「背中の温もり。イヤ冷たいのは足なんだけど?」とんび bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
背中の温もり。イヤ冷たいのは足なんだけど?
や ら れ たーーー!
泣いたですもん。マジで三回は泣かされましたもん。周囲もすすり泣きの嵐ですもん。
真冬の海岸で幼子の背中に添えられた掌に涙。
まるで準備していたかの様に出て来た、祝いの蛤に涙。いや、歌は要らなかったけどw
夏の砂浜で戯れる親子三人の姿に涙。
TVドラマの映画化。KADOKAWA配給。瀬々敬久監督。ハズレ確率は五分の予想でしたが、今回は「当たりの瀬々作品」でした。
撮影/照明は、斉藤幸一さんと豊見山明長さんのコンビです。まあ、室内撮影の画の綺麗なこと綺麗なこと。和尚宅の夜の画と照明とか最高です。
マツダT1500三輪トラックやポーターバン、三菱ギャランシグマなどの旧車群は言うまでもなく、小物まで「昭和の品々」を揃えた手抜き無しのこだわり、と言うか自己満足感。旭の部屋のタンスの上に置かれているバッティングマシーンとか、懐かし過ぎてヤバい。何処から持って来たん?
兎にも角にも。
ただでさえ濃ゆい男優陣に、濃い口の演技をさせてですよ。薬師丸ひろ子と大島優子と言う、おっさん好みの女優さんを並べてですよ。もう、泣かすスケベ根性丸出しの脚本でですよ。真向ストレートに泣かしに来る昭和展開。破壊力あるんだ、これが。結構。
難点と言うと。子役の男の子が、可愛くないです。あんまり。小学生の旭君、タッパあり過ぎです。北村匠君より、下手すりゃ背が高いんちゃうか?とかね。事情がありそうなツッコミどころだなぁとw
木竜麻生ちゃんの印象的な役は「鈴木家の嘘」以来、瀬々敬久監督作品は「菊とギロチン」以来でしょうか。まぁ、頑固な娘役をサラッとこなすところはさすがです。と、一人で笑いを取れる濱田岳w
良かった。割と。
KADOKAWAの金の使い方は、最近、ちょっと好きかも。