「じゃけん」とんび ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
じゃけん
元のドラマ版は未視聴です。
『糸』が2020年ワースト5に入るくらい自分とミスマッチで、瀬々敬久監督のその他の作品もハマらずじまいの作品が多く、かなり不安の中鑑賞しました。
全体通して良い話だったなーと思ったのですが、どうしても端折っているなと思う場面が多々見られ、その繋ぎ方が上手ではなかったですし、撮影にとにかく違和感を感じた作品でした。
昭和の親父だなと思うくらい昔気質で、とにかくキレやすいダメ親父というのを強調して描かれますが、ここは阿部寛さんの演技力も相まって豪快でした。浴場で風呂に潜った瞬間に「テルマエ・ロマエ」かな?と思ってしまったのでフフっとなりました。阿部さん、北村さん、杏さん、薬師丸さん、安田顕さん、大島さん、と役者陣に不足なしと言い切って良いくらいの演技合戦は最高でしたし、濱田岳さんのほんわかしたキャラクターはとても好きでした。
原作からのエピソードをだいぶ抜粋していると思っていますが、暁の幼少期、中学生、高校生、上京後、妻との出会い、父親の死去、と描かれますが、高校生のフェーズがそこそこ長めで、上京後のエピソードがかなり薄くなっており、そのため結婚の挨拶で地元に訪れるシーンはなんだか冗長に感じてしまいました。ウルッときそうなシーンはありましたが、どうしても無理のある展開にスッと引いてしまいました。
重大な欠点として登場人物を一貫して同じ役者に任せているというのもあっておそらく昭和37年の多分30代くらいの阿部寛さんは完全に今の阿部寛さんですし、北村匠海さんは中学生時は完全にヅラですし、親になった50代なんて髪型と服装をそれっぽくしただけのいつもの北村さんですし、その息子・娘達は確実に20代〜30代のはずなのにすごい若いですし、とここ何とかならんかったかな…メイクとかもう少し頑張れたのにな…と思ってしまいました。
あと撮影にとにかく違和感がありました。人物を撮るカットも何か合成したかのようなブレがありますし、ラストのドローンでの引きの映像なんてグラグラしててとても見づらいものになっていました。慣れないことはしないで良いのに…。
やはり瀬々監督の作るドラマに自分は合わないんだなと再確認。映画って観るまで分からないですね。
鑑賞日 4/10
鑑賞時間 12:15〜14:45
座席 D-7