アーミー・オブ・ザ・デッドのレビュー・感想・評価
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ゾンビ映画で上映時間148分!?
エリア51で密かに研究されていたゾンビが搬送途中の事故で逃げ出し、ラスベガスの地に放たれる。やがて、世界一のカジノはゾンビパンデミックの温床となり、周囲をコンテナで隔離されたこの世の地獄と化してしまった。事態の終息を図った大統領は、小型核弾頭によるゾンビ掃討作戦を立案。残された時間が少ない中、アメリカ政府関係者の謎の日本人ブライ・タナカ(真田広之)によって集められた傭兵集団は、カジノの金庫に眠る現金2億ドルの強奪計画を実行する。
監督・脚本は『300(スリーハンドレッド)』『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』等のザック・スナイダー。自身のキャリアに於ける初監督作『ドーン・オブ・ザ・デッド』でも、ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ(1978)』を現代的で鮮烈なゾンビ映画にリメイクしてみせたが、今回更なる要素を引っ提げて再び原点に立ち返った。
その他の脚本に『ジョン・ウィック:パラベラム』『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のシェイ・ハッテン。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』『トランスフォーマー/ビースト覚醒』のジョビー・ハロルド。
音楽に『マッドマックス/怒りのデス・ロード』のジャンキーXL。
主演に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのドラックス役として有名なデイヴ・バウティスタと、非常に豪華な面々が揃っている。
本作を一言で表すなら【もっと面白く出来たはずの最高の素材】という所か。というのも、先述した豪華な面々の割に、あらゆる要素が突き抜け切らないまま終わってしまったように思えるからだ。ゾンビ映画にケイパーモノを織り交ぜるジャンルミックスぶりは非常に魅力的なのだが、本作ならではの生態を持つオリジナルのゾンビ含め、作品の構成要素が多く、詰め込み過ぎてどれもが散漫になってしまったように思う。
ラスベガスをコンテナで囲んで隔離する様子は、まるで『進撃の巨人』。オタクなザック・スナイダー監督の趣味が良く現れている。
詰め込み過ぎ故、上映時間はゾンビ映画にも拘らず148分と長尺。とはいえ、要素の多さからか中弛みはしない、というか足りなかったくらいだろう。
登場キャラクターがどれも曲者揃いなのは魅力的だった。また、強奪計画のメンバー集めのシーンはケイパーモノならではのワクワク感があり、工場跡地での打ち合わせは「絶対そんな上手くいくはずない」と分かりきっているからこその笑いがあった。
主人公のスコット・ウォードは、優秀な元軍人でラスベガスの惨劇を生き残った猛者。しかし、ゾンビパンデミックで妻がゾンビとなってしまった際に彼女を殺めてしまい、娘ケイトとの間に軋轢が生じてしまう。毎夜悪夢に魘されながら、現在では寂れたダイナーでハンバーガーを作る日々。
スコットの娘ケイトは、母親の死後、父とは離れて生活し、ベガス近辺の隔離区域でボランティアとして働いている。隔離区域で知り合った子持ちの母ギータを救出する為、急遽強奪作戦に参加する事になり、そこで父との和解を果たす事になる。
