劇場公開日 2021年4月2日

「【"混沌と差別の世界から、皆と同じ普通の世界へ。"自閉症スペクトラムに対する偏見に満ちた考えを、根底から変える画期的ドキュメンタリー作品。】」僕が跳びはねる理由 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【"混沌と差別の世界から、皆と同じ普通の世界へ。"自閉症スペクトラムに対する偏見に満ちた考えを、根底から変える画期的ドキュメンタリー作品。】

2021年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

- 自閉症者の東田直樹さんが今作品の原作エッセー「自閉症の僕が跳びはねる理由」を執筆したのが、13歳であった事に驚く。そして、そのエッセーは30ヵ国以上で出版され、多くの国の自閉症を持つ子を育てる親たちの支えになってと言う・・。-

■感想

・インド、アメリカ、イギリス・・・で、自閉症の子を持つ親の姿と彼らの悩みが語られる。が、彼らを救った「自閉症の僕がとび跳ねる理由」が果たした役割。
ー アメリカで、最初にこのエッセーを翻訳し「The Reason I Junp」と言うタイトルで出版したデイヴィッド・ミッチェルが思わず流した涙の意味。ー

・自閉症者は、対人関係の構築が苦手で、急に叫んだり、暴れたりする事や、強い拘りを持ち変化を嫌う性質が引き起こす様々な問題のため、多くの国で差別に会って来た。
劇中では、悪魔に取付かれた‥と解釈されてきた国もある事が語られる。

・モノローグで流れる、自閉症者の想いの数々。
 ・見かけで判断しないで・・
 ・僕は”普通”と違う・・
 ・話そうとするのだけれど、言葉が出て来ない・・

・だが、劇中描かれているように、文字盤を使っての”普通人”と彼らとの遣り取りを見ていると、表現方法に問題があるだけで、普通の知的レベルを持った人達である事が、良く分かる。
インドの少女のように、一切話せなくても、絵の個展を開いたり・・。
彼らは、”普通人”なのである・・。

<自閉症者に対してだけでなく、世界から、言われなき偏見が一刻も早く無くなりますように・・。
 そのためには、私達自身の考え方を変える必要があるのだ・・、と言う事を学んだ貴重なドキュメンタリー作品である。>

NOBU