「体で、魂で感じる。思わず立ち上がりたくなる。」アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン SGさんの映画レビュー(感想・評価)
体で、魂で感じる。思わず立ち上がりたくなる。
全盛期の若き女王が、二夜にわたりその圧倒的な歌唱力で自らのルーツである黒人霊歌、讃美歌のみを歌い上げる幻のライブ・ドキュメンタリー。
超一流ミュージシャンに加えて共演しているのは、ゴスペルの王と呼ばれたジェームズ・クリーブランド牧師とサザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊。信者たちと共に列席している中には、著名な牧師であり公民権運動の活動家でもあったアレサの父、そしてミック・ジャガーまでいる。
神に向かって歌う、歌を通じて祈るゴスペルの真髄を、さすがにクリスチャンでもない私が理解するなんて烏滸がましいが、魂を揺さぶる歌声とグルーヴするように全身で呼応していく信者たちを観ていると、静かに座ってスクリーンを眺めているより、立ち上がって身体を揺らしながら思わず手拍子を打ちたくなる。
体で、魂で感じる。
だから歌詞の字幕なんて不要かも。
ライブってそういうものだし、それほどの臨場感に包まれる。大好きな70年代のリアルな空気感にもどっぷり浸れる。
ソウル・ミュージックの原点に触れた気がした。
コメントする