メタモルフォーゼの縁側のレビュー・感想・評価
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「 ”はい”か”いいえ”で答えてくれますか?」 「はい」 「BL苦手な人は観ない方がいい?」 =>「いいえ」。 そんな事はありません。心が暖かくなるハートフルなお話です。
何となく観るのを躊躇っていたのですが
気になるなぁ な感じも無くならず… で
結局鑑賞することにしました。
この作品
観る前に思っていたイメージと
観た後に感じたモノがだいぶ違うなぁ
というのが正直な感想です。
(良い方にブレました)
BLという題材や
年齢差のある二人の女性の交流
それがどんな風に描かれるのだろう と
ストーリー展開に一抹の不安があったからなのですが
要らぬ心配だったようです。
時に優しく、時には力を込めて。
人が人の背中を押す。
そんな暖かさに溢れた世界での
BL好きな女子高校生と
夫に先立たれひとり暮らしの老婦人との
心の交流を描いたお話です。
観て良かった。
◇
夫の三回忌の帰り道
本屋に立ち寄った老婦人が一冊の本を手につぶやく
「綺麗な絵だわ」
ページをめくる。 手が止まる。
「これは… キッス? しているの?」
「あらあら」
「まあまあ あらあら」
購入。
帰宅。
読書。
…。
「あらまあ。 続きは?」
再び本屋。
近くの店員に声をかける。
「この本の続きは あるかしら?」
アルバイト店員の女子高校生
(BLだわ それも私の好きな本!)
続きの本は在庫切れだったが
「取り寄せ出来ますけど」
「ぜひ お願いしますわ」
こうして
女子高校生(うららちゃん)の働く書店に
BL本に目覚めた老婦人(市野井さん)が
頻繁に買いにくるようになる
書棚のBL本を色々と紹介したりしたいる内に
いつの間にか交流が始まり
市野井さんの自宅まで自分のおすすめ本を持って
訪ねていくようにまでなるのでした。
そして ある日
「うららさんは 自分で漫画を書かないの ?」
「へっ ?」
これだけBLが好きなのなら
自分でお話を描いてみてはどうなの と市野井さん
才能がなければ描いちゃダメだなんて
そんなコト無いでしょ? …
そして
作品を書き始める うららちゃん
絵がヘタでもいい
自分の書きたいお話を作品にするんだ
そして出来た本
コミケに申し込んではみたものの
販売のブースに気後れして行けなかったり …と。
売れたのは結局2冊だけだったけど
その中の1冊を買った人が 実は…
と、まあ (長いなぁ すいません…)
こんな感じで進むわけですが
登場する人物に悪い奴がいない というか
みんな優しい良い人ばかり。
不思議な余韻の残る作品です。
ハートが暖かくなります。
重ねて書きますが、観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
南瓜
カボチャを切ろうと
必死に包丁の刃を立てる市野井さん
固くてなかなか歯が立たない
…
そして食事の場面
市野井さんの後ろには
包丁が刺さったまんまのカボチャ (うわ)
カボチャが人の頭に見えて
ホラー感いっぱいの絵面でした… 怖い
芦田愛菜さん
演技はもちろん良かったのですが
走ると速いのにびっくり。
リズミカルに疾走する姿は、まるでペンギンのよう。
(フォームが可愛いのです)
走るシーンが出るたび注目して見てました。
何か体育会系の部活でもやっているのかな?
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
ラストの着地が良ければ傑作だったとは‥
(完全ネタバレなので必ず映画を見てから読んで下さい)
個人的にはBL漫画には抵抗があって題材的にどうなんだろうとは思われましたが、すごく良かったです。
秀作だったと思われました。
特に主人公の佐山うららを演じる芦田愛菜さんの演技が素晴らしく、雪を演じる大ベテラン宮本信子さんの演技と全く遜色なく、2人の関係性を見ているだけで成り立つ映画だと思われました。
岡田惠和さんの脚本だからか劇的なことはなるだけ廃されていました。
淡々とした映画になりかねないストーリーをここまで芳醇な映画にしたのは、特に芦田愛菜さんの深くも自然な演技と宮本信子さんの広い存在があったからだと思われました。
ところで個人的に惜しいと思ったのは、うららが「完璧な1日でした」という終盤のシーンでした。
うららはやはりラストでコメダ優先生(古川琴音さん)と会話は交わした方が良かったのではないでしょうか?
