THE FIRST SLAM DUNKのレビュー・感想・評価
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何度でも蘇る青春
CGアニメにしたことでプレー描写、キャラクターの動きがとてもリアル。本当にキャラクターが生きていて、プレーしているのを観戦しているようだ。そしてクライマックスはアニメ色を強くすることで圧倒的なスピード感を出す、スラムダンクを映像化するにあたって正解中の正解を選んだことに拍手。
宮城リョータを中心に据えるが他のキャラクターもしっかりと描いていてバランスが良い。まさかの桜木が若干空気なのもスラムダンクだからこそできる挑戦。
伝説を伝説そのまま映像化した素晴らしい作品。あれだけロングランだったのにも関わらず映画館で見なかったことを激しく後悔。
原作者による過去との決別。
純粋に面白かった、原作への愛も感じられ、2時間の中に凝縮された珠玉の内容だった。
…が、原作が好きで過去のアニメも大好きだと、そっちへの想いに引っ張られてちょっと複雑な気持ちになる作品でもあった。多分、原作者は昔のアニメとか、連載当時の大変だった思い出が、あんまり良い印象じゃなかったのかと感じられる、「本当はこんな感じで、こうしたかった。」という受け止め方をしてしまいました。
流川が格好良く無い、桜木の凄さも伝わらない。リョーちんは作者がそう言うのだからそうなんだろうけど、漫画じゃもっとお気楽だったよね!?重いよ!
映画単体の完成度では星4~5だと思うけども、個人的には見たかった内容じゃなかったから半分です。
声優変更に関しては、皆様プロなので違和感無いし作品として問題無く良かったと思います。が、じゃあどっちが良いかと評価したら昔の方が好きなので、やっぱり星は厳しくなりました。
原作を何十回と読んでいるからこそ
なんでこんなに大ヒットしたのか謎でしかないと感じた。面白くなかったという訳ではない。ただ、内容的にスラムダンクなんて知らない、って人向けでは無いはずなのだ。そもそも原作の最終戦という時点で当たり前ではあるのだが。ところが原作なんて読んだことないけど、って世代に何故かウケているようなのだ。昔流行った漫画原作だからと、とりあえず観に行って、原作気になったという感じで漫画に入り、SNSや口コミで広めてみたいな感じらしい。確かにいきなり31巻もある漫画から入るよりは、映画の方がとっつきやすくはある。それにしたって異例のヒットぶりだが。
かと言って原作愛読者向けという訳ではない。何故ならセリフを覚えるくらい読み込んでいる自分からすると、なんでそのセリフやシーンを端折ってるの?というのが余りにも多過ぎるのだ。2時間しか無いから仕方ないと言えばそれまでだが、原作にない宮城の回想シーンを省けば余裕で入る。自分みたいなタイプは、セリフが飛ばされる度に気になってしまった。原作読んだことあるよ、あんま覚えてないけど。アニメも全然観たことないよ、って人向けだと自分は感じた。
自分は声優総入れ替えの時点で映画館で観る気が無くなった。しかし超ロングランで興行収入157億円なんてのを観て、そんなに面白かったのか?とこの度視聴することにしたのだが、声は途中まではそこまで違和感は無かった。しかし、花道と安西先生が喋り出すと違和感しか無い。旧アニメの印象が強過ぎてこいつら誰?状態になる。そして元々声がついていなかったので本来は違和感など無いはずなのだが、丸ゴリこと河田の声もイメージと全然違うと思ってしまった。流川も正直違うなという感じがしたが、それ以外はそこまで気にならなかったのが正直なところだ。まぁ花道が違い過ぎる時点で☆-1くらいの衝撃だったが。
回想が終わり試合が始まるが、未読の人なんかは序盤でミッチーが3Pを連続で入れるシーンなんかなんとも思わないだろう。そもそも3Pの凄さが分かっていないと思う。しかし原作でここはチームメイト全員がすげーなと感心し、絶好調と読んでいた堂本監督も警戒を更に強め、ディフェンスのスペシャリストである一之倉は更に三井へのプレッシャーを掛けて行こうと決意する重要なシーンなのだ。
「40分付き合ってやるよ、この野郎」なんて原作に無いセリフが飛び出したかと思ったら、次の瞬間なんと前半が終わっている。まだ劇中では14分しか経っていないのにだ。当然沢北やポールが一時ベンチに下がるシーンはなく、美紀男と花道のマッチアップも丸々省略されてしまう。宮城が主人公とはいえ、あんまりなカットである。原作でも美紀男を交代させた時点で9分くらい前半が残っていて、そこから後半に一気に飛ぶのだが、それにしたってこれは酷い。
そして回想が挟まる。死亡フラグを立てられたソータは案の定亡くなっている。後半が始まったと思いきや、怒涛のゾーンプレスになるのだが、またも回想が入る。神奈川に来たと思われるリョータの前に何故か中学生のミッチーが出て来るのだ。しかもヘアスタイルがグレる前のでは無いという謎改変。あの髪型だった三井がグレてロン毛になるからインパクトがあるのだが。
河田に赤木がやられるシーンも原作では重要なのだ。湘北の大黒柱であり、これまで数多の強敵と渡り合い、ねじ伏せて来たゴリが全く通用しない。河田雅史は住む世界が違うとまで赤木に言わしめるのだ。全国大会に向けて会得した新技スピンムーブですら、豊玉戦で出したことから研究されており、ブロックされてしまう。このブロックは湘北全員にショックを与える。そして三井にボディブローのように効いているというセリフが入る。これは一之倉と三井のやり取りがカットされているのだから、原作ファン以外は全く分からないだろう。このように別にそれは要らなくね?というセリフは入っていたりする。まぁ一応三井が疲れてるんだな~という感じは伝わるだろうが。