マリア・クルスは、スコットのかつての同僚で、現在では自動車の整備工。密かにスコットに想いを寄せており、現金以上に彼の為を思って作戦に参加。しかし、ホラー映画のお約束とも言うべき死亡フラグ建築後、見事にアルファゾンビによって首を90°回転させられ無惨な死を遂げる。
ヴァンデルローエもまたスコットのかつての同僚で、現在は介護施設で働く髭を蓄えた黒人男性。ラスベガス脱出の際には電動ノコギリで襲い来るゾンビを切り裂いていた。金庫破りのディーターとは次第に妙な友情関係に発展していく。ディーターの機転によって厳重な金庫に閉じ込められた事で核爆発の被害を逃れ、唯一大金を手にした勝ち組になるかと思われたが…。
金庫破りのディーターは、計画参加者中唯一マトモな戦闘スキルを持たず、変人気質で陽気なトリックスター。ただし、ヴァンデルローエの指導によると銃の扱いの筋は悪くなく、実際に何体かのゾンビを倒してもいる。
ヘリ操縦士のマリアンヌは、報酬額を聞いただけで即座に計画に乗る守銭奴。お喋りで裏切る可能性もある曲者だが、何処か憎めない。打ち合わせ映像でのサングラスに葉巻姿がイカしていた。
動画配信者であるマイキー・グーズマンとチェンバースの勇ましい奮闘ぶりが良かった。決して必要ではなさそうなこの2人の活躍が、意外にも作品のスパイスとして機能していた。特に、チェンバースはシャンブラーが密集した閉鎖空間でのナイフと銃を駆使した近接格闘の見せ場が素晴らしく、序盤での退場が惜しいくらいに本作一の活躍ぶりだったように思う。
隔離区域のボスであるリリー(通称コヨーテ)は、隔離されたベガスへの侵入方法を知る案内人。アルファゾンビによるベガス内の支配構造にも詳しく、嫌味な隔離区域の傭兵バートを彼らへの生贄として捧げる。隔離区域の住民をベガスへ案内し続けてきた事に、彼女なりの罪悪感もある。
隔離施設で生活するギータは2児の母。子供達と脱出する為、危険を承知で衛兵へ渡す賄賂の金5000ドルを稼ぎにリリーの案内によってベガスの地に赴いた。
スコット達を手引きするブライ・タナカは政府関係者と思われる黒幕。本来の目的は現金ではなく、ゼウスの持つアルファゾンビを生み出すウィルスの回収。監視役&ウィルスの回収役として部下であるマーティンを送り込む。真田広之の胡散臭い演技は良かったが、あまり活躍の場が無く、後半はほぼ空気と化していたのは残念だった。
本作の主役とも言えるゾンビは、生物兵器として研究されていたという出自を持つ。
パンデミックの原因となる原初のゾンビ ゼウスと、彼に直接噛まれて変化したゾンビは、高い身体能力や戦闘スキルを有しており“アルファゾンビ”と呼称される。ゼウスを頂点に一種の社会を形成しており、彼の命令によって動く軍隊の様相を呈している(タイトルの『アーミー・オブ・ザ・デッド』もここから来ている)。
ゼウスは知能も高く、自らの弱点となる頭部を守る為、鉄製のマスクを被って行動する。彼の乗るゾンビ馬は、まるで『北斗の拳』の黒王号のよう。
また、ゼウスの妃に当たるザ・ブライドは彼の子供を妊娠中。この“ゾンビの妊娠”という部分は、『ドーン・オブ・ザ・デッド』でも見られた展開なので、ファンとしては嬉しい。
一般的なゾンビは“シャンブラー”と呼称され、動きも緩慢。ただし、本作ならではの特徴として、砂漠の直射日光で干涸びても雨に晒されると復活する。また、直立したまま睡眠を摂るという特徴もあり、その様子は、まるで並べられたマネキンのようだった。
