「711TPX」アオラレ たまるるさんの映画レビュー(感想・評価)
711TPX
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この物語のミソはレイチェルのなかなかのだらしなさ。あんな仕打ちを受ける理由には勿論ならないんだけど、きっかけを作っているのは全て彼女だし、そのだらしなさが伏線として全編に渡って効いている。
この物語でなんと言ってもいい味出してるのがラッセルクロウのサイコっぷり。鬼気迫るひげヅラの土手っ腹。マスクにチェーンソー並の相乗効果ではなかろうか。また、そのサイコ野郎がガラケーと車のみで次々と凶行を積重ねるあたり、意外とクレバーだったりする。凶暴でクレバーで自暴自棄のサイコ野郎からローマ軍の将軍まで演じるラッセルクロウの演技力の幅に改めて感心した。
そしてこの物語の隠し味は、警察が結構役に立たないところ(笑)この手のサスペンスであんまりにも警察が機能してしまうと話が進まないんだろうけど、あれだけの事件の後で「もう帰って結構です」は笑えた。あと「おばあさんの家に行く」にも笑ってしまった。どう考えても警察だろ。
この作品を観て、マイケルダグラスの「フォーリング・ダウン」やニコラス・ケイジの「リービング・ラスベガス」あたりを思い出した。全てを失った男の自暴自棄が織りなす悲喜こもごもというカテゴリーに分類できるのかも知れない。
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