「もはやスポーツ観戦」THE FIRST SLAM DUNK つまらないクンさんの映画レビュー(感想・評価)
もはやスポーツ観戦
原作のあるアニメ映画は、原作を知っていないと理解できないのもなんだかなぁと思うし、逆に原作を知る事で映画の面白さを底上げできなければ映画化する意義もないよなぁと思うが、
THE FIRST SLAM DUNKはその2つを同時にクリアしていたと思う。
賛否ある全篇CGは、個人的にはかなり良かった。そもそも私はスポーツ観戦は大好きだが、アニメなどは全く観ず、ことスポーツを題材にしたアニメ、漫画などは独自の世界観を希求するのにスポーツそのものの奥深い面白さを端折ってる事も多く、それは仕方のない事だとは思いながらも、自分の性には合わないので敬遠してきた。
その点、THE FIRST SLAM DUNKは明らかにアニメよりもスポーツの方に寄っていて、監督井上雄彦氏の「試合を観てほしい」という想いが前面に出ていた。
やや、人の死が多いように感じた。人の死に伴ったキャラクターの心理描写などはリアルで丁寧に描かれてはいたが、その鬱屈とした雰囲気をスポーツによって全て晴らす事ができたかどうか怪しい程に負の感情に重力があった。
映画化にあたって、主人公を悲劇的に演出することはドラマツルギーを生み出す為の一つの技術だと理解はしているが、死をもってしかそれを成し得ないというのは映画の可能性を否定してしまっていると思う。
常識を蹴破って、新しいことに恐れず挑戦し続ける井上雄彦氏なら、実際的な死を描かずに死を感じさせること、いつも死が隣り合わせにある緊張感を作り出せるハズ!そのハズ!
あとBirthdayと10-FEETがメッチャかっけーから、まだ観てない奴はそれだけでも観ろ!
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