にしきたショパンのレビュー・感想・評価
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ショパンじゃなくてラフマニノフ
ショパンが大好きな凛子とラフマニノフ派の鍵太郎、ライバルなのか恋仲なのかは定かでない。そんな二人が音楽の道で出会う苦難、鍵太郎は阪神淡路大震災の怪我でピアノが弾けなくなってしまう、凛子はジストニアという末梢神経の病で右手が動かせない。
仲良しの二人から反発、そして再出発の兆しと屈折した二人の様子を淡々と描く、普通、コンサートを目指す若者映画なら優勝してハッピーエンドになるだろうが本作は挫折からの再生の方にスポットを当てている、タイトルはショパンだが、まるで精神病から立ち直ったラフマニノフが医師にささげたピアノコンチェルト2番の方がテーマに思えました。青春ものにしては爽やかさに欠けるし、続編を臭わすような曖昧なエンディング、観終わった後のカタルシスが感じられなかったのが残念。
週末監督
監督さんは「週末監督」さんだそうだ。普段は研究者らしい。
最初、演者のみなさんが、あまり慣れてないように見えたが、自主制作作品と聞き納得。
突っ慳貪(つっけんどん)な終わり方だったが、それを意図しての作品らしい。
追記
勝手な想像だけど、監督は演者に遠慮して、演技や演出に対して、あまり要求をしていないのではないかと思った。
遠慮でなく、あの演技でよいと思っていたのならば、この後も作品の質は上がらないように思う。
主人公の鍵太郎くんが何を考えているのかわからず、不気味な感じ(ちょっと強い表現ですみません)があったので、鍵太郎の心のうつろいをもう少し掘り下げてほしい。
だるま先生も、あまりに無表情でこわくなった。いろいろな事情もあるのだろうが、プロの俳優さんに頼んでもよいのではないだろうか。(あるいは、監督がもっと演者に要求して、きちんと演じさせてほしい)
ストーリーがリアルに表現されていて、とても共感出来ます。それぞれの...
ストーリーがリアルに表現されていて、とても共感出来ます。それぞれの生き方や思いが、セリフを用いずして視覚に訴えかけて来る場面が多くあり、表現の奥深さに引き込まれていきました。
また、キャスト自らの演奏シーンは勿論、全体を通して音楽へのこだわりが感じられます。
多くの国際映画祭での受賞や連日の満席、シネコン上映は本当に素晴らしいです。
5月14日から上映される事が決まった神戸ハーバーランドOSシネマズにも観に行きたいと思います。
久しぶりに楽しめた作品
ピアノとは?音楽とは?何のために頑張るのか?
一緒に考えて楽しめる作品。
高校生から大人になる二人の気持ちの揺れ動く様がよく表現されている。一方で観る人の、受け取り手が想い考える幅もあり、楽しめた。
真っ直ぐ過ぎるが故に…
音楽…そもそも音を楽しむために奏でていたメロディー…いつしか手段が目的に…そして訪れるチャンスと転機。掛け違う2人の人生だが、再び…
荒削りな感じが2人の初々しさを際立たせる。切なさと相まって心動かされた。
感動しました
・最初のシーンで、「技術と感情」の違いの伏線はとてもいいです(凛子は感情、鍵太郎は技術)
・凛子のお母さんの演技も素晴らしいと思います。しつこさを強く感じられました
・タチアナ先生役の女優さんの演技と日本語も素晴らしいです
・鍵太郎みたいに、りんこも片手が動けなくなる恐れということで、なんとなく「ジョゼと虎と魚たち」という映画の話を思い出した
・日本語のセリフで、「あの地震せやなかったら」 --> 「どうしょうもない今 」だったけど、英語字幕は「That's life」というのは素晴らしいと思います。もう「人生に諦めた」という感情ですごく感動しました。
・制作時間と予算には限界があると思いますが、地震で母親が亡くなったシーンはもっと長くなったらもっと感動的になると思います
・映画を見たら感動しました。音楽も、演技も、脚本も素敵です
幸福とは、足るを知ることで得るものでしょう
天賦の才に恵まれて、相応以上の努力を積み、当初は人格にも何らの問題もなく育った男性主人公の鍵太郎。しかし彼は、身の上の境遇における不運と、震災という無慈悲な悲運を端にして、人並み以上の成功を収めながらも、満たされない承認欲求によって卑屈になっていく。
果ては嫉妬という、人間がもつネガティブな感情のうちで最も厄介なものの一つに苛まれてしまうのである。彼の心はあたかも、自己顕示欲という獰猛な鬼に、喰い荒らされているかのようであった。
それと対比するように描かれる女性主人公の凛子は、比較的裕福な家庭に育ち、鍵太郎の悲運とは裏腹に、屈託なく好きな音楽に専心することによって、我が身の丈にあった成功を着実に収めていくことになる。
しかしながら、あろうことか鍵太郎の嫉妬の矛先は、元々親友である凛子へと向かってしまう。彼は彼女を高台の成功に導くことを口実として無理難題を課すことになるのである。そうすることで凛子からピアノの腕をも奪ってしまうことになる。
やってしまったことへの悔恨を鍵太郎が感じ始め、はたと気付いたときには時すでに遅し。いったい何が本当に大切か。そのことを鍵太郎に教えてあげたのは、他の誰でもない、彼の嫉妬の犠牲となった凛子であった。
人生における成功とは、あるいは幸福とは、いったいどういうことを指すのであろうか。この映画は、その疑問を投げかけて、最後には答えを視聴者に委ねる。
観る人によって受けとるものは大きく異なると思われますが、鍵太郎と似た境遇や悲運を経験したことのある人にとっては、感涙が止まらない作品であることでしょう。私はそうでした。映画館を出た後も、視聴の翌日になってもまだ、思い出し泣きをしているぐらいです。
自主映画なんだ?!