サーカスで飼われていた虎がゾンビ化し、ゾンビタイガーとなっていたのも面白かった。ゾンビ化している以外は、行動や身体能力は生前と変わりなく、その高い身体能力でマーティンを殺害する。
ゾンビ達との戦闘シーンは、流石これまで数多くのアクション大作を手掛けてきたザック・スナイダー監督だけあって見応え十分。襲撃戦は勿論、ナイフによる近接格闘、素手による肉弾戦まで披露される。しかし、せっかく電動ノコギリなんてオイシイ武器を持ってきたヴァンデルローエの活躍が少なかった(電動ノコギリもオープニングでのラスベガス脱出でしか使っていない)事、クライマックスのヘリでのゼウスとの決着が銃弾によるヘッドショット1発というのはあまりにも勿体無く感じられた。
クライマックスは、ゼウスに噛まれてゾンビ化するスコットとケイトの親子愛。涙ながらに父親を撃つというのは、ベタながら王道。しかし、肝心の親子関係の修復過程が今一つで、劇的な展開を持って来られてもノリ切れない。また、このオチは容易に想像出来てしまった。
唯一の勝ち組となれそうだったヴァンデルローエも、ゼウスとの戦闘で負傷し、ゾンビ化しつつある事が明かされるラスト。ゾンビパニックは終わらないというお約束だが、正直、もう少しくらいは生き残るメンバーが居ても良かったように思う。
核弾頭でゾンビを掃討し、ゾンビパンデミックを終息させるというアイデアは良かっただけに、気持ち良く終わっても良かったと思う。
魅力的な要素に満ち溢れていただけに、もっとそれぞれの要素を活かしきる、もしくは描く要素を絞ってじっくり描いていれば更なる傑作にもなれたであろう点が残念。ザック・スナイダー監督が自身のキャリアの原点に立ち返り、やりたい事を詰め込んで楽しんだであろう点は微笑ましい限りだが。
スーパーマーケットの次は「カジノ」か。
初監督作以来のゾンビ映画。
しかも舞台はスーパーマーケット(大量消費社会の象徴)から、今度は「カジノ」(金満社会の象徴かな?)とは期待値が高まる。
「火事場泥棒」ならぬ「ゾンビ場泥棒」とはね。
冒頭のゾンビが野に放たれるシーンのグダグダ感はともかくとして、以降のノリとテンポと映像センスの良さは流石のスナイダー監督。
単なる強盗と思いきや、行方不明者捜索のために娘が同行したり、他の目的の怪しいメンバーがいたりとサブストーリーと並行して進む展開はGOOD。
それにしても、今回のゾンビは強すぎ。ボスと王妃だけでなく、格闘技の出来るヤツとか。
そりゃヤラれるよね。
まあ、ゾンビ映画の最高傑作とは言わないけど、アクションとして安心して見れる映画。
ゾンビも親心…
妻と子供を失ったゼウスの嘆きっぷり。。ゾンビも人の子と思ってしまった。あまり期待せず見たのだが、デイブ・バウティスタの肉体を駆使したパワーアクション、マシンガンを気持ちよく、ゾンビにぶっ放す様が爽快。身勝手な娘のせいで命を落とすことには残念だったが、総じて満足。真田広之、何がしたかったのか、もう少し深堀りしてほしかった。
カジノ強盗?はオマケです。 一番の戦犯はゾンビ王(笑)を怒らせたあ...
カジノ強盗?はオマケです。
一番の戦犯はゾンビ王(笑)を怒らせたあいつですが、もう一人います。
娘です。
この子が余計なことをしなければ、少なくとも二つの命は助かりました。
もしかすると、ギータは助かったのかもしれません。しかし、墜落後に出てこないということは、死んだのでしょう。安否の確認もされないっ酷すぎない?
娘が閉じ切っていなかった避難経路?はなんだったんですか?
