とんびのレビュー・感想・評価
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不器用男の愛する息子との人生
昭和37年、瀬戸内海に面した広島県備後市(架空)で、運送の仕事をしているヤスは愛妻の出産により息子のアキラが誕生した。ところが、妻が幼いアキラを連れてヤスの職場に来てた時、荷崩れによる事故で妻が亡くなってしまった。それから男手一つで子育てとなったが、周りの仲間たちに支えられながら、息子を愛し育てた。そしてある日、母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは「父さんを助けようとして死んだ」と嘘をついた。アキラは父と衝突するたび「父さんが死ねば良かった」というようになり、父子の関係がギクシャクしてしまった。さてどうなる、という話。
主演、阿部寛の不器用な生き方での親子の絆を描いていて、感動した。
感動して、不覚にも涙が出てしまった。ありきたりのストーリーといえばそうなのかもしれないが、主演の阿部寛と北村匠海が素晴らしかった。他の、安田顕、薬師丸ひろ子、杏、麻生久美子、麿赤兒、大島優子、濱田岳など共演者達も良かった。
岡山でロケしたらしいが、昭和の広島を再現した風景も美しく、マツダのオート三輪の動いてる姿など見応えあった。広島弁もみんな違和感なくて良かった。
強いて揚げれば、野球少年役だった北村匠海の坊主頭はカツラみえみえだったし、北村匠海が阿部寛と神輿を担ぐシーンで身長差から肩から浮いてるのに手を上から持ってた事、肩で支えられない時は両手で下から支えないと。それと阿部寛が亡くなった時には北村匠海の娘は30歳くらいのはずだが、若すぎてそんな年齢にみえなかった。これらは違和感あったが、ま、その程度。
良い作品でした。
じゃけん
元のドラマ版は未視聴です。
『糸』が2020年ワースト5に入るくらい自分とミスマッチで、瀬々敬久監督のその他の作品もハマらずじまいの作品が多く、かなり不安の中鑑賞しました。
全体通して良い話だったなーと思ったのですが、どうしても端折っているなと思う場面が多々見られ、その繋ぎ方が上手ではなかったですし、撮影にとにかく違和感を感じた作品でした。
昭和の親父だなと思うくらい昔気質で、とにかくキレやすいダメ親父というのを強調して描かれますが、ここは阿部寛さんの演技力も相まって豪快でした。浴場で風呂に潜った瞬間に「テルマエ・ロマエ」かな?と思ってしまったのでフフっとなりました。阿部さん、北村さん、杏さん、薬師丸さん、安田顕さん、大島さん、と役者陣に不足なしと言い切って良いくらいの演技合戦は最高でしたし、濱田岳さんのほんわかしたキャラクターはとても好きでした。
原作からのエピソードをだいぶ抜粋していると思っていますが、暁の幼少期、中学生、高校生、上京後、妻との出会い、父親の死去、と描かれますが、高校生のフェーズがそこそこ長めで、上京後のエピソードがかなり薄くなっており、そのため結婚の挨拶で地元に訪れるシーンはなんだか冗長に感じてしまいました。ウルッときそうなシーンはありましたが、どうしても無理のある展開にスッと引いてしまいました。
重大な欠点として登場人物を一貫して同じ役者に任せているというのもあっておそらく昭和37年の多分30代くらいの阿部寛さんは完全に今の阿部寛さんですし、北村匠海さんは中学生時は完全にヅラですし、親になった50代なんて髪型と服装をそれっぽくしただけのいつもの北村さんですし、その息子・娘達は確実に20代〜30代のはずなのにすごい若いですし、とここ何とかならんかったかな…メイクとかもう少し頑張れたのにな…と思ってしまいました。
あと撮影にとにかく違和感がありました。人物を撮るカットも何か合成したかのようなブレがありますし、ラストのドローンでの引きの映像なんてグラグラしててとても見づらいものになっていました。慣れないことはしないで良いのに…。
やはり瀬々監督の作るドラマに自分は合わないんだなと再確認。映画って観るまで分からないですね。
鑑賞日 4/10
鑑賞時間 12:15〜14:45
座席 D-7
愛するが為に突き通した嘘😭😭😭
息子を助ける為に犠牲になった母親。本当のことを言えずに嘘をついてしまった父親とギクシャクしたまま暮らしていく息子。しかし後に母親の事故原因を知ることになる息子。そんな父子を田舎町のみんなが暖かく気にかけ成長させていく。不器用な昭和親父(阿部寛)だが、息子(北村匠海)と母親(麻生久美子)への愛がどこまでも深く、涙を誘う。昭和が作品の中心だが、当時の雰囲気、街並み、セット、小道具、大道具。どれも1ミリもズレてないのがこの監督のすごいところ。昭和から平成をまたぐシーンを撮らせたら秀逸。昭和の躍動感を味わえる作品。父子役の阿部寛、北村匠海は言うまでもなく素晴らしい演技でした。また、叔母役の薬師丸ひろ子さんが本当に素晴らしい演技で脇を固めていましたよ。あと、すぐに亡くなってしまったので露出は少なかったけど麻生久美子さんはいつになっても綺麗ですね。年を取らないのかなこの人😃本当に素敵な俳優さんです。エンドロールは涙でにじんで見えましたが、ゆずの主題歌がまた良いんだなあこれが❗️
阿部さんは強すぎる
大好きな原作が映画化!大学生の頃に読んで母子家庭だった自分とも重なって好きだったなぁ。
何回も泣かされましたが、和尚が良すぎて。「海になれ」っていいよね!
