「井上先生、ありがとう。いつもおもしろい漫画を描いてくれて。」THE FIRST SLAM DUNK Equinoxさんの映画レビュー(感想・評価)
井上先生、ありがとう。いつもおもしろい漫画を描いてくれて。
最高すぎて中盤からほぼ泣きっぱなしでした。まず何より漫画のイメージというか井上先生の画そのままにキャラクターが動いて喋るという時点で最高にシビれました。
そして、間の取り方とか表情付けみたいなちょっとした部分が自分の中の井上漫画とドンピシャでした。井上先生が監督してるから当然なのかもしれませんが、もう完全に井上先生の世界がそこにありました。
そして背景の画がめちゃくちゃ綺麗。画が上手い井上先生の漫画のイメージにはやはり美しい背景が似合います。
ストーリーについては後付の部分や原作場面の取捨選択の是非があるでしょうけど、映画の枠に収めるという点と宮城が主人公という点を考えると妥当な線なんじゃないかと思います。これ、名場面名台詞を全部詰め込むと逆にあざとくなっちゃったと思うんですよね。ある種、潔く切る部分は切る、足す部分は足すというのが映画化に際しては必要なことだったんじゃないでしょうか。
個人的に、やや違和感があったのが以下の2点です。
・ 宮城が入院した理由は喧嘩ではなく喧嘩の後の交通事故ということになっていた
・ 沢北が米国で宮城と対峙
井上先生が監督してる以上、漫画版とパラレルと考えにくいこともあって前者は漫画版異なる展開だし、後者はそれまで全くアメリカというキーワードが出なかったのに唐突に渡米している感じがして蛇足感があります。
ただ、それを差し引いても全体として見たら☆5なのは変わらないです。
色々言われている声優さんについても個人的には過去にTVアニメ版は画や演出に違和感がありすぎて脱落したので特に思い入れがなく、すんなりと受け入れることが出来ました。アニメ版に馴染んでいたり思い入れが強かったりする人には違和感があるのかもしれません。
欲を言えばこの同じ方式でバガボンドも映像化して欲しいなと思います。バガボンドはその前に完結ですが…。
蛇足ですが、丁度この映画を観た夜にサッカーワールドカップ2022の決勝戦が行われました。これがもう漫画以上に漫画みたいな展開で。山王戦の試合展開について当時から一部では色々言われてたと思いますけど、現実に漫画みたいな展開の試合が展開されるというのを目の当たりにした今、山王戦の展開も何の違和感もなくなりました。そんなことは無関係にこの映画は最高なんですが、それもあってもう一度スクリーンで観たくなりました。近々もう一度観に行くと思います。