「映像体験としてパーフェクト」THE FIRST SLAM DUNK ジュンさんの映画レビュー(感想・評価)
映像体験としてパーフェクト
IMAXでいまさら初鑑賞。
原作は小〜大学生と、何度も何度も読み返した。とくにインターハイが決まる陵南戦が大好きで三井と仙道が好きだった。
これが話題になりはじめて、何でいまさらスラムダンク?と失礼ながら思ってしまった。3Dアニメか〜、言うて原作が至高だし〜って。
でもすごく話題になっててこれは見とかないとと思って、それでやっと鑑賞。
見た感想。いや、いまこのクオリティでやってくれてありがとう。技術的な面でもだし、ブームが完全に過ぎ去ったあとだからこそ、一回俯瞰して組み立て直した今回の映画ができたのかな、と。
主軸に宮城を据えたのも結果として良かった。
スラムダンクって宮城に限らず、キャラクターの家族情報とかほぼ皆無で、バックグラウンドが描かれないまま終わっているので、
今回描かれた情報はとても新鮮に受け止められた。
沖縄要素はあまり感じてなかったので意外でしたね。当初から設定としてあったのだろうか…。
初登場時が謹慎明けだったところの背景が描かれたのも良かった。中学生のとき三井と会ってたなんてびっくり。
試合に関しては、オープニングそこそこにすぐ始まって(え?これで2時間持つの?)と思ったが完全に見当外れでした。
とにかく散りばめられた小ネタが特に強調されず再現されていて感動した。最初のアリウープの合図とかね、それだけで泣けた、、、。
それでも尺の関係か、けっこうカットした情報が多くて、特に魚住が板前になって桂剥きするところと、「大好きです。今度は嘘じゃないっす」が大好きなシーンだったので無くて残念。魚住はともかく、晴子ちゃんはやっても良かった気がするが、桜木が主役でないのでそれもまあ、しょうがないか。。。
逆に沢北の情報が補完されていて、ふーんとなりました。そんなフラグをお前、立ててたんか…。あと負けて泣くんか、意外だ……。
映画体験的な視点で言うと、IMAXのおかげでドリブルの音とかバッシュのキュッって音とかが臨場感持って再現されていて、ものすごく試合にのめり込めた。
ラストは漫画もセリフとか無しに描かれているから、それを彷彿とさせる表現でしたね。
映画を見ている客も全員、一切音立てたらアカンってなって、本当の無音が生まれていた笑
ドリブルこそチビの生きる道なんだよからの疾走感あるBGMの入りとかめちゃくちゃカッコ良くて震えたし、音響の使い方が好みでした。
ただ、いま改めて思ったのが、原作の画力が高すぎて、例えばラストの桜木と流川が手を叩くシーンとか、場面場面によって原作ほどの感動はなかったな。あそこの1枚絵は本当に鳥肌立ったの覚えてます。ただの懐古厨かもしれませんが…。
でも炎の男・三井の4点プレー(そのあたりの三井軍団欲しかった)とか、前述ドリブルがチビの生きる道とか、NO.1ガードとか、要所要所でシンプルに感動しました。みんなカッコよすぎます。
どっちがいいとかよりも、どっちを今は楽しみたいかで、映画と漫画を使い分けるのがいいように思います。映画ならではの感動テン体験もあるので。
いや〜、シンプルにいい体験だった。いい映画見れたな〜。この調子で他のメンバーの話もみたいし、完全版の山王戦もやってくんないかな〜。期待したい、勝手に。