「宮城のキャラが完全改変」THE FIRST SLAM DUNK たまに映画行く人さんの映画レビュー(感想・評価)
宮城のキャラが完全改変
宮城リョータというキャラクターの深堀りがこの映画の主題でした。なので、見終わった後「せっかくの山王戦でやらなくても・・・」という気持ちになりました。ファン待望の山王戦が、宮城の過去に潰されてしまいました。
確か宮城は元々、三井と同様、陵南田岡監督からのスカウトを断ってまで、湘北安西先生の指導を受けたくて湘北に入った選手だったと記憶しています。つまり、中学バスケの頃から強豪高校の監督にまで名の知られた逸材の1人であったわけです。
なのに宮城の母親は、ずっと海を眺めて黄昏ていたり・夜な夜な独りで亡くなった長男ソータの昔のミニバスのビデオを観ていたり、まるでリョータのバスケットを見てこなかったような描かれ方をしています。本当に暗い…重い…。
宮城リョータにそんな壮絶で暗い背景がある事はわかりましたが、それはそれで、1個の独立したストーリーとして、映画にしたら良いのに…。わざわざみんなが待望だった山王戦に、抱き合わせて混ぜ込む必要なかったんじゃないか?…と。山王戦は山王戦だけに集中したかった。
宮城の過去編をたっぷりたっぷり混ぜ込んだおかげで、山王戦の前半戦はほぼカット。名台詞や名シーンの数々も大胆カット。登場キャラも大幅カット。
山王工業の圧倒的な強さも十分に描き切れずに、そんなに河田兄にボコボコにやられてる感じもしない赤木や、そんなに疲弊してなさそうな三井。そんなに背中も痛そうでない花道に、そんなに沢北にボコられた感じもしない流川。と、なんか山王工業が…元々あまり強くなさそうなチームのように描かれてしまった印象でした。
宮城の過去編をやる為に、かなり端折られまくって駆け足気味に山王戦が描かれてしまった事は、まさに残念の一言です。