「煽ってしまった相手が最上級にヤバい奴」アオラレ J24さんの映画レビュー(感想・評価)
煽ってしまった相手が最上級にヤバい奴
一ツ橋ホールにて試写会鑑賞。
主人公のレイチェルは離婚成立を控えまだ幼い一人息子と暮らす。普段から時間に余裕がない生活を送っていそうに見えるレイチェルはこの日も時間に追われた生活を送っている。
渋滞に巻き込まれ息子の学校への送りも遅れ、自身の出勤も遅れそしてクビ通告を受ける。
精神的にもイライラしそしてラッセルクロウを煽ってしまう。
ラッセルクロウは冒頭で離婚して別れた妻とそのパートナーを殺害し家を焼いたところが描かれている。本人も死ぬ覚悟であったのだろう。
そのためか青信号になっても気づかずレイチェルにクラクションで煽られてしまう。
失うものがないラッセルクロウはそこで再度殺人鬼となる心の熱が高まりレイチェルを追っかけ殺す事に必死になる。
またラッセルクロウは離婚を突きつけられた立場であり、離婚を控えるレイチェルを元妻と照らし合わせてさらに殺意を高める動機作りは単純明快で見やすい。
基本的にはきっかけがクラクションでの煽りってだけで後は殺人鬼であるラッセルクロウからレイチェルが逃げる話である。
カーアクション中心に派手に追っかけてくる事もあってか、あまり怖さや張り詰めた緊張感はない。
ただこのタイプの新作は昨今は中々見れない事もあってかまぁそれなり以上に楽しめる。
冒頭にアメリカ国内でも煽り運転が社会的問題となり、その原因として日々のストレスやそのストレスは格差社会によるものではないかという描写がある。
ただあまり煽り運転という社会的問題にフォーカスを当てた作品ではない為その辺りを期待しすぎると肩透かしを食う可能性はあるため注意。
日本国内の場合煽り運転者がそのまま犯罪者と化すケースをよく目にするがアメリカでは煽ってしまった事をきっかけに煽られた側がその喧嘩を買って事故になるケースが多いのかな。この作品を見るとそのように感じさせられた。この辺は国民性の違いだろう。
また余談になるがTOHOの予告ではラッセルクロウが「煽ってるんじゃねーよ」と吐きナレーターが「お前が言うな」と言うやりとりを目にしたが鑑賞後だとこの「お前が言うな」というツッコミは違う。
実際ラッセルは煽られたわけだからね。煽ってんじゃねーよがまさに殺人行為の引き金になったわけだからそこは改めて見ると違和感を今後も覚えそうだ。
予告では少し煽り気味なところも感じるがアクション映画としては十分に楽しめる作品である。
それにしてもラッセルクロウはだいぶ太ったな。