「前作の続き」アクアマン 失われた王国 えさんの映画レビュー(感想・評価)
前作の続き
冒頭からアーサー(アクアマン)の語りで冒頭のツカみのアクションと子供を授かったという1つおおきな変化に、王として仕事と育児で日々クタクタだというコメディタッチで今までのストーリー説明と近況説明。
父親との晩酌は素晴らしいが、兄弟の件は、本作がどういった作品になるのか予見できてしまうほどあからさまな伏線だなと感じた。
そして、もはやライバルのブラックマンタが暗躍、前作より様々な面でパワーアップしているようで、前作のようなただのパワースーツ人間ではないぞというのが伝わってきてよかった。
地球温暖化問題にリンクさせて本作のヴィランを登場させるのはなるほどと思った。アクアマンという題材には親和性が高く、飲み込みやすい。
そして原因がブラックマンタにあるということで前作の繋がりで弟を連れ戻すことに。
オーム(弟)も言っていたが「自分で投獄しておいて、自分で脱獄させるのか」という部分はギャグだが、当初からオームに対し「お前は一人じゃないと言ったろ。」「弟よ。」と話す兄が王として弟の投獄場所を知らないというのもなかなかである。
見るも無残に瘦せこけたオームがそこまで反発しなかったのは意外というか、もっと反発してよいと感じた。
前作を見ればわかるが、本作でもアーサー自身が言っていたとおり、オームから見れば(形上)アーサーは王の座を奪い取っているし、(これもまた形上)嫁も奪っている。
そんな兄に対し、「兄弟」という関係性を嫌がってはいたものの、それなりにすぐに打ち解けていて、もう少しドラマが欲しい部分ではあった。(前作の詳細は忘れたので違うかも)
前作のレビューでも書いたが、確かにオームとアーサーはお互いが憎しみ合うほどの強烈な因縁はないし、観客から圧倒的なヘイトを買うほどの悪さをしているかといえばそこまでではないので、見ている側も割とすんなりオームを受け入れられるのは、元から計画されていたのだろうか。
話が進むにつれてオームの魅力が高まり、完全に「兄弟」としてチームを組み戦っているのを見るのが楽しい。
ブラックマンタも黒のトライデントを手にし、完全にDCのヴィランとしての格を得たことで、しっかりとアメコミ映画として期待できるものとなった。
メラと父親を襲い、アーサージュニアを攫いアーサーの本気を出させることに成功した。
クライマックスのアーサーとオームの兄弟のシーンはよかった。
オームがここで犠牲となり、コーダックス(緑のボス)に飲み込まれることで、アトラン王、コーダックスの兄弟戦争のようになるのかというところで、そうではなく、兄弟で協力して敵を打ち破るという展開は熱い。
ただし、その大ボスであろうコーダックスが、あっさりアーサーのトライデントで打ち砕かれてしまったのはもったいないなと感じた。
ここでしっかりと復活し、それこそアーサーとオームで打ち勝つというシーンがクライマックスであれば最高だっただろうなと思ったが、また次へのお預けか?
途中からお役御免だったブラックマンタはアーサーの手を取らずに闇の中へ。これまた登場するだろう。
前作同様光り輝く海がメインで映像も激しいため、特に映画館で見るほうが絶対に良い。
オームがラストゴキブリをチーズバーガーに入れて食べるシーンは面白かったが、あんな普通にテーブルに乗ってきたら最悪だろう(笑)