この映画の主人公のうららが描いた同人誌のBL漫画が、うららの視点からコメダ先生に届く必要があったと思われました。
うららが描いた同人誌のBL漫画は、雪の説明によりうららが描いたことはコメダ先生に伝わります。
しかし、雪がコメダ先生に伝えた会話の中心は、コメダ先生のBL漫画によって雪がうららと友達になれた、という感謝の言葉でした。
この雪の感謝の言葉はコメダ先生にも伝わり、観客である私にも感動を持って伝わりましたし、素晴らしいシーンだったと思われます。
しかしうららは、雪と友達になれたのは本当に良かったと思ってはいても、一方でうららは、雪と友達になることで自身の心情の問題は全て解消していないとこの映画で伝わっていました。
そのうららの心情の問題とは、母子家庭にいる自分であり、幼馴染の河村紡(高橋恭平さん)と付き合っているうららからは何でも手に入れているように見える「ずるい」橋本英莉(汐谷友希さん)に対してであり、高校卒業後の進路についてだったと思われます。
これらのうららの心情の問題は、うららが雪と友達関係になっても解消することはなかったと思われます。
そのうららの心情の問題の空白を埋めるのに、うららはコメダ先生のBL漫画が必要だったと思われました。
そしてうららが描いた同人誌のBL漫画が、うららが作者本人としてうららから見た視点でコメダ先生に届く必要があったと思われます。
終盤でうららとコメダ先生とが会話できなかったことで、残念ながら、うららの心情の問題は映画としては解消されずに宙に浮いた状態で終わってしまったと、観客の私からは思われてしまいました。
ただ、このうららとコメダ先生が会話できないのは、どうやら原作通りのようです。
原作者の鶴谷香央理さんは「願いはわかりやすくは叶わない」をその場面に込めたそうです。
すると映画としては、原作者の鶴谷香央理さんの原作意図通りにこの場面を描くなら、うららの心情問題の解決を別の方法で取る必要が出てくると思われました。
それは、うららの幼馴染の紡が、海外留学するので別れた橋本英莉の、海外留学の見送りに行く場面で可能だったと思われます。
うららの心情の問題には、幼馴染の紡や、自身が大切にしていたBL漫画まで奪って行くように思えていた「ずるい」橋本英莉との関係性もあったと思われます。
その橋本英莉を追いかける幼馴染の紡との(映画として)最後の決着が(うららがコメダ先生と会話できないのであれば)必要だったと思われます。
しかしうららは、幼馴染の紡とも「ずるい」と思っていた橋本英莉とも、しっかりとした対峙解決をしないまま紡とは途中で別れてコメダ先生のサイン会に戻って行きます。
つまりうららはこの映画では、自身の心情の問題である紡や橋本英莉(加えて母子家庭や卒業進路など)との関係性の解決も、その苦しさから生き延びる為に読んで来たBL漫画の作者であるコメダ先生との会話も、そこから自分の力で生き延びようとして描いた自身の同人誌のBL漫画の評価も、得られないまま宙ぶらりんの状態で物語は閉じられることになったと思われます。
観客の私からは、とてもうららにとって「完璧な1日」とは伝わらず、映画の感動という点では食い足らなさがあったのも事実です。
しかし、もしかしたらうららにとって映画終盤の宙ぶらりん状態の先に(私には伺い知れなかった)解決の光を見たからこそ「完璧な1日でした」の言葉が出たのかもしれません。
