劇場公開日 2022年12月3日

「SLAM DUNKを知らない者への説明は一切ない。だからこそ、アニメーション表現だけに浸れる!」THE FIRST SLAM DUNK kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0SLAM DUNKを知らない者への説明は一切ない。だからこそ、アニメーション表現だけに浸れる!

2023年8月25日
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鑑賞方法:映画館

自分が少年マンガ雑誌を読んでいたのは1980年頃までなので、「SLAM DUNK」は読んでいないし、内容を全く知らない。
ある世代には、「SLAM DUNK」は知ってて当たり前な作品なのだろう。私にとって「あしたのジョー」がそうであるように。

原作者 井上雄彦が監督・脚本を務めたこの映画の超ロングラン公開もいよいよ閉幕だというので、今更ながら観賞。
なるほど、素人様お断りな内容でありながらも、解らないなりにその世界に引き込まれた。迫力の映像とミステリアスな物語構成に感服しきり。
まぁ、選手たちの誰が誰だかは最後まで追いつけなかったが。

今のアニメーションの制作体制をよく知らないのだが、この映像はどこまで監督が具体的にイメージして作り上げたのだろうか。
作者が思いどおりの絵を描けばよいマンガとは違い、アニメーションは様々な専門職が連携して出来上がるもの。
(マンガもパートごとの専門職がいるのかもしれないが)
恐らく、多くの手練れスタッフたちとディスカッションして生み出せたのだろうが、この斬新なアニメーション表現を井上雄彦が具体的にイメージしていたのだとすると、驚きだ。
大友克洋が映画『AKIRA』('88)を発表した時も同じように驚いたものだ。

優れた才能が次々に海外へ流出していく今の日本だが、アニメーションの業界ではまだまだ世界に誇るべき優秀なクリエイターたちが日本で活躍している。
彼らは、常に新しい表現に挑戦し続けているのだろう。驚きと感動を与えてくれる彼らに、心より感謝したい。

kazz