「とても感動。しかし、100点満点ではなかった…」THE FIRST SLAM DUNK さとさんの映画レビュー(感想・評価)
とても感動。しかし、100点満点ではなかった…
約30歳。リアタイ世代ではないですが、学生時代からスラムダンクの大ファンで、小中高とバスケ部(高校は全国レベル)だった人間の目線でレビューします
【総評】
漫画でしか見られなかった山王戦が、アニメ映像化されていることに感極まり、終始涙していました。
とても感動しましたが、100点満点ではなかったです。
【良かった点】
★プレイシーンの作画クオリティが高い
→バスケ特有の動きのリズム、シュートモーション等、リアルでとても良く、特に試合残り1分の作画が最高でした。
・原作には描かれていない回想シーンの追加
(宮城の過去、沢北の泣き崩れるシーン)
・山王の応援がリアル
【悪かった点】
・試合開始までの流れ
→宮城の過去から始まり、対戦相手の発表シーンを経て、突如山王戦スタート。
宮城のドキュメンタリー映画なのか、山王戦にフォーカスした映画なのか、見る側のスタンスが定まらず、没入できません。
個人的には、山王戦にフォーカスしてほしかったため、宮城のシーンは無くし、試合前日の描写(最強山王に対峙する湘北の葛藤)を入れた方が良いと感じました。
・あまり必要性を感じない回想シーンが多い
→各選手の背景が丁寧に描かれていることがスラダンの良さですので、回想シーンが重要です。
また、原作になかった要素を追加すること自体も、とても良いと思います。
しかし、試合の流れを止めてまで、必要な回想シーンはあまり無かった記憶です。
(宮城の沖縄帰省や誕生日、三井軍団との屋上喧嘩、流川との会話、赤木の過去等)
原作通りの回想シーンを再現する形で良かったかと思います。
・プレイシーンを淡々かつ足早に描きすぎている(気がした)
一瞬無音にしたり、よりスローにしたりする等、
1つ1つのプレイを丁寧にじっくり描いてほしかったです。
・いくつかの名場面をカット、またはアフレコのなかった名場面がある
→魚住乱入、見てるか谷澤、赤木が花道を認めた瞬間、晴子への告白等のカットについて、尺が限られているため、全てを盛り込むのは困難でしょうが、回想シーンの尺をこれらに当てた方が良かったと思います。
また、名場面は再現されていても、原作で言っていたセリフがいくつかありました。
最後の左手は添えるだけを無音にするのも粋ですが、個人的にはそこは入れるべきだと感じました。
・宮城のアメリカ留学
→宮城がアメリカ留学志望だった描写はなかったですし、原作では次期湘北キャプテンだったため、アメリカへ留学したのは理解に苦しみます。
個人的には、流川が2年生で日本一の高校生になって、アメリカで沢北と再戦するシナリオの方がまだ良かったです。
・プレイシーン以外のキャラクターのCGと試合会場の背景、この2点の作画クオリティが低い
【最後に】
否定的な意見が多くなってしまいましたが、
見てよかったと感じています。
映画を製作して頂いた方々にとても感謝しています。