映画は宙ぶらりんの状態で閉じられましたが、本当の物語のエンディングは映画のずっと先にうららにとっての未来に待っているのかもしれません。
個人的にはなので、傑作まであと一歩の感想は持ちました。
しかし作為性を限界まで廃して、だからこそそれぞれの登場人物の演技が突出しているから成り立ったこの映画は、やはり素晴らしかったとは思われました。
今年見た中で取り敢えずベストワンです
とにかく芦田愛菜が画面を走る。それだけで魅せる。
嬉しくても走り、哀しくても走り、時に逃げるために走る。
芦田愛菜って絶世の美人では無いけど、その豊かな表情とクルクル揺れ動く感情に、どんどん惹きつけられてしまう。
おそらく高校時代に芦田愛菜が同じクラスにいたら、絶対にオレは好きになるなぁ、ただ腐女子なんだけどさ(*^ω^*)
そして宮本信子が、ひたすら穏やかで優しい。
人生の終盤になって、ふとしたキッカケでBLに目覚めてしまうのだが、そのキッカケが不自然でないのが上手い。
何よりこの作品に出てくる登場人物に悪人は誰ひとりおらず、死や病気、貧困などの不穏な空気が漂うシーンは殆どなく、最後まで安らかな日常が続いて、そしてそのまま終わる。
こんな話はメルヘンだとかファンタジーだとか言われるかもしれないけど映画なんだから。見終わった後にこんなにホッコリする作品に出会えて良かった。
二人がハマったBLを描いている漫画家も優しくて、かつ親密になりすきないクールな関係性を最後までキープしたのもベタつかない展開になって良かった。
高齢者をテーマとする映画「PLAN75」とこの作品を同時期に続けて見たが、年寄りになっても、あんな所に行くよりコミケに向かう方が楽しいに決まってる!
BLサンド🥪 食べながら泣いて人は成長するのよ
本屋でアルバイトしている母子家庭の女子高校生うららと夫に2年前に先立たれた書道教室を営む高齢婦人の市野井雪。
お料理本を買いに来たのに、コミックコーナーに迷い込み、装丁の美しさから手にとって衝動買いしたのはボーイズラブの単行本。
雪の貸本屋のエピソード。
蕗谷虹兒の作品のようなきれいな装丁の古い貸本。
雪も乙女だったのね~
BLは少女からみたら禁断の異世界。
BLファンであることに後ろめたさを感じているうららと対照的に人前でも堂々と感想を語る雪。
メタモルフォーぜは生物学用語で、
変態。
いつの間にかうらら(芦田愛菜)が成長して、芋虫が蝶に変わる瞬間を見届ける気持ちになっている。
おばあちゃんは親を卒業しても、孫の世代のお世話をしてずっと輝ける。男からするとこれはちょっと羨ましい。
コンビーフとレタスのサンドイッチは青海のコミケ会場で食べられることはなかったが、市野井家の縁側で。
BLサンド。
ほぐれて混ざりあったビーフとシャキシャキレタス。
イカの大根煮もめっちゃ食べたくなった。カレーライスカレー🍛も。
宮本信子。
芦田愛菜。
女子高校生の芦田愛菜の膝の裏のぷよぷよ感も良かった。
最初の方の宮本信子の髪型。カツラ? ベルバラぽかったぞ。
品のいい綺麗なお婆ちゃんって素敵。
熟女(JJ)ばんざーい\(^-^)/
ブルージーなギター🎸サウンドや最後の主題歌も温かくてグー👍
岡田惠和の脚本って好きだなぁ。
青春を進む人、戻る人
この二人が出会う事によって、化学反応が起きましたね。うららは青春と言う物に違和感があった物が進み、雪は一人で寂しい暮らしが、青春を取り戻しました。最後のコメダ先生とうららが会った時にうららの存在を認識して欲しかったかな。愛菜ちゃんって足早く無いですか?
