「終盤の緊迫感で心を掴まれた」THE FIRST SLAM DUNK 田中さんの映画レビュー(感想・評価)
終盤の緊迫感で心を掴まれた
宮城が主人公。舞台は山王戦。
ラスト数秒のセリフがほぼないあの名場面。ここの見せ方が本当に凄かった。無駄な音を省き、所々で漫画のようなモノクロで選手を躍動させていく。この緊迫感がひしひしと伝わる演出に多くの方が呼吸を止めて見入ったと思う。本当に鳥肌が立つほど感動した。
それと、宮城リョータの過去。
誕生日(山王戦前日?)に母親に向けて手紙を書くシーンで、最初に「俺が生きててごめんなさい」と書いてその手紙をクシャクシャにして捨てるところや、出発前に母親に「そーちゃんが立つはずだった舞台に立ってくるよ」と発するシーンを見て号泣。宮城リョータの山王戦にかける思いを知ったことで、山王戦に勝利するということにより一層感動することが出来た。
アニメは全く見ていない原作勢だったので声優交代というニュースにあまり関心を抱かなかったが、鑑賞時に桜木の声に若干の違和感を感じてしまったことは否めない。
ただそれでも、自信を持って「この作品は面白いです!!」と断言することができる。本当に素晴らしかった。
コメントありがとうございます!
そう仰って頂けてとても嬉しいです。
きっとそれこそが、井上先生と制作スタッフが本作で大切にした事なのでしょうね。
私もアニメはほとんど観ていないんですが、それは昔「漫画のアニメ化」に落胆することばかりだったからなんです。
本作のスタイルこそ「漫画がそのまま動画(アニメ)になった」と言えるのでしょうね。
「あいつら」さえ「そのまんま」であるならば、あとはどういう観点・視点で場面を切り取ろうとも自由。TVアニメのように原作をそっくりそのまま動かすだけなら映画を作る意味はない。
リョータを切り口にしながら、山王戦の興奮を再構成する。
クリエイティブな良い仕事だったと思いますねー。