あそこからゾンビが侵入してくるのかと思いきや、そんな事もなく普通にアレが脱出してましたよね。
あそことは別の場所?なんか、建物の構造がよくわからんもんで、同じ場所なのか違う場所なのかいまいちわかりません。
ちょくちょく伏線回収されてないとこがある(雨のくだり、ロボットのようなゾンビ、タイムループ)ので、続編作りたいんだろうなぁってのが伝わってきました。
話をややこしくする無知で無謀な女性
なかなか面白いゾンビ映画なので★4つにしたかったのだが、無知で無謀なおばさんを登場させ話をややこしくさせ、そのおばさんと娘を助ける為、結局自分の父まで犠牲にしてしまったという落ちは余りにもお粗末としか言えないと思ったので★1つ減点としました。それと1話のアーミー・オブ・シーブスの方が終わり方が爽やかで良かった。1話の主人公はどうなったのか気になるところ。
エイリアン2
気づかなかったけどザックスナイダーの映画はほとんど見てた。
この映画ってエイリアン2をベースにしてるよね。
娘がニュートの役割でとかヘリのシーンとかそのままやな。
ゾンビが意外といっぱい出てきて中々激しいアクションになってた。
意外とゾンビとの激しい攻防ってないんだよね。
大体一般人が戦うことが多いからかな。なので結構よかった。
アルファだっけ?あれの説明がないのは不親切だよね。
知能、感情があるゾンビはあんまり好みじゃないな。
主人公ってめっちゃマッチョでびっくり。
プロレスラーなんだね。そういえば007で出てたっけ。
ジェームズボンドがとてもじゃないけど勝てそうない感じだったし。
しかし真田広之は結構ハリウッド映画に出てるね。
地道に頑張っててすごいな。
進化したゾンビが楽しいけど惜しい
ザック・スナイダー監督によってアップデートされたゾンビが惜しみなく暴れ回るTHE・ゾンビ映画。
ゾンビタイガーから始まり、意思疎通が可能なゾンビ、ゾンビの中での階級制度、ゾンビ同士の愛、まさかのゾンビベイビーと、見たことのないゾンビが大量発生。ビジュアル的にはとても楽しく観れました。
ただ、宝探しに乗り出したアーミー達はまだしも、勝手にそれに加わった娘が無謀な行動をし、更にはその娘の行動起因になった無謀な友達(世話してた子供の母親)の行動により、案の定仲間たちが犠牲になるのは納得がいきません…。
そう思ってしまうのも物語パートの演出が微妙でペラペラなため、いまいちノリきれなかったからかと。
スカッとしないラストに感じてしまい残念。続編あるかも?なので、次回に期待!
娘を自殺で失ったザックスナイダーからのラブレター
今作は、ジャスティスリーグ制作中に娘を自殺で失ったザックスナイダーの心中にある「父親と娘の和解」がテーマの作品である。
と断言しても良いのでは。
ゾンビのリメイクから長編映画に参入し、300やウォッチメンなどの原作ものの映像化で脚光を浴び、その後のオリジナル作品で若干こけつつ、DCユニバースをマーベル連合と立ち向かう大役を任され、苦戦しつつも多忙だったザックスナイダー監督。
おそらく、今作の主人公である父親とその娘のように、2人の間には大きな溝があったのでは無いだろうか…
マッチョでありながら心が優しく、それでいてただただ不器用である主人公。
娘に理解を得ようにもその方法が分からず2人の溝は深まるばかり…
紆余曲折があり、娘と決死の作戦に挑む事なり、そこからは、もはや既視感しかないシナリオをザックスナイダーらしいセンスで程よくまとめた世界観は、そう悪くはない。
ただ、ゾンビものとしては、半年前に劇場公開された「感染列島」の方が新鮮味もあるし、テンポも良い。そして韓国もの特有の程よい御涙頂戴シーンでカタルシスもある。
正直、今作は数あるゾンビものとして、その設定も使い古しだし、ビジュアルも古い。
意思を持つゾンビもかつて、ランドオブザ・デッドでロメロが既に映画化している。
実に、古い。
古いけど、ザックスナイダーが描く、父と娘の和解というテーマで観れば、実はこの映画、むしろドキュメンタリーなのではないか、とすら思えてきた。
最後、娘を護り、散ってゆく父。
ようやく、娘と心がかわせる。
ザック、これを自分でやりたかったんだよね…
そう思うと、この映画は別な意味での涙が出てくる。
娘を亡くし、映画制作から離れたザックスナイダーを長編映画制作に呼び戻したNetflixの功績は大きい。
(おそらく劇中の金庫の中身並みのモノが動いたのであろうが)
ここから、彼なりの贖罪を経て、人の痛みを知る事ができるザックスナイダーの新しい道が始まったと考えれば、映画そのものとしては次第点とはいえ、今作はとても大きな意味があると思い、満点。
ただ、他の方が指摘してる通り、最後のフライト云々のくだりは不要ですね。
続編に期待?