自分の"好き"がある全人類のための映画。
原作未読。
芦田愛菜と宮本信子だなんて観ないわけにいかないって感じでしたが、期待以上の傑作でした。
私にとっては今年一番かもしれない。
序盤、雪さんがウキウキしながら、仏壇に向かって「まだそっちには行けないわ」って言うところで、ポロポロ涙がこぼれてきちゃいました。
あんな風に軽やかに自分の"好き"を自分で認められることが、羨ましかった、のかな、たぶん。すごく、いいなぁって。
うららみたいに、"好き"を隠しちゃう方が、感覚的に理解できちゃうから。
でも、うららが隠したいと思ってることそれ自体には、雪さんはふれないんですよね、それが良かった。
「もっと堂々としていいのに」とか、説教くさく言っちゃいそうじゃないですか、大人って。そんなこと本人が一番良くわかってるのに。
そんな、上から目線で子供扱いすることが、雪さんは全くなくて、ただただ好きな漫画の話で盛り上がっていられたのが17歳のうららにとっても居心地良かっただろうなと思えるから、この歳の差の友人関係も納得できました。
全編通して、余計な説明をしない映画だったのが、すごく良かったな。
橋本さんが教室にBL漫画を持ってきてみんなで楽しんでるのを見たうららが、「ずるい」って思った、そのことも、雪さんに言おうとしてタイミング逃してそのまま、でしたね。
それもまた良かった。うん、説明も解決も、しなくていい。
だって、みんなもうわかってる。
みんなもうわかってることを、ちょうど良い距離と重さで観てるこちらに投げてよこす感じが、最高でした。
最高の脚本とお芝居と演出があってこそなんだろうけどそこはど素人の私が言葉にできる範疇じゃないので置いとくとして、とにかく、観ていてとても心地良かったです。
心地良いといえば、2人のお芝居がいちいちリアルで良かったなぁ。
宮本信子さんは背筋が伸びていて凛と立つ印象なんだけど、雪さんの歩き方はごく普通の75歳のおばあちゃんで、立ち上がるところとか階段を降りるところとか、60代でも80代でもない、75歳の速さと重力感がめっちゃリアルで。
芦田愛菜ちゃんは清楚でいて人当たりのいいふわっとした印象なんだけど、うららの、本屋で紡たちを見つけた時の隠れ方とか、雪さんと別れた直後に紡たちに会ってダッシュで逃げるその走り方とか、つっかえながら早口でしゃべるところとか、ちょっとダサいオタクな感じがカンペキでした。ポニーテールというよりただ一つに結んでるだけのボサボサな髪型まで含めて。
うららのことはほぼ母親目線で見てたから、頑張るところも頑張りきれないところもうるうるしちゃうし、雪さんのリアルな重さと思考の軽やかさにもなんだか泣けてきちゃうし、観終わった今もそんな泣ける映画だとは思わないのに結果的にずっとうるうるしながら観てました。
観ない選択肢はなかったけど、本当に観て良かったです。
終わらないうちにもう一回行きたいな。
パンフを買うことは滅多にないんだけど、次行ったら買おうかな。
暖かい優しい映画
2回映画館で鑑賞しました。特に絵を描いてる人は共感できると思います。
漫画を読む時の楽しさ、漫画を描く時の苦しさ、それでも完成したい、そして達成感を感じることの表現は素敵でした。
そして、漫画家にとって、この漫画を描いてくれてありがとうというのは、最高の褒め言葉だと思います(多分)
メタモルフォーゼ=変質者(ダブルミーニング)
原作既読済。
大きな盛り上がりも鬱屈とする事もなく、ゆっくりと時間が流れてゆく。
観終わった時にほんの少しの寂しさと優しい幸せな気持ちになれる。
ほぼほぼ宮本信子と芦田愛菜だけでストーリが進行する。二人の役者を心から堪能できる。
こういう映画は稀有である。
私的には費用対効果がかなり高い。
以下つらつらと。
池袋のTOHOシネマズで観たのだが、平日の昼なのにほぼ満席。…そうか、此処は。
うららは今時の子にしては無地の服ばかり着ていて、視覚的に斬新。上手く陰キャを表現する手法と思う。
英莉に対して「ずるい」とうららは言うのだが、こちらの目に映るうららは芦田愛菜なので、全方位で完全勝利していてチョット複雑な心境。
進行ごとに習字で状況を表すのはクスッと出来て、良かった。
今作の原作改変部分は大体許せるのだが、コミティアに雪が参加できない件は許容範囲外。コミケをパスした二人が年の差で参加するのが醍醐味だろうに。