春休みで、時間があり、映画館に行ったとき、なんとなく鑑賞しました。
後に、自主映画だと知ってびっくり。すごいクオリティでしたね。
ピアノの世界は知らないけれど、音楽を楽しむこともできたし
人間模様が迫ってきて、十分に堪能できました。
最後、どうなるんだろう~・・と想像の余地があって、じんわりと考えちゃいました。
何度も観ました
この映画のレビューを書くために、映画の門外漢でありますが登録致しました。
試写会をいれて、4回拝見致しましたが、観るたびに受ける印象が異なったり、新たな発見がございます。
他の方のレビューを拝見し、酷評に驚きを禁じ得ませんが、観る層によって
評価が真っ二つに分かれるのかもしれません。
ネットに書き込みをする世代ではない者のほうが、評価は高い。
地元の方には、新鮮に見えたり思い入れ、投影が起こされる気がしますね。
小生としましては、余韻の気持ちよさや、映像美
そして、自分の力では克服できない運命に対して堕ちていく主人公に共鳴致しました。
観る側は、どれかのキャラクターに投影をしてしまいます。
映画館を出たあと、暫くは内容を反芻し、また次も行きたくなり、映画館へ足を運びました。
大人向けの映画だと感じいっております。
久しぶりに見応えのある素敵な作品を映画館で堪能出来ました。
入りこめたらよかったな😥
母校での撮影で、エキストラとして参加し、公開を楽しみにしていました。
主人公二人の高校生時代を描いた前半は、とても素敵でしたが、鍵太郎が豹変するところから、理解ができず、ついていけませんでした。震災後の爪跡や、左手のピアニストの描写がなく、誰にも感情移入できないうちに終わってしまいました。ピアノが好きで、主演の二人にも好感を抱いたので、残念でした。
予想以上に長く感じた
生っぽく薄ぐらい映像は、時代背景を表現したものかとも思ったけれども、ポーランド空撮映像以外総じてそんな感じだったので、もう少し彩度を上げた映像もあっていいかなーと感じました。
音楽や演奏をじっくりと聴かせようという意志みたいなのは伝わってきましたが、無駄な動きと思われるカットが多いように感じてしまって、そのせいか想像以上に長い作品に感じてしまいました。
物語もあんまり…といった感じです。
トゥルリラー トゥルリラー♪
阪神淡路大震災でピアニストの夢が途絶えた技巧派高校生と、ピアノでは彼には劣るが共に仲良く学んでいた同級生の女の子の話。
知識も技能も有り作曲まで出来るが、オーディションを受けてのワルシャワ留学しかピアニストへの道が無い鍵太郎と、裕福な家庭で育ち芸大への進学を目指す凜子。
そしてオーディションを目前にした1995年1月17日…というストーリー。
エピソードも演出も演技力も、マイルドで振り切れない大映ドラマを観ている感覚。
結構本意が読めちゃう感じだし、関係性については明確では無いながらも拾ってくれたけど、余りにも色々と投げっぱなしで終了って…なんだか最後まで観た気がしなかった。
西宮のきれいな風景とともに
ピアノの音色がとてもきれいでした。
凛子と鍵太郎の眩しい青春時代と阪神大震災。そして大人の道を歩み始める彼らの物語です。
西宮は普通の町なんだけれども、その中にある美しさを上手く引き出してくれている映画だと思います。随所に見られる西宮のきれいな風景が、二人の成長を支えてくれている感じがしました。
立派な大人の達磨先生と、鍵太郎のお母さんも、二人の未来のためにいい味を出しておられました。
良かったよ!
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