ロケーションとゾンビの設定は満点に近かったが、2時間半の作品にも関わらず中途半端な伏線回収に難色を示した。
以下は個人的な不満と中途半端な伏線
まず、冒頭でのトラックから「ゼウス」が出てくるシーン。
何故運んでいたのか、そもそもなんの為に作られたのかも分からずベガスが地獄絵図に。
田中が何故αゾンビの首を欲しがりゾンビ王国にしようとしていたのか、どんな企業なのかが分からなかった。(冒頭に言っていたかもしれないが、仮に言っていたとして大半の視聴者は忘れているだろう)
警官が特に前フリもなく女戦士に生贄にされる
のが可哀想、もう少しクズエピソードがあれば見張りの死に際のような爽快感があった。
見張り役のいたずらで死んだインフルエンサーの彼女が、
あの時インフルエンサーに見張り役が裏切り者と伝える余裕があったにも関わらずそれを言わずに死んでいった。
干からびたゾンビが雨で戻るのかと思いきやそのような展開が無かった。
俺たちはタイムリープしてるかもしれない発言からのフェンス爆発の間が違和感があり、タイムリープ設定も活きておらずあえて遺体の格好を似せる必要があったのかが分からない。
主人公が娘にあれだけはぐれるなと言ったにも関わらず背景も分からない子持ち女性を助けようとして、計画が破綻。
他のメンバーがやられていく中父親の目を盗んででも救出しようとする神経が分からない。
お前が助けに行かなかったら生存者が少しでも多く、父親を自らの手で殺めなくてすんだのにと思ってしまう。
間違いなく今回の戦犯でありおそらく唯一の生存者だろう。
ただ、もし娘と彼女の友人の関係性がもう少し深堀されていたら助けにいく理由に納得出来たかもしれない。
インフルエンサーがサイコパスなイカレ野郎かと思いきや終始笑顔を見せず真面目なキャラで黒人と見張り役に隠れてしまっていた。
散り際はかっこよかったが、もう少しぶっ飛んだキルシーンをいれたらキャラが立ってたかも?
ゼウスと王妃の間に産まれた子のシーンが何も伏線がないのならいらない気がした。
恐らく続編で核耐性持ってましたからの登場があるかもしれない。
本作はホラーの中に家族との絆と命の尊さを描いているが、ゾンビの青光りした胎児を見て同情もなく逆に嫌悪感を感じた。(私の心が冷めているのかもしれないが。)
後日譚で5分以上黒人に使ったのにも関わらず彼は結果感染しBADENDでED
それなら娘の方にフォーカスあてて平和な世界を描いた方が良かった気がする。
色々と不満を並べたが、正直観て後悔はしていない。誰が死ぬか分からない緊張感や続編や妄想を膨らませてくれるような演出はある意味ザック・スナイダーの良さでもある。
ので、個人的な上から目線での指摘であり万人の評価は様々なので参考程度にして頂きたい。
途中までは面白かった
娘が足引っ張るんだろうなと思ってたら案の定 娘の勝手な行動で
親父が死ぬというやるせなさ・・・。
親父の絶命前の会話も馬鹿娘のお陰で感動なんて
できねーし、コヨーテもヘリに乗れただろうに意味不明な自己犠牲。
つーか小規模とはいえ核爆発の瞬間あの距離なら放射能
浴びるだろうし電磁パルスの影響でヘリのエンジン
止まるんじゃないの?
