アウトポストのレビュー・感想・評価
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時間の経過が描ききれていない…
天国の門
聖書でも、コーランでも、構いません。誰か、戦争止めて。
城を攻むるは、下策なり。心を攻むるは、上策なり…。およそ1800年前、馬謖という人が遺した言葉です。
言うは、易し、成すは、難し…。およそ10年前、米兵が、証明してくれました。
山に囲まれた平地は、交通の要衝かつ、守り易い地形として重視されます、ただ、山を奪取されると、十字砲火される危険が。職業軍人が、知らないわけないと思うんですけどね。
先述の馬謖ですが、街道に布陣せよという、上司の軍令を守らず、山岳に展開。敵に補給路を断たれ、敗退。責任をとらされます。上司は諸葛亮。[泣いて馬謖を斬る]の、語源です。諸葛亮のお気に入りだった馬謖ですが、代表取締役の劉備が警戒。現場を知らず、知識だけが先行するのを、見抜かれていたようです。アメリカさんも、基地造る前に、下調べしようね。それとね、大事な会議に、犬を連れていくのも、やめてね。
しかし、最近の戦争映画は、困ります。生存フラグが、誰に揚がっているのか、分からない。チキンな私は、どこに視線を送れば安心できるのか、分からず右往左往です。
ま、映画なので、ん?、なところもありますけど、「ブラックホーク ダウン」「ローン サバイバー」もそうでしたけど、米兵に銃を向けた戦士、一体、何人討ち取られました?。多すぎませんか?。(ここに疑問のある方は「レストレポ前哨基地」「アルマジロ」をご覧下さい。)
元を質せば、かつてのソ連が、何の目的でアフガニスタンに軍事介入したのか、知りませんげど、もう、戦争止めようよ。それしか思い浮かばない、私でした。
「子供の情景」
アメリカにとって、海の向こうのバトルフィールドが、アフガニスタンですが、此処で生まれ育つ子供のお話。
解説に書いてありました。注目すべきは、主人公の隣の家の男の子。周りに流されて、いつもひどい目に遭います。実は彼こそ、アフガニスタンそのもの。つまり、列強の思惑に翻弄され、自分の未来が、自分で掴めない姿を伝えているそうです。
戦闘シーンもなければ、寓話仕上げの映画ですが、併せ観てほしい。打ち上げ花火ではありませんが、「アフガニスタン、ホームでみるか、アウェイでみるか」って、ことです。
かばんに未来を詰め込んで、学校までトコトコ歩く女の子、今、どうしているのかな?。
追記
「勇者たちの戦場」
撤退しましたね。20年で7千人の米兵が、異国の砂になったそうです。
帰還兵の中には、変わり果てた自分の存在が、何も変わらない世界に無いと悟り、自決する人も…。
自殺した帰還兵が、すでに3万を超えたそうです。数字はただの数字です。ただその数字の先に、何があるのか、今一度、御考察願います。本作は確か、イラクからの帰還兵のお話ですが、そのお手伝いになると思います。
【戦争を前哨基地から考える】
アフガニスタン紛争の歴史は40年以上前に遡るが、世界的に注目されたのはソ連のアフガンニスタン侵攻で、ムジャヒディーンと呼ばれるイスラム聖戦士が、アメリカやパキスタンなど複数の国の支援で、これに対抗し、ソ連を退けたことだ。
後に、アルカイダを率いたビンラディンは、このボランティア戦士だった。
ソ連撤退後は、ムジャヒディーンや軍閥の内戦が続き、パキスタンの支援するタリバンが台頭、この地で更にイスラム原理主義に傾倒し、イスラエルを支援・湾岸戦争後アラビア半島に駐留するアメリカを過度に敵対視したビンラディンなどアルカイダが、アメリカ同時多発テロを引き起こし、アメリカや、その有志連合が、他のムジャヒディーンの協力も得て、アルカイダ・タリバン掃討の為にアフガニスタンに攻め入った後の戦いが、この映画「アウトポスト」に描かれたものだ。
あの荒れた山中でタリバンの侵入経路を断つと言っても、実は、アフガニスタンのゲリラ戦を、より多く戦ったのはタリバンだ。
地の利は圧倒的にタリバンにあった。
現地の部族の協力を得たくても、少人数で交渉や資金の授受までもやらなくてはならず、しかも、本当に協力を得られるかも判らない。
だが、軍の上層部は、多くが犠牲になってみないと、こうしたリスクを理解しようとはしないし、作戦の変更ももない。
第二次世界大戦の日本軍の惨状も、大本営など軍の上層部の無能さが明らかだが、戦争とは得てして、こういうものかもしれない。
この作品は、苛烈な戦闘に注目が集まりがちだが、この作品が描きたかったのは、無益な死が如何に多いかということではないのか。
死んで勲章を貰っても、多くの仲間の死をベースに勲章を授与されても、虚しさだけが残るのではないのか。
そんな風に感じる。
戦闘シーンの迫力
ビンラディン
天国の門と地獄の門
四方を山々に囲まれたアフガニスタンの基地にて、いつ集中砲火にあうかもわからない状況の中任務にあたる米兵達を描いた作品。
危険すぎる立地の中、殉職や帰還により変わっている大尉の元、非日常な日常を過ごす兵達を見せていく。
本作を、戦争アクションがメインの娯楽映画だと期待して観ると、或いは面食らうかもしれない。
自分もそう思っていたタチだ(とはいえ後半はガッツリと戦闘シーンが展開されるけど)。
多すぎる登場人物に流れを見失ったり、後半の長い戦闘シーンも、良く言えば激しく、悪く言えばごちゃごちゃしている。もっと観易くできないものか、なんて思っていたが。。