「遠くから来た人」に登場する二人は原作では佑真と咲良のオマージュなのだが、映画では追加されたコマによってうららと雪の関係も投影されている事が解る。「あれは本屋」「あれはカフェ」「縁側で食べるカレー」のくだりは目頭にぐっと来る。と言うか泣いた。
エンディングの曲も良い。二人がカラオケに行ったらこんな感じなのかな…なんて想像してしまった。
追記:雪さんに亡くなった祖母を重ねて視てしまい、うららさんにまだ居ない娘を重ねて視てしまい、感情がかなりバグって大変でした。
創作活動を止めてしまった人達に観てほしい傑作
内容は原作漫画に沿った物語で、もちろん原作との違いもありましたが
主人公のうららちゃんが自分で漫画を描きだすところからはもうずっと応援してましたね。
漫画を描くという行為、描ききる事がどれだけ素晴らしいことかっていうのもありますが
描いてなおイベントに参加し、アクシデントもあり参加出来なかった自分が情けなく泣いてしまう……。
情けなくなんかないよ!君はとても凄い!素晴らしいことを達成出来たんだ!って叫びたくなります。当たり前にこっちが泣きます。
更に雪さんがコメダ先生に「ありがとう」と伝えるシーン。
作者側の立場で自分の作品で人が喜んでくれたという達成感を味わえる人と
読者側の立場で自分の好きな作品を生み出した人に気持ちを伝えられた幸福という
どちら側でも感動必須の名シーンでした。体感で劇場の9割の人が泣いてました。はず。
とにかくとても爽やかな、それでいて自分がオタクでいて良かった…と思える素晴らしい一作でした。
可愛いと幸せな気持ちが詰まった映画。
まずは言いたい。
宮本信子さんの雪さんが可愛い!!!
これまでも宮本信子さんが演じられるおばあさん(あまちゃん、奇跡の人etc...)は高齢の方の仕草のリアルさがありながら、愛らしさもあって大好きだったので、絶対本作の役のおばあさんも好きになるって知ってた。
知ってたけどやっぱり可愛い!!
雪さんがうららさんと仲良くなってはしゃいだり、嬉しそうにマンガのこととか色々話したりしてるの見てるだけで幸せな気持ちになった。
そしてもちろん芦田愛菜ちゃん演じるうららさんも可愛い。
嬉しそうに雪さんのおうちに行く姿を見てこちらも幸せな気持ちになった。
お友だちって実は歳の差があったほうが色々と楽しそうだし、互いの色んなものを補い合えるのかもしれないなーと思う。
そして歳の差に限らず同じ好きなものについて話せる友人はいいよね。お友だちこそ前向きな思いで繋がれる人が良い。
個人的に好きなシーンはコメダ優先生のサイン会に行った雪さんがコメダ先生に「この漫画のおかげで私たち友だちになれたの」って言うシーン。とても良かった。
雪さんとコメダ先生(古川琴音さん)の嬉しそうな表情を見ながら、ご都合主義かもしれないけどそれでも美しい奇跡に泣いてしまった。
しかしうららさん、同人誌販売イベントに申し込んだはいいけど、印刷の入稿締め切り10日前からペン入れ始めるところでは「え、落としちゃわない!?大丈夫!?」とハラハラしたぞ(でもちゃんと仕上げたうららさんすごい)。
全編通してうららさんと雪さんの出会いのきっかけとなったBLマンガのストーリーと重ね合わせながら、うららさんたちの物語も進む演出だったんだけど、恋であれ、友情であれ、親愛であれ、相手のことが大好きで大切に想っているっていう点については同じなのよね。
そしてスクリーンの前で「うららさん、雪さん、幸せになれ!頑張れ!」って応援したくなる気持ちも、スクリーンの中でマンガの2人を応援するうららさん、雪さんと重なった気がした。
ほっこり幸せな気持ちになれる可愛らしい映画だった。
EDの主演2人が歌う「これさえあれば」も大変可愛くて良きだった。
これさえあれば平気さ
望むものなど何もない
エンドロールに流れる T字路’sのカヴァーを2人のキャラクターが歌う心地よさ
一つの悪意も画面から出てこない夢のような物語
その分 単調なストーリーを 演技で魅せていく
芦田愛菜さんって パシフィックリムでくらいしか見た事無かったけど 素晴らしい存在感
短いシーンだけど 幼馴染と電車で隣り合う時の 複雑な応援する気持ちと 多分仄かな恋心
見送って 切り替えホームで疾走する姿
あの一連の輝き もう一度観たくなる
他の作品も見てみます
いい映画ですねーーーー!
