「上映前から何かと話題のSLAM DUNK」THE FIRST SLAM DUNK minorさんの映画レビュー(感想・評価)
上映前から何かと話題のSLAM DUNK
去年の1月、原作者の井上氏から「【スラムダンク】映画になります!」の発表からどれだけ待ちわびたことか。割と内容や声優など謎に包まれながら色々な考察だけが先走りするなか、YouTubeで期間限定で過去のアニメが配信された。おそらくその続きに当たるインターハイが映画化されることは多くの方が予想していたと思う。その後声優が一新という情報や予告編の内容が井上氏の読切「ピアス」に酷似してることから宮城リョータが主人公なのでは?という憶測がネット上でも多くのコメントがあり上映が近づくたびにその興味はますます高まるばかりだった。
ムビチケが発売された後に声優が一新された情報が入り、多くの批判のコメントも目にしてきたが、個人的にはそれはあまり気にしなかった。井上氏が語っていたが、
「新しい視点、新しい角度から見た『SLAM
DUNK』を作りました。漫画は漫画としてあって、TVアニメも変わらず見ることができる
し、映画は映画で「新しいひとつの命」として作った作品です。根っこはすべて同じものですが、「『SLAM DUNK』は知っていたけど、こんな「SLAM DUNK』は初めて観たな」という感じを体験してもらえたらうれしいですね。」
これに尽きるからだ。
上映の内容はピアスに似たストーリー+山王戦を織り交ぜたような宮城リョータにスポットを当てたストーリー。
試合の前半は宮城と桜木による奇襲に始まり、みっちーの畳み掛けるような 3ポイントラッシュ。漫画で読んでいたシーンがこうも鮮やかにアニメとして動くともはや感動しかない。
試合の後半は山王による1-2-1-1のゾーンプレスで始まった。得点差が大きく開き始めた時の絶望感も漫画を読んでたときの感情と同じように感じられた。
試合の終盤はもう気がついたら前のめりになりながら観てた。なぜならスラムダンクファンなら誰もが待ち望んだインターハイ戦の映像化だからだ。宮城が再びゾーンプレスから抜け出すときの瞬間は心の中で「いけーっ!」と拳を強く握っていた(笑)
正直、インターハイは豊玉戦から観たかった気持ちが強い。原作ではそこからの山王戦を含むラストまで全く目を離せないからだ。スラムダンクは数多くの名シーンが存在するが、桜木と流川のタッチするシーンは大袈裟に言えば魂が震えるほどの感動がある。
その他の見せ場として、CGを駆使したシーンも含めて試合中のキャラクターの動きに注意してもらいたい。モーションアクターにより実際の試合のように動き回る動作や、体がぶつかり合うシーンがよりリアルでシュートのモーションやブロックのタイミング、ユニフォームが乱れたりすることがあるが、そういう乱れも動作で揺れるユニフォームの動きも、シュートしたボールがネットをすり抜けた時のネットの動きもすごく自然かつ丁寧に作られているからだ。そこには時間を掛けて製作しただけの評価に値するし、こだわりを感じる。新しいスラムダンクとして観るなら個人的には最高だし、円盤化されたら間違いなく永久保存版として購入したい。