そして謎の1年前の湘北の回想シーンが入る。何故赤木が10番なのだろうか?原作では赤木が10番は1年生の時で、2年生の時の赤木のユニフォームは8番なのだ。そもそもインターハイの相手は陵南だったはずだ。ここでも謎改変である。正直しなくていいし、する意味が分からない変更だ。
追い上げのためにオフェンスリバウンドが4点の価値があると丁寧に説明するが、未読者ではまずリバウンドって何?という人が多いだろう。原作を読んでいれば、序盤からひたすらスクリーンアウトの重要性、リバウンドの重要性、リバウンドを制する者は試合を制す、リバウンド王桜木というものが刷り込まれているのだが、未読者からすると、とりあえずこれからやることで逆転出来る程度の認識だろう。それ故に無駄に丁寧に説明する意味が分からなかった。
魚住が登場しない関係で、よく分からん妄想シーンが入り、赤木は復活する。そこで「もう俺の願いは叶えられている」という謎セリフが登場する。おそらく「全国制覇の夢を一緒に追える仲間とバスケをする」という類の話なのだと思うのだが、全国制覇は譲れんのだと原作でも語っている通り、願いは叶えられていると言われても違和感しか無い。とはいえ、一応最後のチャージドタイムアウトのシーンでそれらしき涙を流すシーンはある。お陰でそのシーンはカットされているのだが。
復活した赤木のスクリーンから三井の3P。二人が拳を合わせるシーンを見たメガネ君が「2年間も待たせやがって」と感無量になるシーンが入るのだ。そして高頭監督による信頼という説明が入り、海南のメンバーがギョッとする流れは鮮やかなのだが、当然全カットである。
海南は背景になっており、陵南は昨年のインターハイの試合からも省かれ欠片も登場しない。お陰で仙道が流川と1on1で才能を生かしきれていないというシーンも無いし、安西先生に言われた日本一の高校生を目指すため、日本一の高校生である沢北を抜くためにパスを選択するという部分が一切無い。未読者は流川のパスの意味なんて分かる訳も無いし、おそらく一読した読者でもそこまで覚えて無かったのではなかろうか。
流川から赤木へのパスを見てベンチから盛り上がるより先に安西先生が大きなガッツポーズをする。これはバスケットカウントワンスローになったからだけではない。今までの流川になかった1on1からのパスを選ぶという成長を見て咄嗟に出たものなのだ。いつもは置物のようにしている安西先生までもが闘志を燃やしていることに、木暮やヤスだけでなく読者も驚愕し、興奮する重要なシーンである。
ここまで改変が多かったが、その中でも決定的なのが、「安西先生、バスケがしたいです」が無かったことになっているのではないかとすら思える改変である。ずっとバスケから離れていて、バスケ部なんかどうでもいい、バスケ部を潰すと体育館へ乗り込んで来る三井がいいのだ。バスケ部の試合を見に行くとか全然不良時代の三井らしくない。正直未読者が見たら、なんかいきなり心変わりしてロン毛カットしてバスケ部入って来たの?という感じしかしないだろう。一応膝を気にしたり、安西先生とニアミスするシーンはあるのだが、本当に唐突なのだ。かと思えばこの後、かつて混乱を、というセリフは残っている。一体どういう扱いになっているのか意味不明だ。
深津は一年生の頃から山王工業のレギュラーの座を獲得していたということになったのだが、これも正直残念な変更。常勝山王の中で一年でレギュラーになったのは沢北だけって方が良かったと思う。まぁ確かに原作では牧を抑えられるディフェンス力を見せたりしているのだが、宮城との身長差でのミスマッチの割には得点シーンが少ない。深津を中心に攻めるはずが、得点シーンは作中でわずか5点である。そして前半カットされた影響で、唐突に現れる美紀男。もう完全にやられ役でしかない。未読者からはなんかいきなり丸々したデカイ奴が出て来たとしか思えないだろう。
花道のプレイにより湘北の応援を始める観客たち。ここも原作ではこれまで山王一色だった応援が、という感じだったのに、それが全然伝わって来ない。そして花道の押し込みダンク後のシーン。ノーカウントだったが会場全体が驚愕するシーンである。ただ未読者からすると、意味の無いことして怪我を悪化させて引っ込んだだけにしか見えないだろう。回想シーンにバスケットが好きかのシーンがあったのでまさかカットされるとは思わなかったが、「大好きです。今度は嘘じゃないっす」も丸々カットである。
残り49秒、起死回生の三井の3Pバスケットカウントワンスロー。よくこのプレイのせいで松本が戦犯扱いされるのだが、それは結果しか見ていないと言わざるを得ない。まぁ三井の言葉を真に受けての「奴は打てねえ!!」は満面の笑みと合わさってピエロそのものではあるのだが。もう一つ桜木が引っ込んでいる間、木暮とのマッチアップをしていたのだが、他校でエースを張れる実力と評される割にはオフェンスも微妙である。というか前半は美紀男が引っ込んだ後から出場していたのだろうか。