B級も度が過ぎればC級になる
演出がくどい。
ストーリーは良いとして、グダグダな作戦と弾切れしにくいアサルトライフル(謎なタイミングで弾が切れる)、5.56mmではじけるゾンビ、C4並に爆発する手榴弾。
全部がすこぶるファンタジーだと興醒めする。
話は悪くないが演出がひどい 注:ネタバレあり
セットやヘリなどが出て来るのを見ると、お金は随分かかっているようだけど、演出がひどくて興ざめポイントが多い。ゾンビ物は好きなんだけど、これはひどいと思った。俳優さんたちの演技が良いだけに、監督の残念っぷりが際立つ作品。真田広之の使い方もひどい。何故日本人なのかも設定がよく分からない。
■興ざめポイント
1.最初に死んでしまう女性が、十分しゃべる時間はあったのに、自分を陥れた相手の事は言わずに「逃げてー」みたいな事だけ言って死んでいく。
2.主人公が最初にグループに引き入れた女性が、死ぬシーンの前に突然主人公に愛の告白をする。主人公も奥さんが非業の最期を遂げたはずなのに、なぜかそこで相手を好きというような事を言ってしまう。この女性の死をドラマチックに見せる為にやった演出なのだろうが、脈絡が無さ過ぎてひく。
3.ラストに近いシーンで、化け物に追われているはずなのに、主人公たちが笑顔で談笑して、なかなか全員ヘリに乗らない。きっかけ待ちが露骨過ぎてひく。
4.普通にヘリに乗れば良い状況で、なぜか女性が一人「私が引き付ける」と言って、ヘリに乗らずに無駄に死んで意味不明過ぎる。
5.せっかく女性が時間稼ぎしてくれたのに、それをずっと眺めていた為に、結局化け物にヘリに乗り移られてしまい、犬死に感と何やってんだ感でげんなりする。
6.どうやって探知したのか、主人公の娘がいるところに救助のヘリが登場。でもこれくらいの無理やり演出は、もう驚かなくなっている。
エンタテイメントなので、ある程度強引な演出でも楽しめる方だが、この無理やり感動させたいという意図が見え見えの稚拙な演出は、ちょっと馴染めなかった。
リターン・オブ・ザ・スナイダーゾンビ
ザック・スナイダーの映画監督デビュー作は、ゾンビ映画。ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』をリメイクした『ドーン・オブ・ザ・デッド』。
最近すっかりDCコミック映画化の中心人物となったスナイダーだが、そんな彼が17年ぶりにゾンビ映画の世界に帰ってきた!
ラスベガス付近で、“ある物”を載せた軍のトラックと一般人の車が衝突事故。それによりトラックから、“ある物”が脱走。それは兵器として極秘開発されたゾンビだった…!
屈強で強靭、俊敏なゾンビにあっという間にラスベガスは支配され、街全体は隔離状態に。生き残った人々も街から離れ…。
穏やかに暮らす元傭兵スコットの元に、謎の日本人タナカが現れ、ある話を持ち掛けてくる。ラスベガスのカジノの地下金庫にある大金を手に入れるというものだった…。
予告編の印象だと、旨い儲け話に乗せられていざベガスに行ったら、そこはゾンビだらけで…と思ったが、違った。
スコットは元々ラスベガスの住人。ある悲しい出来事が…。全て承知の上。
ま、確かに全て分かった上でないとこんなちょっと怪しげな話を引き受ける訳がない。それに、ベガスが隔離されてるなんて緊急事態、知らない人居る訳ないし。
ゾンビが蔓延る隔離ステージでのお宝奪取作戦。
…と言うと、何処となく先日見た『新感染半島 ファイナル・ステージ』を彷彿。
しかし、似て全く非なるもの。
チームを募る。
昔からの傭兵仲間、金目当ての者、脱出の際のヘリ番、金庫の鍵開け番、タナカのお目付け役…。
とてもとても“仲間”とは言えない寄せ集めのクセ者ならず者チーム。こういうの、いいんだよね~!
