レミニセンスのレビュー・感想・評価
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ノスタルジックなSFハードボイルドに、まさかジョン・ヒューズ味まで感じるとは!
怒る人がいても不思議はない。というのも、記憶を扱ったSF大作というイメージと、実際に観た際の印象とが、ものすごくかけ離れているから。実際、一体何を観ているのかと上映時間の大半は戸惑ってばかりいた。21世紀になってだいぶ経つのに、あまりにも古色蒼然としたハードボイルドタッチのメロドラマ。ガタイはいいけどさっぱり使えないキャラのヒュー・ジャックマン、気恥ずかしくなるようなファム・ファタル、行き当たりばったりなシーンを重ねる展開……。しかし、突如始まる2丁拳銃アクションに目を瞠った瞬間、すべてを受け入れていい気になった。ああ、ここには監督・脚本のリサ・ジョイがやりたいことが詰まっている。やたらと古臭いのも、この物語が本来備えているノスタルジーとシンクロしている。そもそもコレは、ノーラン印のSF超大作などではない、とても私的なやりたい放題の結晶なのだ。しかもどうみてもタンディウェイ・ニュートンの役柄は『恋しくて』のメアリース・チュアート・マスターソンである。主人公2人との関係性も、役名も瓜二つ。意識的か無意識か、まさかジョン・ヒューズの80年代ラブコメまでぶっ込んでくるとは!この趣味性の高い怪作が、この規模で完成したことはもはや快挙ではないかと思うのです。
恋に狂ったおっさんの話
もっと記憶を巡る謎解きサスペンスを期待したのだけど、思ったより恋愛描写が多かった。
言ってみれば、明らかに騙されてるだろ案件の恋に狂ったおっさんの話なんだが、ヒュージャックマンが演じると何とも切なく見えてしまうのはさすがというか。
いや、大ピンチに颯爽と駆けつけてくれるワッツにしておけよ。酒浸りのシングルマザーだけどワッツのほうが頼りになるじゃん。ニックはエージェントの仕事も検察からの仕事も投げ出してメイを探してるし、しまいにワッツをクビにするし。いやちゃんと退職金払ってやれよ。
半分水没したディストピア都市の風景は見ていて面白い。
よそに女を作ってる夫のこを身ごもって一番幸せだったときの記憶にこだわる妻と、その記憶の再現に付き合い続ける息子は哀れ。でも婚外子は何も悪くないよ。殺すなよ。
結局、一番幸せだったときの記憶に留まってワッツに介護してもらうニック。ワッツは娘とも再会して孫とも幸せに暮らしてるようなのでまいっか。
幸せな記憶
記憶潜入ものですね。
途中から急にアクションっぽくなったりしますが、結末は考えさせられます。
幸せな記憶に生きるニックと、それを孫と2人で見守るワッツ。
どちらが幸せと言えるのでしょうか…。
ワッツの2丁拳銃はかっこ良かったですね。
メイ役のレベッカ・ファーガソンも、陰のある女性を上手く演じていたのではないでしょうか。
過去に生きる…
ちょっと寂しい結末。それほど愛した女性が忘れられないのは幸せなことだけど、やはり未来に生きたい。よほど現実逃避したいなら別だが。レベッカ・ファーガソンの美しさが際立つ作品。助けに来たタンディ・ニュートンめちゃくちゃ強い。彼女の存在にもっと早く気付いてほしかった。発想が面白い作品だったけど、メイが死んでしまってたのは悲しい。
テイストはSFというより「ノワール」
なんとも古めかしい映画でしょう。
逆に言うと懐かしくノスタルジーを感じました。
海面が上昇した近未来のマイアミ。
記憶変換装置(レミニセンス)の技師・ニック・バニスター(ヒュー・ジャックマン)は、
来る日も来る日も、過去に戻りたいお客を過去の記憶へと案内しています。
ある日、メイ(レベッカ・ファーガソン)という名の美しい女性が、
「鍵をなくしたので、探しに戻りたい」と現れます。
それは、運命の出会い・・・世界でひとりの大切に女性・・・でした。
愛を交わしてすぐに、メイはニックの前から姿を消します。
ここからニックは自ら、レミニセンスを操作して過去へ戻ります。
メイを探してどこまでも追って行きます。
そして並行して検察にギャング組織の正体を探るように依頼されます。
危険な男との身体を張ったアクションも見応えあります。
物語り設定が驚くほど古めかしい。
地主→麻薬組織を仕切るギャングの顔役→ギャングの私生児を生む娼婦。
→その認知問題と財産分与。
まるで中身はハンフリー・ボガートの「マルタの鷹」
私立探偵が記憶操作人に変わっただけです。
(謎の女メイの正体とその目的)
映像も懐かしい都市景観。
そんなに近未来ではない。
水没する都市マイアミ→もう近々起こり得る現実かも!
