「原作の世界観が大事にされた良作」メタモルフォーゼの縁側 ミキスマイルさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の世界観が大事にされた良作
クリックして本文を読む
キャスティングを聞いた時イメージと違う気がしたが、
まなちゃん、クラスに溶け込むのがちょっと苦手で学校では自分の殻に閉じこもりがちなうららちゃんを好演!
普段の自分とは多分真逆の性格なんではなかろうか?
BL好きという趣味を思いがけず共有できる68歳上の雪さんというお友達が出来て、うららの表情がイキイキと輝きだす。好きを語る友人に年齢差は関係ない。挫折を味わったり、雪さんの引っ越し後の寂しさにも最後は笑顔を崩さぬまま、前向きなラストだ。
幼なじみもさりげなく味方でいてくれて、うららのBL好きを知っても勝手に他言したり茶化したりしない。
さらにはうららが辛い時そっと現れたりする。だが、幼なじみもまた、困った時に救いを求めるのはうららだった。
いやな登場人物もいなくて優しい世界だった。
ただ一つ残念な点はうららのおかあさんの描写が少なかったし、演者さんがちょっとイメージと違った事。
あまり娘に関心のない母にみえた。
原作の、カラッとしていてうららの落ち込んだりした事に気づいた時も追究せず、さりげなく元気づける母が原作ではとても安心感をくれる存在で好きだった。
それ以外はとても良かったです。起承転結とかがはっきりあるわけではなく、日常の場面を切り取ったような絵日記を見ているような自然な物語にみえました。
コメントする