「【変わらなかった世界】」クー!キン・ザ・ザ ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【変わらなかった世界】
実写映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」をアニメとしてリメイクした「クー・キン・ザ・ザ」では、ストーリーの展開はほぼ同じだし、チャトル人のビーとパッツ人のウエフは同じだが、地球人の登場人物は異なる。
チェリストのチジョフと、DJのトリク。
製作が2013年であることを考えると、社会主義体制から選挙を実施する民主主義体制に移行して、支配者はプーチンやメドベージェフに変わっても、社会や人々の行動パターンは変化していないという皮肉なのだろう。
先般、ロシアの政治について、どう思うかと尋ねられたモスクワのおばちゃんが、ロシアは常に強い指導者を求めていて、民主主義選挙は向かないと言っていた。
いやいや、社会の成熟度の問題だよと言いたくなった。
バレエやクラッシックなど世界的に誇る文化はあっても、人々は、それを楽しむどころか、騒音のように感じ、日々生活することでいっぱいいっぱいなのだ。
おそらく、この作品は前作同様、ロシアを最大限に皮肉ったものだと思うが、なんか僕達の世界にも通じるところがあるような気もする。
嘘をついててもダーイジョーブと思い込んでいる前首相。
次の首相が誰が良いかと問われ、その前首相を挙げる10%近い有権者。
さして、プーチンやインタビューにのうのうと答えるロシア人と変わらないではないか。
不思議惑星キン・ザ・ザと併せて観るのは、重複するし、時間の無駄と考える人はいると思うが、二つ観るのも決して悪くはありません…よ。
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