納得できないのはやっぱり北村匠海くんかな。坊主頭にできなかったのかな…あと令和のシーンはどうなってるんだ!?全然お父さん感ないけど。あのシーンいる?
あとは、阿部寛が強すぎる。迫力ありすぎるというか、濃すぎるというか。ダメダメな父という感じより、強面の頑固親父でちょっとイメージと違ったし、温かいお父さん感は皆無だったような。
Always3丁目の夕日と被ってしまったのも残念。その上で、お父さん感は堤真一の方がいいと思ってしまった…残念!
それでも、薬師丸ひろ子や和尚の息子さんは名脇役でした!!
ウルウルくる人情物語
『ヤス』の愛で滝のように溢れた
昭和の話だけど古臭くない、嗚咽T.T
#27 阿部寛さんが格好良さすぎ
子供のアキラ君世代ドンピシャな私は、物語の時代の移り変わりが理解できて涙が出ることしきり。
そうは言いつつ、映画の出来的には主役の阿部寛さんが格好良すぎて、ラクダのシャツも腹巻もただの格好いいお洋服にしか見えないのが不満。
じゃあ、誰が主人公だったらピッタリ来るのか考えることしきり。
安田顕さんだと腹巻きがもっと似合ってたと思うけど、主役的に花がない(ごめんなさい)。
色々考えた末、私が主人公にピッタリと思ったのは韓国俳優のファン・ジョンミン氏〜。
ラクダのシャツも子供を思いながら泣く親の姿も酔っ払ってクダまきながら主役的華があるのは、ファン・ジョンミン氏しかいないっしょ。
阿部寛さんを否定するわけじゃないんですけど、こんなことを考えながら鑑賞してました。
ちなみに妄想的には、銭湯で阿部さんが湯船に沈んじゃうシーンでは、あーこのままローマに行っちゃったらどうしよう❓って思っちゃいました。
こう言いながら映画自体はめっちゃ泣けて楽しでましたから。
涙腺崩壊です
わかっていても泣かされる映画です。
ただ感動するこんなパターンも素敵です
序盤に麻生さん演じるお母さんが亡くなる場面はあるもののそこは涙する場面ではなく(演技は素晴らしい)、全体的な愛情とか優しさに感動する物語で、死別とか悔しさとか抜きでこれ程泣かせる映画はそんなに思い付きません(あるのはあるでしょうが。。。)
正直、序盤の昭和感が白々しくちょっと白けていたので、個人的な話ですが自分の父親も同じくらいの時期に運送してたのでこんな感じだったののかなぁと物語とは別の部分に想いを馳せていました。
ところがアキラが母親の写真を破られたシーンくらいからちょっとずつ涙腺崩壊し始め、あとはシーンごとに涙してました。
物語は特にどんでん返しするような展開はなく想像したとおりに進んで行くので、一歩間違えば感動させようとしてるのが見え見えなものになりつまんなくなる可能性もあったのですが、配役といいシーン構成といい、何より役者さんの演技が非の打ち所が全くなく完璧で素晴らしかったので気持ちよく泣くことができました。
泣きたいのに泣けず。残念だ。
歳を取ると涙もろくなると言われる。泣けましたとのレビューが多く、楽しみにしていた。結果はタイトルの通り。私の場合、涙袋はもう枯れてしまったかもしれない。
ドラマ化されるのは3回目らしい。短期間にこれほどドラマになるのは、原作が優れているに違いないと思った。
この映画に悪人は登場しない。良い人ばかりである。主人公の性格は一本気の直情型で憎めない。ある意味、可愛さもある。事故で妻を亡くし、男手で1人息子を育てる物語だ。周囲の人は、母のいない息子の成長を見守っている。善人ばかりである。しかし、こんなこと現実にはあり得ない。私達がそう願う展開が用意されている。これは大人向けの童話だ。
私には観客が泣けるようにと作為性(わざとらしさ)を感じとってしまう。あからさまではないけれど。コロナ禍で人とのつながりが細くなってきている。昭和人情話で、心の癒やしを求めている今の証かと感じた。
成熟の物語の心地良さ
小さな町や村、あるいは企業やその地域に限定的な産業の城下町…。
たぶん、人が共同体というものを構成するようになってからの〝子育て〟というのは、その共同体全体の責任だったのだと思います。
昔は子どもを産んだと同時に亡くなってしまう女性もかなりいたはずですし、その共同体にとっても将来必要な働き手であり、害をもたらす人になっても困るので、みんなで見守り(遅い時間まで遊んでいると怒ってくれるオジサンやオバサンもいた)、構ってくれた。
そういう社会的労力は、昔は共同体の構成員が無償で分かち合っていたが、時代とともに税金や福祉制度(お役所)の仕事となり、個々人が他人の家庭に口出ししたり、構うことは余計なお世話になってしまった。
非常に大雑把にいうと、そういう古き良き時代のいい面だけを掬い上げた物語なので、心地良さと感動に包まれるのはある意味で当たり前なのだと思います。
成熟した大人の多い成熟した共同体の中で、成熟しきれない男(阿部寛)の子育てをみんなで見守る物語。
未成熟なとんびと成熟した共同体に育てられ大人になった鷹の物語。
そういう見方で対比すると、香取慎吾さん主演の『凪待ち』は未成熟な共同体と未成熟な大人がお互いに成長出来なかったケースが招いた不幸の物語だったように思えてきます。
NHKの朝ドラもほとんどの場合、主人公の生まれ育つ共同体には成熟した大人が多く、何が起きても、きちんと受け止めてみんなで成長していきます。歳を重ねても若輩の人間から学ぶ姿勢を失わない謙虚な大人に恵まれています。
成熟とは、完成形ではなく、絶えず成長する意欲を持ち続けることでもあるのですね。
おじいちゃんの人生は幸せだったのかな?