戦犯と言えば堂本監督で間違いない。まぁ大体の人はこの意見だし、自分もこれを推す。少なくとも後半三井が3Pを入れまくった時点で、松本を下げて一之倉を再度投入しても良かったはず。そこで何故河田を桜木、美紀男を赤木なのか。さすがに赤木を舐め過ぎだし、試合前からあれだけ警戒していた三井への対応としては滅茶苦茶だ。あいつらに油断や慢心は無いというセリフもあるが、でも自分には合ったのだ。歴代最強のメンバーが負けるはずがないという油断と慢心が。
そして途中堂本監督はメンタル的にかなり押されている。湘北はいつになったら諦めるんだ?と。相手が折れるのを待っている時点で弱気になってしまっている。そして極めつけ、桜木は限界だと判断してのチャージドタイムアウトのキャンセル。流れを何度となく変えているキーマンである桜木は怪我をしていこそすれ、コート外にいて貰った方がいいはずなのに、ここも弱気に流れてしまっている。事実上5対4の方が有利だという、動かない選択肢だ。
桜木から流川、流川から桜木という普段犬猿の仲の二人が見せたホットライン。これを未視聴者が理解するのは不可能だろう。左手は添えるだけ、ここでスラムダンクではなく合宿シュート!となるのだが、なんとセリフすら無かった。口パクである。そして審判が得点を宣言するシーンが入るのだが、本当に小さく映っていた。そこはシュートが間に合ったことを印象付ける本当にいいシーンなのだ。なんでそれを小さくする。
沢北が人目も憚らずに泣くシーンがあるのだが、沢北ってそういうキャラというイメージがあんまりない。まぁ泣き虫な設定は上級生に殴られたシーンであったが。そしてアメリカでの沢北VS宮城で終わる。いや、宮城ってアメリカでもやれるような能力では無いと思うのだが。フリースローは苦手。ミドルレンジのジャンプシュートも深津は打たせていいとすら判断するレベル。しかも山王戦で言えば、フリースローの2点しか得点シーンが無いのだ。自然に考えれば流川なのだが、この映画では正直流川は完全に脇役である。スタメン全員に見せ場があるのが、スラムダンクのいいところのはずなのだが。
終わってみれば決してつまらなかった訳ではない。ただ、あらゆる点を加味しても連載終わった直後に旧アニメを再開してくれていたら、絶対にこれより面白かっただろうということが断言出来てしまう。原作一読程度の層には懐かしいと同時に、もう一回読んでみようかという気にさせるだけのクオリティはあると思う。原作未読の層も上述した通り、原作に引き込めるだけの力があるのだろう。宮城を主人公としたことで、全員が知らない設定が出て来るというのが良いところなのだろうが、何十回と読んだ自分みたいな愛読者からするとカットされたシーン、演出に物足りなさを感じてしまった。スラムダンクは桜木花道という主人公が最初から最後まで成長する物語なのだ。文字数ギリギリなのでもうちょっと書きたいが、ここまでにする。
初スラムダンク
マンガ、テレビシリーズも見て無い状態。知っている事は赤毛のヤンキー?、最後が大会途中で終わった事だけ。
でっ、いきなりアニメ的では無い映像。オープニングだけ?と思ったが、原作通りの絵柄なのね。これで長編一作はなかなか珍しい。
多分、これが原作最後の試合の部分なんだろうな。それを初見で見ると流石についていけないw。でも、ファンには嬉しいんだろうなぁと言うのは分かる。
原作者がキメてくれた栄光のSLAM DUNK
先日亡くなった鳥山明さんの『ドラゴンボール』と並んで、少年ジャンプを代表する作品。
本作を読んでバスケの道を志した人も多い、バスケ漫画の金字塔。
原作漫画もTVアニメも1996年に終了してから、実に26年ぶりの新作映画。
ブランクが空き、ほとんど宣伝ナシで、果たしてヒットするか未知数だったが、ヒットではなかった。国内歴代興行ランキング13位となる興行収入158・6億円の“メガヒット”。作品も主題歌も話題に話題になり、社会現象。未だ全く衰えぬ根強い人気に驚かされた。
ジャンプを読んでいたあの頃、『SLAM DUNK』も読んではいたのだが…、ファンの方々からお怒り頂く事承知ではっきり言ってしまおう。
原作漫画もアニメも最後まで読んでいなかった。確か、三井がバスケ部に復帰した辺りで…。
つまらなくなったとか興味を失ったとかじゃなく…。気付いたら読まなくなっていた。
なので、『SLAM DUNK』がメッチャ好きとか熱く語れるとかじゃ全然無く。少しかじった程度。
それでも登場キャラや概要は知っている。桜木、赤木(ゴリ)、流川、三井、リョータ、木暮(メガネ君)、春子さんに彩子さん、安西先生…しっかり覚えていた。
ほとんど宣伝ナシでの公開。直前になって主題歌や新声優陣が発表されたくらい。にしても木村昴はあれにこれに売れてるね~。
ストーリーについては明かされず。
原作のどの部分の映画化…? “FIRST”だから桜木がバスケを始める最初から…? リブート的な…?
同じ“試合”はしなかった。原作漫画の最終エピソード、TVアニメでは映像化されず、ファンから映像化が望まれていた“山王戦”。
インターハイ出場。
湘北の前に立ちはだかるは、絶対王者の山王。
勝算ナシ。誰もが山王勝利を確信するアウェイ。
試合開始。
先制点を決めたのは、意外にも湘北。しかも桜木。
序盤は拮抗。前半戦は湘北リード。
後半戦。徐々に山王が王者の貫禄を見せつけ始める。
次第に苦戦。遂には24点差まで開く。
やはり山王に勝てる見込みはないのか…?
この山王戦の現在パートと交錯して描かれる過去パート。
それを担うのは、何とリョータ…!
『SLAM DUNK』って桜木主人公じゃなかったっけ…?
