劇場公開日 2021年5月14日

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「迷路に迷い込むということ」ファーザー 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0迷路に迷い込むということ

2022年3月8日
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悲しい

知的

難しい

良く出来ている映画だと思う。

観ていると、人間関係やら時間の流れについて、混乱してくる。新しく入ってくる情報を頼りに混乱を修正して正しく把握しようと試みるけれど、その修正したものは更にその次に入ってくる情報によって打ち消される。そうやって修正を繰り返す。

まるで頭の中が迷路に迷い込んだよう。

見進めると、わかってくる。リアルに起きていることはひとつだけなのだけれど(当たり前だけど!)勘違いをし、自分に都合の良い思い込みをし、忘れてしまっているだけなのだと。辻褄が合わないのはそのせいなのだ、と。
ボケるということは、こういうことらしい、これがリアルだったらキツイなぁと、貴重な疑似体験をさせてくれる映画。

映画では、わからないことだらけで途方に暮れていると、傍らで優しげな女性が「お天気いいからお散歩しましょうね」と穏やかに言葉をかけてくれる。
その場面に、妙に説得力を感じる。
何も不安がらなくてもいいですよ、わからなくてもいいですよ、
それより体を大切にしましょう、いま生きている、大切なのはそれだけです、
だからおひさまを浴びましょう、外に行きましょうね…。
考えてみれば、人生、生きているうちに色んなものが沢山くっついて凄く複雑で煩わしくなっているけれど、本来、本当に必要なものはそんなシンプルなことなのかもしれない、と思ったりした。

あま・おと
あま・おとさんのコメント
2022年10月5日

いいですよね〜。
なかなか厳しい内容だけれど、ホプキンズのおかげか、温もりも感じます。

あま・おと
talismanさんのコメント
2022年10月5日

この映画いいですね。ホプキンス素晴らしい

talisman