なんだか歳をとるのが楽しみになりました。
感性が豊かだと新しいことに興味が出るし、仲間もできるのですね。
うららと雪さんが大切なことに気づかせてくれた映画。
ありがとう。
雪さんみたいな女性になりたい
雪さんが本当に可愛らしくて魅力的な女性でした。うららちゃんもとても優しくて周囲を思いやれる素敵な女の子で、美人のクラスメイトに嫉妬してしまう多感なお歳頃らしさも含めて愛おしくてたまらなかったです。
素敵な二人の間に生まれた友情が素敵でない訳がなく、温かい気持ちになれるやり取りで溢れてました。
単行本の発売頻度をみて、長生きを決意する雪さん、世界で1番可愛いおばあちゃんだと思います。雪さんの言動は終始可愛らしくふふと思わず笑いがこぼれました。
雪さんにおすすめするBL本に悩みまくるうららちゃんの気持ちは痛いほど共感できました。そっと見守る本屋の男性店員さんも良かったです。
幼馴染の紡くん、うららちゃんの部屋でBL本見つけても気づいてないフリするのできる男すぎました。それなのに、終盤ちょっとうじうじしてるのは可愛すぎました。
初めての漫画1冊描きあげる過程は、最初はうららちゃんの画力がリアルに悩ましくて、先行きが見えなかったけど、雪さんがうららちゃんを全肯定してくれるから、ずっと安心して見てられました。あんな素敵な作品になるとは想像しておらず、内容にとても感動したし、コメダ先生が元気付けられたのも分かる気がします。即売会で売り子やってる雪さんを見たいので、いつかリベンジして欲しいです。
うららちゃん母の「わたしたち小市民はせめての精神で」的なセリフが個人的に作中イチの名言かなと思ってます。
サイン会は号泣でした。二人が友達になれて本当に良かったと心から思いました。
押し付けがましくなく相手の意思を尊重しながら趣味を共有する、人付き合いで大切な心得を改めて教えてもらえるような作品でした。好きなことに真っ直ぐでい続けられるためにも、そんな関係でいられる友達を大切にしたいです。
起と承が特にスゴイ
2シーン目ぐらいで宮本信子と芦田愛菜が出会うんだけど、流れが自然ですごいね。それで、それぞれを描写して、また出会う。ここで芦田愛菜が『貸しましょうか』と言って一気に仲良くなるのかと思えば、それはフェイントで……って自然な流れがスゴイの。
やっとカフェで話ができたと思ったら、BLの恥ずかしさを、年の差で話をする恥ずかしさと誤解して、でも、それも解いてって流れもいい。
それで、芦田愛菜は、BLについて語れる相手ができてすごく喜ぶんだけど、それを、校舎内を走るシーンだけで表現するんだよね。うまい。
そこからも最小限の台詞で表現して良かったな。
物語が進んで「これは、芦田愛菜は、描くしかないだろ、マンガ」ってなって。『才能ない人はマンガ書いちゃいけないの』が勇気をくれるね。
それで芦田愛菜、作品を書き上げるんだよね。これがスゴイ。いきなり完成させた。
ここで『やったー!』と喜びを爆発させても良さそうだけど、『たのしかった』と呟くだけで、爆発と同じ効果を出してくるのもスゴイ。
コミケに行って出展できないのは『わかる』って感じだったな。冷静にみたら、周りのレベルと全然違うしね。でも「あんなに喜んでたのに」と気持ちを寄せちゃうね。買ってくれた幼なじみは偉い。それで宮本信子が『こんなに立派なマンガを創ってすごいじゃない』と締めてくれる。冷静に考えて、スゴイと思うよ。いきなりコミケに出せる作品を創ったって。
そのマンガの内容もいいね。そんなに面白い訳じゃないけど、初期衝動を感じる。縁側で食べるカレーは美味しいよね。