リョータ主人公は意外性を突いたが、これが功を奏した。
赤木のように頼れるキャプテンでもない。三井のように一旦辞めてから返り咲いた訳でもない。流川のようにエースでもない。桜木のように異端児でもない。
体格も小さい。が、時期キャプテンと言われる実力者。スピードを活かしたプレイやテクニックはピカイチ。
何よりガッツとバスケ愛…。
それには、ある生い立ちがあった…。
沖縄生まれ。父親を亡くし、母親、兄、妹の4人。
「俺がこの家のキャプテンになる」と勇気付ける兄ソータはミニバスケのエースでもあり、リョータにとっては憧れの存在だった。バスケを始めたのも兄のようになりたくて。
だがある日、ソータは海難事故で帰らぬ人に…。
悲しみに沈む遺された3人は神奈川へ引っ越し。
母親との仲はぎこちない。心に空いた穴を埋めるようにバスケに打ち込む。
やればやるほど兄に追い付けない自分を痛感。
バスケの名門・湘北へ。小生意気なリョータは部の問題児。熱血漢の赤木とはソリが合わず。
退部していた三井と一悶着。
自分のプレイ、スタイル、何故自分はバスケをするのか、リング上で思い悩む日々。
自問自答しながら、そこに自分なりのバスケを見出だしていく…。
リョータの過去って原作にあったっけ…? これは本作の新設定。ベタではあるが、このドラマチックな背景がドラマパートを強くしている。
最後の“母上様”への手紙にはリョータの全ての思いが詰め込まれている。
リョータのみならず、リング上で自分自身と闘う者も。
赤木。厳しすぎる性格。山王キャプテンに苦戦。全国大会はただ自分が皆に押し付けているだけなのか…?
三井。有名なあのエピソード。挫折し退部し、バスケを憎んだが、心の何処かではバスケをしたい…。俺は、誰だ…?
過去の赤木との確執、中学時代三井と会っていた…など、新エピソードも織り込む。
劣勢の山王戦。
安西先生が切り札を投入。桜木のリバウンド。
自称天才の暴れっぷりがチームに活を入れる。
鼓舞され、再び山王に食らい付く湘北。点差が縮まっていく。
本来主人公の桜木の破天荒さもしっかりそつなく。
バスケかぶれの常識は通用しねぇ。シロウトだからよ。
俺の栄光時代は、今だ。
試合の終盤で選手生命に関わるほどの怪我を背中に負ってしまうが、それでもリングに立つ。超人か!
流川のみドラマ描写少なかった気もするが、そもそもクールで無口。ちゃんと役割は請け負っている。桜木とのライバル関係も。
チームメンバーは仲良しこよしじゃない。口を開けばいがみ合ったり、衝突も。しかしいざ試合に挑むと一丸となって。こういうの、熱いよね。
山王もただの立ちはだかる敵ってだけじゃない。こちらも各々キャラが立っており、エースの沢北。
試合前に神頼み。俺に必要な経験を下さい。これ、響いたね…。それも大事な経験。
現在の山王戦と過去のリョータのドラマ。
下手すりゃ話の流れや試合の高揚を止めてしまう恐れあるが、巧みにリンク。
苦戦と苦悩。活路と葛藤。勝利への希望とバスケをやる意味。
原作漫画の途中を映像化しているのに、初心者でも話に乗れない事は全く無く、テンポも引き込まれるほどいい。
絶対王者に挑む、湘北メンバー一人一人のドラマが出来るほど個性立っている中今回リョータをメインに据えた見易さ。その構図や構成もはっきりしている。
まるで山王に挑むかのような強固な壁。アニメで何処までバスケを描けるか…?
以前のような手書きアニメーションじゃない。CGでもない。
原作漫画に色が付き、2Dと3DCGとモーションキャプチャーを駆使した斬新な映像。
キャラは呼吸一つ一つまで躍動感たっぷりに動き、試合シーンの白熱さと臨場感はスポーツアニメ史上最高レベルではなかろうか。本当に手に汗握る…!
無音、スローモーション、試合最終盤の秒針のみ…あらゆる演出法を駆使して。
ただバスケアニメを見ているというより、本当のバスケの試合を見ているかのような錯覚にもなった。
盛り上げる楽曲の数々。昔のアニメの曲も最高だが、今回の曲も。主題曲“第ゼロ感”の高揚感とカッコ良さはしびれるほどで、今後バスケのスタンダードになるだろう。
嬉しいファンサービスも。まさか安西先生のあの名台詞がまた聞けるなんて…!