水を撥ねて走る夜行列車もノスタルジーを掻き立てます。
そしてヒュー・シャックマンの存在。
やはり存在感が際立ちます。
美しい渋い声(思わずウットリ聴き惚れ・・)
逞しい胸板にも惚れ惚れ・・・
運命の女メイ(レベッカ・ファーガソン)の美しさと、歌声の何という素晴らしさ・・・。
天使から娼婦、男を惑わすクラブ歌手と、変幻自在です。
話が過去・現在の行き来が多過ぎて、もう少し整理してテンポ良く進めたら・・・
と、思いました。
愛を信じる男・ヒュー・ジャックマンと謎の美女・レベッカ・ファーガソンが
醸し出す上質な大人の香り。
ラブストリートしては、とても素敵な映画でした。
既視感はあるけれど、それなりです。
みっともないおっさんを延々と鑑賞できる
ヒロインが何を考えていたかがもう普通すぎたというか、もちろん普通が悪いわけではないが。
あれなら真相は描写せず愛を貫く道筋に注力して、主人公が雲を掴む思いでもがき続け、周りから見放されても幸せな夢を繰り返し見続ける。といったインセプションのもう一つのエンディングみたいな展開でも良かった。が、そうなる余地は無い。
格闘や取引や別れを含めて何もかも「ありきたりの寄せ集め感」が漂う。
過去に溺れて眠っていたい主人公が果たして爪を生やして暴れまくるこの俳優で良かったのだろうか。
生きる行為において危うさを匂わせるキャラクターでも良かったと思う。
家族に逃げられた酔っ払い刑事のような中年男が主人公では、哀しみや虚しさより先に自業自得という言葉が滲み出る。
生きたいように生きろというメッセージがあるかもしれないが、自分には伝わらなかった。
答えを手に入れるまでに犠牲にしたものが無いからだ。
仕事や仲間は確かに失っているが、その失い方が非常におっさんくさい。後悔するシーンも無い。
そうだ、こいつは現実生活に対する後悔をしていない。なんで開き直っているんだ。
それでいてミステリアスな美女がやってくるからコメディと認識してはいけないようで、困ったものである。
水没都市の映像は良かった。敵がピアノごと落ちていくシーンが特に。
で、その敵を助けて殺されそうになるという陳腐な展開がダメすぎた。
おっさん同士の小競り合いと美しい水中映像がマッチしていない。
ある意味で教訓になりそうな、ならなさそうな、そんな映画だった。
オーマイガー
あなたの戦友よ、いつもタダの人。か。
1人の人をただ愛していただけなのに
殺人犯になってました。
けど、黒幕があの息子だったなんて。
予定外過ぎました、黒幕びっくり。
バーンとな。
まじでハードボイルドって感じでした。
この人は結局最後は過去にいきてしまうんですね。
ずっとそこで生き続けるのです。
仕事のパートナーだった人も娘と再会して、孫とも一緒に入れる世界を選んだのに、彼は過去に生きました。
この映画は絶対に1度で終わらせないほうがいい。
2回目の再生が必要です。
2回見ないともったいないです。
なくしたか、忘れたか。
無くした場合は、なくなったあと。
迫力不足
退廃的な世界観や海沈んだ都市などはとてもロマンとノスタルジーを感じられます。
予告編の誇大広告のせいだと思うのですが、ストーリーにしろレミニセンスにしろスケールが小さいと感じました。クリストファーノーランのようなものを期待していくと違うなとなりますね。
惚れた女を追ったらちょっとマフィアとドンパチしちゃったって話ですし、レミニセンス自体もただ記憶を見れるだけです。
もう少しストーリーのスケール感を大きくしたり、レミニセンスの存在を大きくした方が個人的には面白かったかなぁと思います。
最後のレミニセンス越しに彼女が語りかけるシーンは感動しましたし、画面や物語の雰囲気は淡々としつつも温かみのある良いものだったと思います。
麻薬のようなレミニセンス
近未来SFサスペンスと思いきや、近未来ラブロマンスだった。
この作品の肝は、記憶を映像にして可視化できる装置。これは便利なようで恐ろしい。楽しい思い出を、もう一度たっぷり味合わせてくれる反面、忘れたい記憶まで引っ張り出し悪夢を蘇らせる。主人公ニックは、その装置で、記憶を思い通りに引き出し顧客に提供する。
そのレミニセンスを駆使しながら、事件の核心に迫っていくニック。雰囲気は、なぜか1950年代西海岸のマーロウが出てくる探偵映画のようなレトロ感満載。
最後、事件は解決するが、恋人メイを失う。ニックはメイが忘れられない。ニックの助手エミリーは、密かにニックに心を寄せている。この三角関係がどう結ぶのか。ラスト、ニックは、メイとの思い出から離れられず、レミニセンスで過去の記憶にすがってしまう。逆にエミリーは、失踪した娘を探す未来を選択する。ハッピーエンドだったのか、なぜか虚しさが漂う。麻薬もそうだが、都合の良い機械に頼ってしまう人間の弱さに、少し腹が立った。
タイトルと企画は先進的だが、筋とラストが?