成熟の共同体の中で、自身も成熟の過程を経た人生が幸せでないなんてことは絶対にありません。
良い作品、万人受け。昭和の「父親」の生き様と地域社会。ただ2度のドラマ化で「出涸らし感」が玉に瑕。
まあ王道の人間ドラマ。過不足なし。人情と愛情を感じる。
誰でも理解できる好作品。合格点。
ただし、その裏腹で「敢えて映画館で・・」の歩留まり率がイマイチでしょう
気の早い話ですがネット配信含めればそこそこ支持されると思う
ただ、2度もドラマ化されている重松清の有名作だけに
パンチがイマイチ。
親から子へ、子から孫へ、孫からひ孫へ
血のつながりのリレーと、「地域のつながり」
そうだよ。昔は「敢えて東京の大学に行く」ことで得られる
経験値とか情報量がハンパなかった。今でも「東京信仰」はあるけども
ネットの発達で、だいぶ様変わりしたね。
不器用な父を阿部寛が好演。息子の成長、特に反抗期の息子に
不器用ながらも向き合う。地域のつながりの助けを受けて・・
今、離れていても、LINEとかメールで簡単に意思疎通できる。
昔は「息子が都会に向かう」だけで皆んな駅に駆けつける「一大イベント=別れ」
の光景が当たり前だったけど・・・
昭和は遠くなったなぁ。石原裕次郎「タフガイ」のライバル
「マイトガイ」の小林旭から名付けた、できの良さそうな息子を北村匠海が演じている。
ただ令和まで展開は新基軸だろけど、どうだろなぁ??
寺の坊主親子とのつながりも良い、昭和の背景、昭和の父親、昭和の地域雇用、
わかりやすすぎるテーマ。でも最初の事故の構成は
あまりに不自然なのが原作のチカラ技だねぇ。
観て損は無いです。オススメ。ただし若い人にとってはラブストーリーでも、ホラーやサスペンス
ファンタジーでも無いので、配信待ちでもイイかもね。
不器用な男の半生
不慮の事故で妻を失った男と残された子供の話。不器用な男が悩みながら周りの人達に支えられて何とか子育てをする…親の心子知らず、子の心親知らず、どちらも不器用で最初から最後までギクシャク。まあ色々あって子供は巣から旅立つ。いい話だなあ(泣)。
時代背景は少し昔だが昭和世代には涙もの。
今は少なくなった気がするが、こんなドラマ昔あったよねって感じ。
現代でも親子関係を見つめ直してみるには良い映画かも知れない。
ストーリー自体に問題はないのだが、若干気になる事もある。
主人公も年齢を重ねるが、悪く言うとどの時代も同じ年齢に見えてしまう。若造していると言う見方もできるが、普段オシャレには全く気を使わない無骨な男がどの時代でも同じに見えるのは変。せめて白髪の割合で変えるとかハゲにするとか体の見た目の変化があまりになさ過ぎる。着てるものも時代性が少ないし識別が難しい。一応何年と時期のテロップも出るのだが。
他にも友人知人も同様だ。皆若造。
それと備後市という設定で広島県のはずなのだが、1秒たりとも広島県や備後地方の映像が使われてない。
備後弁がほぼ完璧なだけに非常に残念だ。
風景も海も何もかも備後では無いし広島県でも無い。
エンドロール見てやっぱりな、という感じ。
ロケ地が主に岡山だという事は見ていて分かった。
まあ細かい事だが備後と備中に親戚も多いので微妙な雰囲気の違いが良くわかる。それに聖地巡礼するまでもなく行った事ある所が何箇所か出ていた。
全213件中、161~180件目を表示