これら全てが素晴らしいチームプレー。
『SLAM DUNK』かじりの私でも大変面白く見れた。やっぱ復活上映の時でも劇場で観に行けば良かったかな…。
原作者・井上雄彦が自らメガホンを撮り、こだわりが活かされ、最高の試合を魅せてくれた。
多くのファンが望んでいるのは、続編だろう。“FIRST”だし、“SECOND”を…。
山王戦は原作最終エピソード。次あるとすればその先、オリジナルエピソードになる。
山王戦以上のものが描けなければ続きは描かない、と井上氏。
全国大会への道半ばでも、最高の花道。
夢の達成までを見せるんじゃなく、俺たちはイケる!…試合を諦めず、いつまでも挑み続ける。
今はただただ、“栄光のSLAM DUNK”に浸っていたい。
3月3日 DVDで視聴
この映画は、コロナ禍で世間的に今より3密(密閉空間・密集場所・密接場面)が避けられていた時期に、劇場館で上映したにも関わらず、最終興行収入158億7000万という超メガヒットを記録し、2024年3月3日時点で日本歴代映画興行収入ランキングで8位を記録しているという、日本の偉大なアニメ作品の1つです。
スラムダンクは1990年代、自分が20代の頃に毎週週刊少年ジャンプを買って読んでいたり、仲間内でジャンプを貸し借りしながら読んでいた中で、大好きな漫画作品の1つでした。当時アニメも放映されていて、毎週楽しみに見ていた気がしますが、今は主題歌以外内容はほとんど忘れてしまっていて、今となってはとても懐かしい作品です。
この作品は、劇場上映時に気にはなっていたのですが、上映当時は会社で「誰もコロナになるなよ」という謎の圧力があり、人が密集する場所に行く事から遠ざかっていた為、映画館で観る事が出来ませんでした(泣)。
そして待ちに待ってようやく、DVDレンタル解禁となり、「THE FIRST SLAM DUNK」を観る事が出来、あの懐かしい20代の頃の青春の記憶が蘇って来ました。
スラムダンクで出場する高校と言えば、自分は「湘北高校」と「海南高校」と「陵南高校」くらいしか思い出す事が出来ませんでしたが、今回の相手は絶対王者と呼ばれる「山王工業高校」(山王工業高校は記憶が無い)なんですね。DVD視聴後、山王工業高校について調べてみたら、モデルは何とあの「秋田能代工業高校」でした!。1990年代、田臥勇太というスーパースター擁する秋田能代工業高校は、絶対王者と呼ばれるに相応しい輝かしい記録を打ち立てていたので、山王工業高校は湘北高校にとって最高・最強の相手として申し分無い相手(寧ろ高過ぎる相手)だと思いました。
映像は、湘北高校のメンバーの1人(宮城リョータ)の過去を織り交ぜながら試合が繰り広げられ、バスケ漫画でありながら人間ドラマのような作りにもなっています。試合運びも単純な点取りの応酬ではなく、高度な技術の数々が演出され、一瞬たりとも目が離せない展開となっていて、見ていて飽きない作りとなっていました。そして、試合会場で最初は試合を観ずにゲームをしていた子供(今回も、どうせ山王工業の一方的な展開で勝つんでしょ?と思っていたのかな?)も、いつしか目の前の試合に釘付けになるようなドラマティックな展開!試合ラストは湘北が逆転されて絶望からの、試合終了ラスト数秒でまさかの桜木花道が(驚)。宮城を含め、試合では敵味方みんな素晴らしい活躍をしていましたが、この試合で一番輝いたのは、個人的には花道ではないかと感じるくらい、花道は素晴らしい活躍でした。花道と言えば劇中終盤、花道自身の強い希望があったとはいえ、背中に激しい痛みを抱えた状態でコートに花道を戻すのが正しい選択か?と視聴者の中では賛否両論ありそうですが、個人的にはあの試合に全てをかけた花道の覚悟・心意気を尊重し、マイナスポイントにはしませんでした。
作品の総合的評価はほぼ満点に近いのですが、個人的にあえて辛口に評価させていただくとしたら、もう少し映像で山王工業高校の「強者感」を出して欲しかったなぁと思いました。試合中、もっと山王メンバーが湘北メンバーに対して〝近寄り難いオーラのような雰囲気〟があれば、スラダンバスケ高校界の〝絶対王者としてのラスボス感〟を更に演出出来た気がしますが、逆にあまりラスボス感を演出し過ぎても、湘北高校メンバーが相手に萎縮してしまうだろうし、、、映像で表現するって、本当に難しいですね!という事で、最終的に総合評価☆4.9とさせていただきます(偉大な作品に対し、上から目線ですみません汗)。
この作品は、自分のようにコロナ禍で映画館での鑑賞を見送っていた人に、DVDでの視聴を強くおすすめします。他の人のレビューを見て、過去作と声優が変わっているという人もいましたが、それが気にならない人にとっては、間違い無く満足出来る作品だと思いました(自分は、過去作覚えていなかったので、声優変更は全く気になりませんでした)。
最後に、スラムダンクとは関係ありませんが、自分がバスケ漫画で好きな作品としては『DEAR BOYS』もありますので、今後『DEAR BOYS』が映画化されないかなぁと個人的に期待している次第です。
初日の衝撃…!!
公開前にいろんな騒動ありましたが、私の中では、見る!一択!初日は昼から見に行きました。
ペン書きメンバーが歩き出した時、「生きてる!!ミッチー、生きてる!!」って涙が出てきました。歩き方に性格が出ていて!!いろんな隙間を自分で埋めてきてたけど、この瞬間、またミッチーに恋をしてしまいました…
りょうちんと母かおるの関係は、母となってる今、わかるわかる!のキョリ感でした。母の気持ちで見てた。
ミッチー…自分へのイライラ投げやりの殴りあい。表情がとても苦しそうで寂しそうだった。それをちゃんと深々と頭を下げて帰ってきてた。あぁ、やっぱり、謝ってたんだよね…思ってた通りのミッチーだった…
山王戦では、花道がとても大人に見えました。チームにいなければならない存在になってた。こうやって、試合全体をまとめてくれた映画があったからこそ、花道の成長がよく感じられたなと思いました。
初日の上映が終わったあと、通路へ向かう人たち、みんな無言でした…衝撃が胸いっぱいに詰まってしまって、何も言えなかったんだと思います。私も。この日から、何回見に行ったでしょうか?何度見ても、終わってから、あぁ好きでよかったなぁと思える映画でした。
井上先生、たくさんのスタッフさんたち、本当にありがとうございました😊
鑑賞動機:○○場面がなかったらこき下ろしてやろう10割
当時は本作の人気ぶりを横目で見つつスルーして、圧倒的に『DEAR BOYS』派だった。なので原作はだいぶ後で読んで、確かにこれはすごいなと思ったものの、TVアニメはほぼ未視聴。
バスケットボールはやっぱり3次元のスポーツだなあと実感させられる。アリウープ、ブロックショット、ダブルクラッチ、ノールックパス、リバウンドなどスピード感と迫力に溢れたプレイに見とれてしまった。そしてダブルドリブルでズコーとなる。いややっちゃいそうになるのわかるけど、わかるけどね。オールコートプレスでダブルチームくるのコワイ。あんなの突破できない。私無理。せいぜいチャージング取られてさらにドツボにハマりゅ。
演出としての無音場面は大好きなので、ちゃんとやってくれたことには満足している。
宮城パートはもう少し控えめでもよかったかな。
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劇場公開終了を前に再鑑賞(2023/8/26)。イベントのダイジェスト映像付き。
やはり無音場面は最高だ。
予想外に満員御礼!ラスト カウントダウン 息もつかせぬ猛攻に感動したわ~
ここは久し振りに苺畑っすね。
イチゴ(★1、★5)の両サイド評価割れ現象で、
ワンピ-スの時とほぼ同じ現象起こってるネ。
今日は「THE FIRST SLAM DUNK」観に行ったのよ。
TVアニメも時々見てた位でそんなにファンでも無い。
コミックも読んでないから井上氏寄りでも無いな。
一切何事にも左右されず、いつも冷静に映画見てるねんけども。
これはコレで有りと思う。話展開、流れは良かったと思うね。
少し泣けたし感動したかな。
特に最後の20秒割ってからの激しい猛攻!
