「一切のネタバレ無しで観てほしいホラー」黄龍の村 といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
一切のネタバレ無しで観てほしいホラー
ネタバレ無しで鑑賞することができて本当に良かったです。
とある映画紹介YouTuberさんが「ネタバレ厳禁の内容については一切話しません」と紹介していて気になっていた映画です。
結論ですが、本当に楽しかったです。
これは本当にネタバレ無しで鑑賞するべき作品でしたね。U-NEXTで鑑賞しましたが、トップページに記載された映画の紹介文も短文でネタバレに配慮しているように感じてよかったです。
以下にネタバレありでの感想を記載しますので、未鑑賞の方はここから下は観ないように注意してください。
【以下ネタバレ注意】
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8人組の若い仲良しグループがバーベキューを楽しんだ帰り道、車のパンクが原因で電波も通じない山の中で立ち往生した。近くの村に助けを求めると村人たちは非常に好意的に迎え入れてくれたのだが、異常に親切な対応に対して若者グループの中心人物である北村優希(水石亜飛夢)は強い違和感を感じるのだった。
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雰囲気としては『ミッドサマー』と『ステップフォード・ワイフ』を足して2で割ったような映画でした。タイヤのパンクというアクシデントをきっかけに訪れた村が、一見すると親切で雰囲気のいい村なのに、そこはかとなく言語化できない違和感を孕んでいる。その不気味な村に、逃げることもできずに閉じ込められてしまったという理不尽。
最初のスマホ風の縦画面動画が吊り橋を渡っている最中に横に広がり、映画の縦横比になっていくところが、「ここから先は楽しい日常ではないですよ」と暗に示していて良かったですね。
為すすべなく次々と殺害されていくところは恐ろしくもありますが、しかし同時にスッキリするんです。こういうスプラッターホラーは大抵はチャラい男や派手なギャルが真っ先に殺されていきます。本作もその例に漏れず、グループの中で自分勝手な振る舞いが目立っていたメンバーから次々殺害されていきます。可哀想ではありますが、でも次々あっけなく殺されていくのは爽快感を抱きました。
次々と人が殺されていくようなスプラッタホラー好きに観てほしい良作でした。オススメの映画です!!
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そうだよ嘘だよ。
本作の前半は上記のようなスプラッタホラーな展開が進みます。そして映画中盤、8人組グループが全員村人たちに殺害されたかと思いきや、実は半数のメンバーは生き延びており、尚且つ彼らはかつて家族を村人たちに殺され、復讐に燃える戦闘集団だった。
前半と後半があまりにもテンションが違い過ぎて、温度差で風邪引きそうになりますね。もともと私は阪元監督は『ベイビーわるきゅーれ』『最強殺し屋伝説国岡』で知ったのでアクション映画の監督と認識していて「ホラー映画も撮るんだ~」って第一印象だったんですが、この前半のホラーが後半の怒涛のアクションに続く壮大な伏線だったと分かります。前半のホラーをしっかりじっくり描いているからこそ、後半のアクションシーンがカタルシス満点になるんです。
良い意味で騙されました。後半で作品のテイストが完全に変わるところは賛否あるようですが、私は凄い好きでしたね。前半の緊張感や村人の蛮行が、後半の復讐のカタルシスを場移送させていたように感じます。
これはいろんな人に内容を知らせないまま鑑賞してほしい名作だったと思います。おススメです。