レミニセンス
reminiscence
一般に,記憶実験における記銘材料の再生や運動学習における遂行の成績は,学習直後から時間の経過とともに低下する。しかし,条件によっては,学習直後より一定時間後の方が成績がよい場合がある。この現象をレミニセンスという。(松田真幸)
レミニセンスとは記銘した直後よりも、一定時間が経ってからのほうがよく記憶を想起できることを表す。(Wikipedia)
全面的に感想を書き換えました。この映画は、実際の出来事と主観記憶の関係についての映画でもある。
圧倒的な世界観の構築
最初海面の上昇で徐々に街が海に沈んでいくという設定がいい。
厨二心をとてもくすぐられる。
水とマイアミのビル群がプレステで出来るゲームにありそうな風景でテンションが上がる。
そして記憶潜入という装置にも心沸き立つ。
にも関わらず物語のトーンは決まって一定。
ハードボイルド探偵物のような進み方もまた僕の心をくすぐる。
そこから始まる女性との恋。
その女性を追いかけて始まる捜査。
この捜査がいい。
捜査でこの世界のあちこちを巡るのだがその一つ一つの設定や世界観でまた僕の厨二心をくすぐる。
特に地主の家の周囲にはダムを築いて水を寄せ付けないという設定には痺れた。
最後の終わり方も感動的で記憶や時間にまつわる主人公の独白がすんなりと心に入ってきて消化された。
なつかしい
記憶を再生して尋問する装置ってSFだとよくでてくるけど、それをメインにした物語。
どこかなつかしい、ハードボイルドで、退廃的な未来の世界。SFなんだけど、まるで昔の刑事物みたい。
この世界の住民も、ただ昔を懐かしむことだけを考えて生きている。
記憶がテーマなので、何が現実か分からない、といった複雑で混乱したストーリーを想像していたけど、そういうのでは全然なくて、シンプルでわかりやすい話だった。
ハッピーエンドと言い切れないラストもなんともいえない余韻があり、しみじみと良い映画だった。
老境のような、夕暮れのような映画。
『メメント』を想定して観てはいけない。とても美しい映像作品。
『ノーラン作品』か?と聞かれると、ノーランっぽくない。との感想になってしまうが、
水の映像表現や、起承転結、それぞれで雰囲気がガラッと変わる演出、役者さんの演技、どれも素晴らしいものだった。
また、2回見なくても、ちゃんと憑き物を落としてくれる点も、インターステラーの如く、解説がしっかりした作品だと思います。
前評判や他の意見に流されず、ニュートラルな気持ちで観ると、より良いかもしれません。
そして、ラストをどのように思ったか、是非、仲間うちで議論してほしい。どっちが幸せ?どっちに舵をきりたい?
IMAX 必須ではないと思いますが、水の世界のスケールを味わってほしいので、私は IMAX 鑑賞を推します。
全ての欠点を吹き飛ばすワンシーン
正直、欠点は結構あります。まず、水没した世界観を映像に活かせていない。ノーラン系列ということで期待するような衝撃的な映像体験はあまりこの映画にはありません。
また、主人公の心の声?による語りがかなり鬱陶しいです。設定の説明や場面転換などもこの語りに頼っているので、あまり良い演出とは言えないと思います。一応後に伏線としての理由付けはなされるのですが、それを差し引いてもウーンといった感じ。
いくつか欠点について語りましたが、僕はこの映画が好きで、観て良かったと思っています。それは、とあるワンシーンがこれらの欠点を完全に帳消しにしてお釣りが来るほどに良かったからです。
それは、主人公のニックが、ずっと探し求めていたヒロインのメイと記憶越しの再会を果たすシーン。メイは敵のブースによって自分が殺されるのを悟っており、後にニックがブースの記憶を観ることに賭けてなけなしのメッセージをブースの記憶に残します。ニックがその記憶からメッセージを受けとるシーンは、本来であれば現在から過去への、あるいは過去から現在への一方通行のコミュニケーションでしかないはずです。しかし、ニックとメイの想いが記憶のディスプレイで重なりあった結果、そこに一瞬だけ、限りなく心の通じた双方向に近いつながりが生じます。その一瞬の繋がりは息をのむ程に美しく、そして一瞬であるが故に心に耐え難い悲しみを残します。
ここは恐らく監督も一番力を入れたであろうシーンであり、全体を通したストーリー、演出の全てがこの一瞬のために存在していると言っても過言ではありません。この作品のテーマである「記憶」は、話を小難しくするためでも、観客に頭を使わせるためでもなく、このシーンを描くためだったと考えると、かなり全体のストーリーに納得がいきます。
【褒め言葉】酷く単純なサスペンスラブストーリー
いい意味で下馬評を覆してくれた作品でした。
「水没した世界!」
「記憶に潜入!?」
「クリストファー・ノーランの弟が制作!?」
一体どんな映画体験が得られるんだ!?