あと芦田愛菜のヲタクっぽい演技すごい。色んな芸能人がヲタク役をやるけど、みんなただ早口で蘊蓄をしゃべるだけなんだよね。キョドった感がない。
大体、芸能人なんてきらびやかな世界でやれる人たちで、ヲタクとは対極なんだよ。だから真似できる訳がない。
でも芦田愛菜はキョドってた。本好きだって言うし、陰キャ成分を持った人なんだろうな。
エンドロールを観てたら『脚本 岡田惠和』で、「これは、うまいの当たり前か」と思いました。
芦田愛菜も好きになったし、良い作品だと思うよ。
前向きなれるいい映画
友人に誘われて鑑賞。
前情報も芦田愛菜と宮本信子がBLを通じて仲良くなるというくらいしかなかったので、先入観なく楽しめました。
芦田愛菜演じるいじめられてはないけど、クラスに友達いないボッチ女子感がリアルでよかった。
幼馴染のイケメンが彼女のクラスの人気女子にBL勧めて、クラスでもBLについて話し易くなったのに、かえって自分のサンクチュアリ侵された、と卑屈になる感じもリアル。
その幼馴染のイケメン男の存在は途中までいるのか?と疑問でしたが、本作でのBLが好きな定義が自分が介在しない恋愛を応援することが楽しい!、という事で幼馴染とクラスの人気女子の恋を芦田愛菜が少し一押しする、ということでストーリーと上手く繋がったのがいい。
ただ、物語の肝となる2人でBLマンガを作るところが、2人で作るという感じが無いのが残念。
個人的にはもっと2人で協力して漫画作成して欲しかったので星は0.5落としてます。(漫画の内容自体は主演2人の関係性を象徴した内容でとてもよく、芦田愛菜さんのナレーションもあり、泣いてしまいましたが)
しかし、好きなものを語り合える友人ができるという事はとても素敵で、明るく前向きになれる映画であることには間違いなし。
誘ってくれた友人に感謝!
セーラー服の芦田愛菜
BL好きな女子高生(うらら)が、同じくBLを好きになったおばあさん(雪)と仲良くなっていくお話。
両名共に年相応の悩みがあって…。
ちょっと強引な感じはしたが人は一人では生きられないということを感じる映画だと思う。
中盤で描かれるうららの漫画がいいあんばいの下手さで良かった。
なんでもそうだが行動を起こさなければ何も起こらない、変わらない。
最初から全部うまくいくとは限らないけど(実際に漫画は2冊しか売れない)
それでも行動を起こすことによってひとは経験、学びを得て成長する。
年齢を超えてつむがれる友情が描かれていて良かった。
何よりもセーラー服の芦田さんが見れる貴重な映画ですのでそれ目当てで見に行っても面白い。
うっひょーうなじ最高!!
とか思ったのはナイショでお願いします。
良作でした。
心温まる、観たあと誰かと語りたくなるような映画
すごく良かったです。もともと原作が好きで、芦田愛菜さんと宮本信子さんで実写化されると見てこれは絶対素晴らしいだろうと期待して観に行った結果、期待以上でした。
何より、等身大のちょっと自分に自信のない高校生うららちゃんを演じる愛菜さんがすごく可愛くて応援したくなりました。信子さん演じる雪さんもBLにハマる姿がめちゃくちゃ可愛かったです。
原作と少し違う部分もありましたが(冬コミのとことか)、大筋や個人的にファンとして変えて欲しくないなと思ってた細かい部分はそのままで、漫画の大好きな台詞も何個かあるのですが、どれもカットされておらず自然に入っていて嬉しかったです。忠実に作られていると思いますので原作ファンの方は安心して見ていただけるかと。
そして当方じゃのめ先生のファンでもあったので、大画面で美麗なイラストを拝めてめっちゃときめきました、最高でした。君のことだけ見ていたい、書籍化されてほしい…!