初期のマトリックス思い出したわw
時間が全く感じられん速さ、ありえんけどオモロイ。
TVアニメの描画タッチからすると
今作のCGってのは確かにノッペリ感はあるわね。
これは人によって好みで大きく分かれそう。
キャラに思い入れ有る人は敬遠しても仕方ないかも。
よって声優さんも総入れ替えで。
これは流石にTVアニメに深いファンにとっては
違和感が有るだろうとは思われる。
※良く思い切った決断したよね。
桜木花道(草尾さん⇒ 木村さん)
赤木剛憲(梁田さん⇒ 三宅さん)
流川楓(緑川さん⇒ 神尾さん)
三井寿(置鮎さん⇒ 笠間さん)
宮城リョータ(塩屋さん⇒ 仲村さん)
安西光義(西村さん⇒ 宝亀さん)
彩子(原さん⇒ 瀬戸さん)
赤木晴子(平松さん⇒ 坂本さん)
しかし皆さんプロの方使ってるんで、
声当て、コレはこれでしっくりした感じに
受け取れました。
冒頭からエンドまでずっと湘北と山王の戦いを
真ん中で描いてて見応えあったかな。
桜木ファンにはちょっと肩透かしだったかもだが
宮城の流れで纏めてるのも良いんじゃないかと思う。
好きな方は劇場へどうぞ!
原作リスペクトな映画で安心・安心
オープニングが格好よすぎる!でもオープニングがピーク!ワックワクしたぁ!
原作が凄い好きで、漫画の空気感や臨場感を、動画にしても色褪せず表現されていたことに感動した。
でも、何で宮城が主人公?
嫌いじゃないよ?湘北のメンバーはみんな大好きだし、原作漫画で語られていないメンバーが宮城しかいないってのも理解するけども……
「左手は添えるだけ」とか「ラストシーンの桜木と流川のハイタッチ」とか、桜木のストーリーを描かないと盛り上がれないクライマックスが違和感になってしまった。
原作を知らない初見の人や、映画単体での起承転結とかを棚に上げて、原作ファンへの新鮮さを第一に考えたのかな……
私も原作ファンだが、日本トップクラスの河田兄が桜木の才能を認めていく様とか、一万本のジャンプシュートの練習からの「左手は添えるだけ」とか、「選手生命終わり」からの「断固桜木」とか、入れて欲しいシーンが多過ぎて不完全燃焼になってしまった。
ラストシーンの無音の数分間。原作リスペクトは分かるが、鼓動の音くらい入れてくれないと、映画館だとポップコーンの咀嚼音、家だと隣人の掃除機の音で、一気に冷めてしまう……
でも10-FEETは最高だし、原作再現度も最高だから、鑑賞はぜひお勧めしたい。
アニメの強烈さと3DCGの自由さを駆使した、スポーツ映画の傑作。
原作者の井上雄彦が伝説の自作を映像化。
【ストーリー】
並いる強豪をやぶり神奈川代表となった湘北高校バスケ部、ダークホースとして勝ち上がり、2回戦の相手となったのは史上最強メンバーを揃えた、インターハイ三連覇の常勝王者・岩手県代表山王工業。
ガードからセンターまで、インターナショナルレベルのレギュラーを取り揃えた山王を相手に、難しいゲームをメイクすることを要求されるのは、スピードとドリブルとセンスあるパスで相手を翻弄してきたトリックスター・宮城リョータ。
そのプレースタイルには亡き兄ソータの面影がひそんでいた。
前半を互角で折り返すも、後半山王のツーマンを用いた激しいゾーンプレスにプランの頭を潰され、1点も取れないうちに20点もの差をつけられてしまう。
速攻主体のラン&ガンも、足を止めたハーフコートバスケットでも、まったく太刀打ちできない湘北だが、名うての策士として知られる監督・安西は、リョータによる突破を試みる。
「強い相手の前ではいつでも心臓がバクバク言ってる。だけど、平気な顔して戦うんだ」
ソータの言葉に従い、リョータはクイックネスとドリブルスキルで鉄壁のプレスを打ち砕く。
90年代に物凄いブームを巻き起こし、いまだに熱いファンを獲得しつづけるスラムダンクの、CGでの映像化。
ゼロ角度からのスリーポイントショット、ペイント内でねじり込むようなスピンムーブ、舞うようなドリームシェイク、地味ながら的確なバンクショットにレイアップ、シルクの様なフィンガーロールに相手の虚をつくダブルクラッチ、長身ディフェンダーのブロックをあざ笑うかのように飛び越えるスクープショット、フェイダウェイにミドルジャンパー、そしてパワフルなスラムダンク。
そしてラストに桜木がリムに当てずにスウィッシュで決めるブザービーターの、ボールのバックスピンと軌道の美しさ。
当時のNBAレベルの超高度な技術戦を繰り広げる湘北と山王の熱い戦いに、毎週熱い視線を注いでいた方も多いはず。
それを本当の試合のように、間を多用したモノローグや止めの演技なんて生っちょろいディレイ演出はほぼなしで撮っています。
プレスコ(演者によるセリフ先撮り)での自然なタイミングの会話、優秀なCGアニメーターによる的確な演技、キャラクターのモーションは元プロなどを集めて違和感なく高度な技術を表現、それらのピースを掛け合わせて元々原作が持っていたリアルさを引き出しています。
カメラワークはコート内にカメラ位置を想定したものが多く、必要な情報を枠内に収めながら寄り引き流し振り、トリックやスーパープレイを映像で見せて、観客をプレイヤーの1人として試合に参加している気持ちにさせてくれます。
原作を知らずとも、バスケ好きなら見て絶対に納得する傑作ですよ。
うんうんスポ漫画に必殺技はいらんね
原作は既読だけどアニメはそんなにはまらなかったから声優うんぬんは気にならなかった。
CGっぽい動きは立体感はあったけど少し動きがカクカクした感じで気になった。けど、ここ、評価してる人もいるからね。
オープニング曲からの作画の動きは良かったね。試合中のBGMは良かった。
リョータを焦点を合わすのも中々!
