「泣きたいのに泣けず。残念だ。」とんび いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
泣きたいのに泣けず。残念だ。
歳を取ると涙もろくなると言われる。泣けましたとのレビューが多く、楽しみにしていた。結果はタイトルの通り。私の場合、涙袋はもう枯れてしまったかもしれない。
ドラマ化されるのは3回目らしい。短期間にこれほどドラマになるのは、原作が優れているに違いないと思った。
この映画に悪人は登場しない。良い人ばかりである。主人公の性格は一本気の直情型で憎めない。ある意味、可愛さもある。事故で妻を亡くし、男手で1人息子を育てる物語だ。周囲の人は、母のいない息子の成長を見守っている。善人ばかりである。しかし、こんなこと現実にはあり得ない。私達がそう願う展開が用意されている。これは大人向けの童話だ。
私には観客が泣けるようにと作為性(わざとらしさ)を感じとってしまう。あからさまではないけれど。コロナ禍で人とのつながりが細くなってきている。昭和人情話で、心の癒やしを求めている今の証かと感じた。
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