計画は単純。
ベガスに入る。ゾンビを倒しながら、カジノへ。地下の金庫を開け、お宝を頂き、ヘリに乗って勝利の夕陽に向かって脱出する。
期限は36時間。と言うのも、政府が核ミサイルでベガスを消滅する事を決定。
まさに、生か死か、人生一発大逆転を賭けた一か八かの作戦。
何事も無ければ楽勝。しかし、必ず何かは起きる。
ベガス近くの隔離施設に住んでいるスコットの娘、ケイト。
友人がベガスの中に入り、連れ戻す為に強引にチームに加わる。ちなみにこの父娘、トラウマ的な確執あり。
ベガス~カジノまでは守備よく潜入。地下金庫へ。トラップが仕掛けられ、金庫も超厳重。
脱出のヘリもおんぼろ。
何か、怪しい…。
突然、核攻撃の時間が繰り上げられた。タイムリミットまで90分…! 間に合うのか…!?
そして彼らに襲い来るゾンビたち!
ゾンビと言うと、ただうろつきさ迷い、人肉を食らうだけの“歩く屍”だが、本作のゾンビは全くの新種。
まずベガスに入って彼らを迎えるのは、“ゾンビトラ”! ゾンビだけでもトラだけでもご遠慮したいのに、まさかのその掛け合わせ!
異質なゾンビが現れる。下僕を従えた女型ゾンビ。
“ブライド”。
ラスベガスはもはやゾンビたちがただ蔓延っているのではなく、“王国”。
ゾンビたちも統制の取れた“アーミー(軍隊)”。
“ブライド”は言わばナンバー2。王妃。
もう一人、上に居る。彼らを統治する初代ゾンビ。王。“ゼウス”が…。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の時とは違って素顔のデイヴ・バウティスタ。でも、タフさは同じ。って言うか、腕力でもゾンビを倒せそう。チームの頼れるリーダー。また、娘との微妙な距離感も好演。
チームの面々が本当に個性的。果たして、この中で生き残る事が出来るのは…?
残念だったのは、タナカ役の真田広之。一緒に闘うのかと思ったら、裏ある雇い主。『インセプション』の渡辺謙みたいに雇い主でありつつ、一緒に闘う姿を見たかったなぁ…。
ゾンビ版『特攻大作戦』のようなもっと快テンポの作風かと思ったら、だってそこはやっぱりスナイダー、思ってたよりシリアス調。
でも、軽快な『Viva Las Vegas』に乗せてベガスがゾンビに乗っ取られるOPシーンはナイスセンス。スナイダーのシリアスさと、本作のエンタメさが融合し、本作自体を表していると感じた。
ゾンビ映画としては驚きの2時間半の長尺。
その内2時間はお宝を手に入れるまでがじっくり描かれ、これはこれで緊張感は途切れないで面白い。
だけど、本作はゾンビ映画。
ある人物の真の目的でゾンビ側にも悲劇が起こり、悲しみの復讐…。
ゼウスは感情も持っているのだ…!
クライマックス30分は怒涛のアクション!アクション!!アクション!!!
バイオレンス描写もたっぷり、容赦ないくらいチームの面々が犠牲になっていく…。
とにかく、ゼウスの強さが半端ない!
他のゾンビも並みのゾンビ以上だが、それを遥かに凌ぐ。言うなれば、拳一つで人間を捻り潰し殺せるほど。
この最強にして最凶ゾンビ王を倒せるのか…?
友人を捜しに居なくなったケイト。
タイムリミットまで後僅か。
スコットは全てのミッションをクリアする事が出来るのか…?
アメリカ前独裁者への皮肉や現在のコロナ渦を彷彿させる描写も。
予定調和で、粗い点やツッコミ所もまぁ…。ハリウッド映画あるある何でも核。
だけどそこはエンタメ・パワーで押し切る。
劇場大スクリーンで見たかったと思わせる、特盛のスナイダー流ゾンビ映画超大作。
DCコミック映画のリーダーになったスナイダーだけど、もう一つの顔。
ロメロにオマージュを捧げつつ、一味も二味も違う、ゾンビ映画のニュー・タイプ!
そして勿論、間もなく待望の日本配信の『ジャスティス・リーグ ザック・スナイダーカット』も超見てぇ~!
(ザックのプチブーム到来…!?)
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