試合の躍動感は良かったな。変な必殺技とかないのも、本格的だったし。本当にスポーツで熱が入る感触にアニメの良さが加わった感じ。
実は全然期待してなかったし、観なくてもいいかなと思ったんだけど、丁度時間があったから観たって感じ。でも、良かったよ。
まさか、ああいう展開になるとは!巷では原作ファンが怒ってるとか・・・まあ、そうかもね。でも、俺は「the First」ってことで、逆に「やられたあ」って思った。すんげえ盛り上がっても結果わかってるのに、、、でも胸熱!って思ったら、、、
やっぱ、いい!
俺は認める。あー、観といて良かった。
うーん、「バカボンド」のアニメ観たくなったなあ、、、
興奮した
結果を知ってるけど後半の追い上げシーンは力が入ったな
りょーちんが主役というのは意外ではあったけど、湘北のメンバーなら誰でもできそうだし、この後もそんな感じで続いてくれたらいいな
死別を入れられると泣いてしまうけど、それ無しで感動できる作品を作ってほしい
ハードなバスケ試合にほぼ焦点を絞ったシンプルな構成に好感を覚え、初めから終わりまで突き抜けたカッコ良さがとても気に入った
井上雄彦 原作・脚本・監督による2022年製作(124分、G)の日本映画。配給:東映
井上雄彦による漫画「バガボンド」はその闘い描写が大好きであったが、「スラムダンク」は読んだことは全く無く、バスケットボールはプレイすることも見ることも昔から嫌いだった。
それでも、「THE FIRST SLAM DUNK」は、痺れる様なカッコ良い映画だった。
オープニング、The Birthdayによる「LOVE ROCKETS」のリズムに乗って、鉛筆のサラサラという音と共に、白黒画像で素描されていく宮城リョータたち5名、それがパッとカラーに変わり、各々が動き出していく。今まで見たことのない表現で、井上雄彦の拘りというか、彼の荒々しくも美しい線による劇画的描写が、今まさに描かれているという動きを伴って、アニメとして見事に生かされていて、おおいに感動させられた。本当にカッコ良かった。
音もリアリティを感じさせ、とても良かった。ドリブルでバスケットボールが地面を叩く音が体に響く感じで、近くでバスケを見ている様に感じられた。音楽も、最後の10-FEETによる「第ゼロ感」の選曲も含めて、ロック感満載でとても良かった。
インター杯の試合に終始するスートーリーは、いたってシンプルだが、試合経過と共に、リョータも含めて、チームメンバーたちの過去が明らかになってくる展開は悪くないし、何より敵チーム、とりわけ強豪高山王工業高校の天才・沢北栄治の描き方に大人の知性を感じた。
2年でエースの沢北は神社で「高校バスケでやれることはやりました。もう俺に証明すべきことはありません。俺に必要な経験をください。もしあるのなら、それを俺にください」と祈る。負けてしまった試合後、彼は泣き崩れるが、敗北という必須の経験を得ることができたという、井上脚本の視点が素敵だ。その経験も生きたのか、NBAで彼は再び宮城リョータと対峙するラストのエピソード的映像が見事で、カッコ良い流れであった。
鮮烈と思った幾つかの名シーンもあった。主人公のリョータが沖縄に行き、亡くなった兄と過ごした秘密の基地に入って号泣した後、兄と対峙したあのグランドで吹っ切れた様にドリブル練習をするシーン。苦しい時には手のひらを見るという約束の中、マネジャー彩子がリョータの手のひらに書いた言葉が、“No.1ガード”というのもジーンときた。
そして、リョータはインターハイに向かう前に母に感謝の手紙を書く。海岸で、後姿の母がその手紙を海岸で読むロングショット的映像が美しい。そんな母が試合会場に来て柱の陰からゾーンプレスに苦しむ息子の姿に、行け!と声を出し、そこに彩子の声が重なり、リョータは2人がかりのプレスからドリブル突破を成功させる。ココは意図して泣かせに来ていることは十分に分かるが、それでも感動し涙が出てしまう見事な組み立てで、アニメは初めてであるはずだが、井上監督の力技に降参である。
全体的に、まるで格闘の様にも思える男っぽいハードなバスケ試合にほぼ焦点を絞って、そこに普遍的な若者の困難克服と成長、及び家族愛の要素を入れ、恋愛要素を排除したシンプルな構成にも、大いなる好感を覚えた。そして、初めから終わりまで突き抜けた、カッコ良さがとても気に入った。
監督井上雄彦、原作井上雄彦、脚本井上雄彦、演出宮原直樹、 大橋聡雄、 元田康弘、 菅沼芙実彦 、鎌谷悠、 北田勝彦、CGディレクター中沢大樹、キャラクターデザイン江原康之 、井上雄彦、作画監督江原康之 、井上雄彦、サブキャラクターデザイン番由紀子、キャラクターモデリングスーパーバイザー吉國圭、BG&プロップモデリングスーパーバイザー佐藤裕記
テクニカル&リギングスーパーバイザー西谷浩人、シニアアニメーションスーパーバイザー
