「いくつになっても人生は美しく温かい」クライ・マッチョ まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)
いくつになっても人生は美しく温かい
クリント・イーストウッド演じる主人公マイクと少年の交流を大自然を背景に描いた本作は、とても奥深くて温かく、じわ〜っと心に沁み渡る作品でした。
予告編から想像していた「半ば誘拐に等しい少年との出会いから、危険な帰路を走る」ような作品ではなく、多少の危機はあれど、基本的にはマイクとラフォとマッチョ(雄鶏)の旅の過程を映し出す、比較的平坦な物語。エモーショナルな感情表現も全然ありません。
でもだからこそ、砂漠の広大さや自然光の美しさ、そこに暮らす人々や動物たち、そしてマイクの心情の変化やラフォの成長が際立ち、胸に響きます。一つ一つの情景が心に染みて、噛み締めたくなるのです。
そして、クリント・イーストウッドの佇まいにより作品の説得力と深みが増し、91歳の存在感を見せつけられました。マイクが醸し出す大人の余裕と哀愁、懐の大きさ、そして優しさと強さ。とんでもなくカッコ良い!流石です。
年齢を重ねることを悲観するのではなく、受け入れ、楽しみ、居場所を見つければ、温かく生きていける。そんなイーストウッドからのメッセージであり、まだまだ人生謳歌しますよという彼の相変わらずさに笑ってほっこりしました。
良い映画でした。
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