と、ワクテカで映画館に足を運びました。
蓋を開けてみれば…
・舞台、設定が複雑な割には余り活かされていない。
・主人公が男なのに行動が浅はかすぎる。
(おめーいくつだよ。ガキか。ってなる笑)
・伏線が雑で単純。
・テーマぶれまくりでは?
・スケールの割になんかしょーもな…
・レベッカ・ファーガソン美人
・レベッカ・ファーガソン美人
・レベッカ・ファーガソン美人
(以下略)
といった感想
某ノーラン氏の作品のように、複雑な設定が絡み合い、膨大な情報量に溺れるような体験を期待した人にとっては物足りない作品であることには変わりないと思います。
しかしながら、途中から
「サスペンス」⇒「設定重めのラブストーリー」
に脳みそ切り替え、感情移入してみるとなんと作品にすんなり浸かれることか!!
メンヘラ男とわけあり女のスケールでかめのラブストーリー(※褒め言葉です。)
存分に楽しむことができました。
そして、
ミッションインポッシブルからレベッカ・ファーガソン
推してますが、相変わらずお美しかった。
とても好きな女優さんです。
前に進もうとしたのに
過去にしか幸せを見つけられなかった
一見我々にはバッドエンドに見えるが、ニックにとってはハッピーエンドな物語として消化されている所に、
この作品の切なさを感じました。
それにしても…
いつだって過去に執着するのが男なんだなぁ笑
酷評多いですが、私は総じて楽しめた作品でした。
頭を固くしすぎず、楽しんでみてください。
女達は未来を(例外もいるけど)、男は永遠の眠り姫となった
疑いつつも女の形跡を追い続ける男の姿を見て、普通なら諦めるよなーと思いつつ、最後まで行き着いた主人公には正直、脱帽。
これ主人公がいい男でなかったら騙す側の女もホロリと心奪われたりしなかっただろうなあと思うのよ。
イケオジ前提ね。
最初は過去の記憶を行ったり、来たりで場面展開がおや、どうなってんのと思ったけど中盤になっていなくなった彼女を探すところからだんだんと話に引きずり込まれてしまったわ。
未来に不安定な水上都市というのもおもしろいというか、それでも人は生きていかなきゃならないというのは、いつの時代も変わらないと思ってしまったわ。
金持ち女性が過去の綺麗な夢を見続けるのに対して、亡くなったメイは子供と彼の為に、ワッッは未来を生きることにした。
これは環境の違いもあると思うけど、金があって裕福な暮らしをしている女性は見たくないもの、現実から目をそらしていたのかな。
ロマンティックな終わり方に、これでいいのかと言われてしまえば多分、たいていの人は納得できないと思うのだけど。
でも、仕組まれた出会いでも男って、そういう生き物、ロマンティックなんだろうなあと思ってしまったわ。
必死に生きた女達は愛と家族を手に入れて、男は永遠に夢を見続けることを自ら望んだ眠り姫となった。
ある意味、これも未来の究極のハッピーエンドかもしれないと思ったのです。
惜しい
予告を見て期待していたよりも、主人公の周りで事件が起こる割と狭い世界観での映画だと感じました。
水の都市と陸地の都市で貧困層と富裕層の住む世界の違いを表せていたところは、見ていて分かりやすく素晴らしかった。
しかし、ストーリーは割と最初の方から予測がつく内容であったため、水に沈んだ都市という世界観をもっと活かした内容になっていても良かったのではないかと感じました。
そんな中でも、俳優の皆さんの演技は素晴らしく、特にニックがメイに一目惚れする最初のシーンは評価せざるを得ない素晴らしいものだったと思います!さすが、ヒュー・ジャックマン!
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