松井一樹、テクニカルアニメーションスーパーバイザー牧野快、シミュレーションスーパーバイザー小川大祐、エフェクトスーパーバイザー松浦太郎、シニアライティングコンポジットスーパーバイザー木全俊明、ライティングコンポジットスーパーバイザー新井啓介 、鎌田匡晃、美術監督小倉一男、美術設定須江信人 、綱頭瑛子、色彩設計古性史織 、中野尚美、撮影監督中村俊介、編集瀧田隆一、音響演出笠松広司、録音名倉靖。音楽武部聡志 、TAKUMA
オープニング主題歌The Birthday、エンディング主題歌10-FEET。
キャスティングプロデューサー杉山好美、音楽プロデューサー小池隆太、2Dプロデューサー
毛利健太郎、CGプロデューサー小倉裕太、制作統括北崎広実 、氷見武士、アニメーションプロデューサー西川和宏、プロデューサー松井俊之、アニメーション制作東映アニメーション ダンデライオンアニメーションスタジオ。
元気、勇気をもらいたい人へ
原作未読、アニメ未視聴、赤い髪の人が主人公ということだけ知っている状態で観ました。
バスケのルールを知らないから、スラムダンクを読んだこと・見たことがないから映画から入れるか分からないから観るのを躊躇している人がいたら迷わずに今すぐ映画館へ行ってほしいほど最高な作品でした。上映が終わってしまう前にどうか、あのシーンを映画館の音響、大画面で体感してもらいたいです。
先の展開を知らない方がハラハラしてより楽しめる気がします。
(個人的には観賞後に原作を読むのがおすすめです)
何も知らずに見た初見では、最初から最後までリョータ視点で物語を見ることができたので、彼がコンプレックスに打ち勝つシーン、ずっと兄の後ろにいるばかりだったけれど自分で一歩前へ踏み出すシーン、最後に母と打ち解けるシーンなど
一つの名作を見終えた気持ちになり涙が止まりませんでした。
原作読破後に見たザファは、仲間たちの背景や絆を知っているので胸が熱くなるシーンの連続、更に高校生たちの頑張る姿、青春の輝き、エネルギーを画面から全身に浴びれるので元気が漲ってきます。
観るだけでアドレナリンが出てなんでもやってやる、出来る!!って前向きな気持ちになれる映画です。
2023年はザファに出会えただけで幸せな一年です。
こんな名作を作って下さった監督、スタッフさん、そして(本当に本当に演技が皆さん凄かった…)声優の皆様、これ以上ないはまり方をしている主題歌、音楽を産み出して下さった10-FEETさん、ありがとうございました…!!!!
人は何故スラムダンクに惹かれるのか
暴論を承知で言うなら、この試合内容、結果、名台詞や名シーン。原作ファンなら何もかも熟知している。それでも観に行くのは何故か?
ただ色や声や動きが付いたキャラを観に行くだけが理由では無い。
我々観客は自己投影をしているのだ。
原作が完結してからのファンである中高生は、自分の中にある表現し辛い怒りや劣等感や焦燥感。友達との何気ない日常を。
私の様な原作リアル世代の30代前後の人は、過ぎ去った青春の甘さや苦さ。現実の苦しみや辛さ、またそれを乗り越えて来たささやかな喜びを。
沢北でさえ努力と挫折があり、人生が甘くないことをちゃんと描かれている。しかし宮城家や三井のように過去と向き合う大事さも心を打つ。
様々なキャラの一部に自分の何かを投影し同化できることがこの作品の1番の魅力だと感じた。
名台詞『左手はそえるだけ』は敢えて声に乗って無かったが、観客全員心の中で声を出したに違いない。
我々も補欠の石井と一緒に『湘北に入って良かった、、、』と涙を流すのだ。
ただただ圧倒
リョータのエピソードをベースに話が進んでいくのだけど、はるか昔にアニメを観たなぁくらいの記憶しかなかったので、
リョータこんなに重い過去だったの……?とずっと戸惑いながら観てました。船に乗ったらそれはフラグなんだよ……。
試合シーンは本当に息を呑み、力がこもり、ずっと緊張してました。すごい。ここまで興奮するバスケットの試合のシーンを描けるとは。
安西先生のたぷたぷがめちゃくちゃ気持ちよさそうだった。
興奮した
あんまり期待せずに観に行ったけど、めちゃくちゃ面白かった。
リョータに亡兄がいた事が判明。井上先生が直々に作ったストーリーという事で、スラムダンクに新たなストーリーが構築されたのは実に喜ばしい事。
試合は、スピード感抜群で音楽も邪魔にならず、かなりテンション上げてくれて、ラスト1分はあの迫力ある映像と無音というコントラスト、結果は知っているにも関わらず息の詰まる映像だった。
最後に、タイトルの「ファースト」にはどんな意味が込められているのだろう。
今後に期待出来る意味合いで捉えています。
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