「あおり運転、禁止‼」アオラレ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
あおり運転、禁止‼
あのオスカー俳優・ラッセル・クロウが、ぶっちぎりの危険人物としてあおり運転を繰り広げ、ターゲットとなった女性を、執拗なまでに追い続けるカーアクション・サスペンス。救いようのないイヤミスな作品だ。
50年前、スピルバーグの出世作となった『激突』を想起したが、『激突』は、スピルバーグお得意の見えない恐怖として、結局、運転者の正体も明らかにならなかったが、本作は、初めからラッセル扮する名も無き一人の男が、無謀なあおり運転をきっかけに、無慈悲で残酷な殺戮を繰り返していく怖さを描いている。
朝寝坊をして、息子を慌てて学校に送る為に運転していたレイチェル。渋滞にハマり、イライラした中で、信号が青に変わっても、なかなか発進しない車の後ろに着き、クラクションを鳴らして、追い越した。しかし、その運転の仕方が気に入らないと、その車の男は、レイチェルの車を危険極まりない運転であおり始める。何とか巻いたレイチェルの前に、再びその男が現れ、今度は、彼女のスマホを男に盗まれたことで、家族にも危機が迫り、更なる窮地へと追い込まれていく。
アオラレの表題通り、かなり派手なカー・アクションもふんだんに盛り込まれている。関係ないドライバーや車も巻き込んでのハラハラするクラッシュに継ぐクラッシュには、息を呑む。撃たれてもなかなか倒れない男の強靭さには、ホラー的な怖ささえ感じさせる。
本作は、とにかくラッセル・クロウのぶっ飛んだ恐怖を叩きつけてくる怪演振りが見ものである。『グラディエーター』の筋肉マッチョな姿はどこに行ったかと思える、堕落した中年太りの殺人鬼を演じている。また、被害者のレイチェル役には、カレン・ビストリアスが務めているが、イライラと気の強さが巻き起こしたこの悲劇は、可愛そうだが、寄り添うことはできなかった。
自分も運転中に熱くなることもあるので、あおられない様に気を付けたい。
今晩は。
実は私、本日社用車を管轄する“安全運転管理者講習”を受けて来まして(ちょっと偉そう・・。)煽り運転をする愚かしき人たちの心理状況などをみっちりと名古屋大学の心理学者の女性から学んできました。
大変面白かったです。”承認欲求””メタ心理学”・・
特に面白かったのは、”一週間で良いから、自分の運転をメタ的視点から分析して下さい”と言う言葉と”十五分で良いから、身近な交差点でのドライバーの運転を見て下さい”という言葉でした。
で、オイラは真面目なので一日の講習後に、自宅近くの交差点で観ていたら、”オイオイ”と言うドライバーが散見された事でした。
今作の様なエンタメでは許されると思いますが、私の様に普段から車を運転するモノとしては非常に怖い映画でしたね。
それにしても、日本では最高速度が決まっているのに、アクセルを踏み込むだけで300キロ出る車を作るってどーよ!とも思いましたね。(おいらが乗っている車&作っている車じゃん!)では。返信は不要です。