流してる十分怪しい親父でしたが…)
阿部寛さん、相変わらずデカいけど存在感も大きいですね。人形町に赴任してバディの溝端淳平さんとのコンビも捨てがたいですが『海よりもまだ深く』でのダメダメ親父、今回は筋の通った頑固者ダメ親父でしたが、よかったです。阿部寛さんにピッタリの役どころではないでしょうか!
北村匠海さんも美人女優さんばかり相手にして羨ましい限りの若手俳優さんだとばかり思ってましたがアキラの心情を見事なまでに演じられ、これから伸びてくる役者さんだと思います。(もう十分伸びてる?!ってか)
それにしてもヤスケンさん、ホントいい味出してましたよね?『しもべえ』に時々見えてしまうのが難点でしたが。大島優子さんもいい役者さんになりましたよね!おニャン子出身?オールナイターズ出身?とは思えない、あれ?AKBでしたっけ?って古すぎで誰にも気づいてもらえないボケかまさないように!
また『カイカン!』って言ってた薬師丸ひろ子さん、すっかりお母さん役の代名詞みたいになってきてますね〜時代を感じざるを得ないですね!すごくいい味出して映画が引き締まりますよね!
それにしても重松清さんの作品はいつもお涙ちょうだい感がハンパないのに見事に泣かせてくれて、まるで吉本新喜劇的お約束ですがそこがまたいいんですよね!余談ですが家族ものを描かせたら双璧の『青いイナズマ』森浩美さんと泣かせの二大巨塔だと勝手に思っています。そういえば森浩美さんは短編小説ばかりだから映画化作品観たことないなあ。
ドラマ版の堤真一さんの方も観てみたくなりました。
父との絆
人を思う気持ち
昭和の香りがプンプンする作品
役を選ぶって本当に大事、親を選べないって本当に不幸
いやぁ、もちろん安田顕さんのことですよ。
登場してきてお顔を拝見するたびに『変態仮面』を思い出して、つい笑っちゃったです(笑)
いえ!安田さんが変態って言ってるわけじゃないの!
あれはまさに役者生命を懸けた名演技だったと思うです。
しっかし、よくオファーを引き受けたもんですよね(笑)
何かの拍子で騙されたとか?ドッキリみたいな?
いや、安田さんのこと、もっと知りたくて、いつもの如くWikipedia先生にぷち師事したです。
そうすると…
>自他ともに認める「変態キャラ」で、酒に酔うとすぐ服を脱ぎたがることから「ヌーディスト安田」の異名を持つ。
だって。
安田さん!もう弁護の余地ないよ!あンた最低だよ!←誉め言葉
あンた心底変態だよ!リアル変態仮面だよ!
来るべくして来たオファーだよ!
代表作のトップに来るのは、もう『変態仮面』でいいよ!
とか、そんなこんなは、まあいいとして、久しぶりのハートウォーミング系の映画です。
こういうベタな人情物って割と好きなんですよね。割と避けていますけれど。
で、主演の阿部寛さん。
私的に阿部さんベスト作品と思っているのは『自虐の詩』なもので、序盤にいつちゃぶ台返しが出てくるかヒヤヒヤしながら観てたです、はい。
そして薬師丸ひろ子さん。
人の好いオバサンを演じさせれば日本随一の女優さんになられたですよね。
あの“頼子ちゃん”がですよ。
主に女優さんって、コケずにキャリア積むと大化けするからすごいです。
大島優子さんも、化けてくれるのかな?
で、自虐の詩
私、離婚歴が二度あるんですね。二度目の時は三人の娘と暮らしていました。
長女とは色々わだかまりがあって、もう長らく会っていないし、もう会うこともないと思うです。子供はふたりおりますので、私既におじいちゃんなんですよね(笑)
二女も昨年めでたく結婚をし、今年の9月上旬が出産予定日です。
一番大切な時に家庭を投げ出してしまったのに、未だにパパ(笑)と呼んでくれるです。
今は東京で仕事を頑張っているです。
そんな二女が帰ってきて、会ってくれるたびに涙が溢れそうになるです。
この映画観ていたら、そんな二女のことを思い出して、また泣きそうになってきたです。
三女も彼氏さんと同棲中ですので“できちゃった婚”は必至と思うです(笑)
みんなみんな幸せをつかんでくれて、パパ(笑)本当に嬉しいです。
でも、私、やっさんみたいな素敵な父親だったかというと、全く自信がないです。
親を選べないって、子にしてみれば、本当に不幸でしかないです。
やっさんみたいな父親になりたかったです。
私…死期を悟った時には、後悔しか脳裏をよぎらないはずのクソ人生ですよ。
あかん…
また涙が…
で、映画のお話、お話。
阿部寛さんの、徐々の老けメイクが素晴らしかったです。きちんと歳重ねていたです。
奥さんとの悲劇の死別を除けば、誰一人不幸になることもなく、とても優しいお話でした。
たまには、こういうのを劇場に観に行くのもいいかも。
私の腐りきった性根を癒すにはいいかも。
エンディングテーマソング・ゆずの「風信子」(風信子?なにそれ???と思って調べてみると“ヒヤシンス”と読むんですね、またひとつ新鮮な学びの喜びナイス)も、とても優しくて美しい曲でナイスでした。
総じて、とても優しい気持ちになれた映画でした。
阿部寛のヤスさんがみれた
父のついた優しい嘘
尺が足りない
重松清氏のベストセラーの映画化ですが、過去に2度TVで連続ドラマ化されており、この父と息子が歩んだ半世紀を描くには、TVでは十分な尺だったのが、2時間強の映画ではやや浅薄になってしまった気がします。
物語は、無器用で無骨で逞しい昭和の男と、その息子との長年に亘る確執と対峙、そして宥和を辿ります。
前半は物語の契機となる事件と専ら父親の人物像をひたすら描きます。時代背景は、塵芥と埃と汗の臭いが漂う、荒々しくも熱い情に満ちた高度経済成長期の昭和であり、舞台は、瀬戸内海に面した田舎の港町の、町の人々皆が家族のような、深く温かい情愛溢れる世界です。殊に広島弁の野卑なやり取りが耳に心地良く響き、喜怒哀楽が諸に現れる情の厚さを実感させてくれます。標準語では決して喚起しないシチュエーションです。
息子役が子役から北村匠海に入れ替わったところから父と息子の話に集約されて、漸く物語が佳境に入り一気に空気が濃密になるのですが、如何せんそれまでに周囲の人々に関わるエピソードがそれなりの尺で挿入され、本作の本質が散漫になってしまいました。
本作の核になるのは、あくまで父と息子の物語であり、小説ならば話に膨らみが出てきますが、映画ではただ間怠こしく感じます。
徹底して二人にフォーカスし凝縮していくべきでしょう。
特に前半の息子のキャラクター設定が希薄であり、父と息子の間の葛藤と、歳月の経過による互いの相剋の描き方が茫洋とした感がして、その分、ラストに向けての二人の反目と息子の嫁を交えた衝突・対峙と和解という、観客にとってのカタルシスの快感が十分に得られないように思います。
時空が行ったり来たりしても、役者の容貌や声色に変化や老いが出て来ず、時の経過が感じられないために混乱することも、物語のベクトルが見えないことに拍車をかけています。
更に人間ドラマゆえに人物の寄せカットが多くなるのは、ある程度已む無いですが、それにしても人物のカットが多過ぎて、物語の重要な要素と思われる広島の港町の情景、土俗性豊かな風景のシーンが殆どないので郷土色が希薄になるのは残念でした。
父子愛
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