「晴れの日を楽しもう。」ファーザー Kikiさんの映画レビュー(感想・評価)
晴れの日を楽しもう。
知らないうちに、世界が変容していく。
あいつは誰なのか。
ここはどこなのか。
話が違うのではないか。
なぜ自分をそんなふうに扱うのか。
「my flat」私の家への侵略者、私の日常への侵略者。
そして、私はいったい何者なのか。
認知症をこんなふうにして見せ、その認知の歪みを体験させるこの映画の凄まじさ。関わる人々の力量。
主要な演者はたったの6人なのに、誰が誰なのかわからなくなり、混乱するようなこの感覚が、「それ」なのだ。
アンソニーに忍び寄る不安の表現に、エンドロールでは涙が止まりませんでした。忘れられないアンソニーの最後の表情、最高の演技に、最大限の感謝を示したい。みんなに見てほしい。
ふっと出てきたフラットの共有庭のオブジェや、より深く伝えるために計算し尽くされているであろう家の作りやインテリアなどにも注目したいので、もう一度観たいと思っています。一度では追いきれず…涙
そしてどんなに認知が歪んだとしても、愛情が伝わる瞬間が、少しでも多くあればいいなと願ってやみません。
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