遠くから来た人、アフレコの愛菜ちゃんすごく良かった。
最後の主題歌も二人で歌うの可愛すぎましたー。
なんというか、とにかくすごくほのぼのして、良い映画でした。
小さくて優しい奇跡の数々
BLがきっかけで始まる
小さくて優しい奇跡の数々。
とてもとても心地よかったです。
芦田愛菜ちゃん演じる
うららが踏み出す一歩に対して
ネガティブな想像しか出来なかった
自分がとても恥ずかしいです。
自分のステレオタイプの想像なんか凌駕する
優しくて温かい包容力に満ちた世界。
そんな素敵な作品で
締め括ることが出来た今日は
完璧な一日。
オタクの会話に年齢差なしその通り!良し!!
脚本が岡田惠和さんなので見てみました!!
そうそう、好きなジャンルが同じなら会話も弾むし作品の感想ちゃんと言い合えるし誰かに話したい〜って言うことが出来る相手ならそこに年齢差なんてまっっったく関係ない!!!その通り!!
実感してることばかりで共感出来ました。
誰でも夢中になれるものは大事。
どんなマイナーなジャンルでも。
どんなインディーズの存在でも。
絶対無くせないし、それを語り合える相手は大事。
ほっこり出来る良い作品でした〜!!!
【”自分の大事なモノを大切にする。”BL好きな(けれど、人に言えない・・)女子高生とBLに嵌った老婦人との素敵な交流。壁が幾ら高くても、目標に向かって努力する大切さを軽やかに描いた作品。】
ー 芦田愛菜さんが、目標をナカナカ持てずに日々過ごす女子高生うららを自然な演技で魅せ、偶然BLに嵌った老婦人雪を、宮本信子さんが熟練の演技で魅せる。
二人がふとしたきっかけで、交流していく姿を、自然に描き出している。-
◆感想
・「君のことだけみていたい」というBL漫画を”絵が綺麗・・・”と偶々書店で手に取った雪がドンドン、BLに嵌って行く姿。
自らもBLが大好きなのに、隠しつつ書店でアルバイトするうららが後押しし・・。
芦田愛菜さんの控えめながら、優しき心が滲み出る姿や、宮本信子さんが、邪気の無い笑顔でBLの楽しさを語るシーン。好きなモノが同じであれば、歳の差なんて関係ないよね。
ー 好きな本や漫画の新刊を待つ楽しさ、漸く手元に届いた時の嬉しさは、良く分かるなあ。数年前から本や本屋で、CDはCD店で買うようにしてから、その思いは強くなったからである。-
・雪がうららに、”漫画書いたら?”と促すも、”才能がないから・・。”と寂し気に呟くうらら。
だが、幼馴染の男の子(良い奴である。)のガールフレンドが、アメリカ留学をする事を聞き、勇気をもって漫画をコミケで売るために、自ら漫画キットを取り寄せ、漫画を描き始める姿。
ー この作品では、雪は書道の先生をやっているが、そこの生徒が書く言葉が、各シーンを的確に表している。ちなみに最初は「憂鬱」である。ー
・コミケサイトを勇気を出して、予約したうららが、独り会場に来て遅れてしまった雪が来ない事もあり、必死に書き上げた「遠くからきた人」を売る勇気が薄れ、店を出せずに肩を落としているシーン。
ー けれども、雪は会場近くで、”ある人”と偶然会っていた。”宇宙人の配慮”だろうか・・。上手い脚本である。-
・「君のことだけみていたい」の漫画家、コメダ優も、実はスランプに陥っている姿が、さりげなく描かれる。
ー 漫画界の熾烈さは、幾つかの本と、映画で言えば「バクマン。」で知った。-
・コメダ優のサイン会で書いて貰った「君のことだけみていたい」の二人のWキャスト、咲良と佑真の絵を嬉しそうに、見せ合う二人。
ー うららは押しが弱い咲良を。雪は押しが強い佑真を書いて貰っている。成程。-
・この作品には彼女達をサポートする善なる人々が多数登場する。
これが、この作品の爽快感の醸成に寄与している。
<今作は、やや内気で自分の未来に自信が無かった女子高生うららが、不思議な縁で老婦人雪に出会ったことで、自らの内面を少しづつメタモルフォーゼしていく様を、芦田愛菜さんと宮本信子さんが流石の演技で魅せる。
壁が幾ら高くても、目標を持って、それに向かって努力する大切さを描いた作品でもある。
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