この考えは、エンディングが流れる本人たちへのインタビューシーンを観て180度変わることに。
本作は何も、戦争をテーマにした娯楽作品などではなく、脚色こそ加えられているものの、彼らが体験した事実を基にした作品なのだ。
登場人物が多すぎる、なんて思っても、彼らからすれば誰一人欠かせない仲間だった訳だし、戦闘シーンにしても、何百の敵に集中砲火を浴びる中、スマートに闘えるわけないですよね。
「今日死ぬかもしれない」なんて決意を…体中があつくなる。。
更には、勇敢に闘った者、早々に撃たれて闘えなくなった者、臆病風に吹かれて飛び出せなかった者…それぞれの姿もリアルに描かれていた良作だった。
しかし、特に気になったのは、中盤あたりで登場した、考え方や姿勢がまるで日本政府の生き写しのような大尉さん。彼も実在する人物なのだろうか。
シンプルに無能というか、疑わしい相手に甘く、部下たちに負担を強いる…。当然兵達からの評判も悪く。。悲しきかな、一番感情移入ができてしまった場面だった。
でも、やはり一番印象に残ったのはインタビューシーン。天国の門と地獄の門…。あの恐ろしい戦場にも天国の門を見出せる勇気と絆にグッと来させられた。
規律と統制と絆とプライド
実際のこの基地の事も出来事も知らずに観賞。
アフガン北部の山間部に設置されたキーティング前哨基地の2006年から2009年10月3日までの話。
50名強の兵士が中流する米陸軍前哨基地で、周辺住民との合議と、その影響で先手を打てない状況下頻繁にタリバンからの襲撃を受ける様や、指揮官の交代劇をみせていく。
事実を基にした話ということだし、プロパガンダ的な位置づけもあるのだろうけど、頻繁に受ける襲撃にも自衛に徹する様や、そこに駐留する軍人の軽口を含む日常や関係性をみせていく前半。
これだけでも面白くはあったけれど、少しパンチが弱いなぁと思っていたら、後半は2009年10月3日の出来事を生々しくヒリヒリとみせていく展開の、ザ・戦争映画。
わざとらしい作られたバックストーリーみたいなものは殆ど無く、生の現場の姿と声という感じで、息が抜けない緊迫感と迫力がすばらしかった。
陳腐な表現かもしれないけど、改めてなぜ、なんのために殺し合わなければいけないのかとてつもない血税を注いでも血を流すのか、
久しぶりの良かった内容。
今年49本目(合計115本目)。
実話を描く映画です。そのため、事前の予習があると良いかなと思います(アメリカのアフガニスタンへの進出、タリバンとの抗争など)。
実話をもとにしているため、あることないこと描けないため、淡々と物語は進んでいきます。ここは賛否両論あろうと思いますが、あることないこと描きだすとおかしくなるので仕方がないですね。
日本ではおよそ考えられないものですが、日本にこういった戦力が攻めてこないのは、いい意味でも悪い意味でも自衛隊の方々がいるとか、アメリカのいわゆる「核の傘」で守られている、ということは、忘れてはいけないな…と強く思ったところです。
そういう意味では、「10年ほど前の実話をベースにしており、日本はそのころ平成20年ごろで楽しい毎日だったが、地獄をみていたアメリカ兵もいた」という点、また、日本国憲法が要請する戦争放棄(9条)が何を意味するのか、そういう部分をよく考える良い機会になりました。
どうしてもニュース等ではアメリカ・ヨーロッパ等の内容が多く、今回のタリバン抗争にしても、もっぱらアメリカなどからの見方「のみ」から紹介されることが多いのですが、そうではなく、第三者的に何がどうなっているのかを「バイアスをかけずに」みなければ、ということも大切なことなのだな、と思いました(その気はなくても、結果的に日本はアメリカに守られている部分は否定できないので、報道などが意図しなくてもアメリカよりの見方になってしまう点は否定できないし、それは個々人の帰責性は低いが、「何が今世界で起きているのか、両者の言い分は何か」という点を考えるときには、今の(便宜上、現在の2019~2021ごろまで)報道でも十分ではない、と思えるからですね。
採点は下記の0.1のみ減点としましたが、大きな傷ではないので5.0まで切り上げています。
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(減点0.1) 最初に登場する兵士などの「読み方」(カタカナによる読み方)がほぼ全ての兵士で紹介されるのですが、最初は別の字幕表示(著作権等に関するもの)も多く、常識的に読みうる兵士の名前まで全てもらさずカタカナ表記で別表示されるので、序盤のみ情報過多になってしまいます(かつ、交戦シーンになると、誰が誰か見分けることは難しい。もちろん、物語のキーとなる人物はいますが)。
ここは少し工夫があっても良かったのかな…とは思います(序盤で情報量に圧倒されてしまう人はいても仕方がない)。
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リーダーシップ
現場のリーダーシップ、その前に
アフガニスタン、紛争の深部のどうしようもない窪地に設置された前線基地の物語、でもゴリゴリの実話ベース
手持ちカメラとかドローンとかの撮影技術の進化で最近の戦闘映画の臨場感ったら凄い、そしてそれがまたリアリティに近いんだろうからなお胸に迫るものがある
チャプターを都度都度の部隊指揮官で区切ってるのが新鮮、その人となりによって組織の士気が変わるという
でもね、いざ派手なドンパチが始まったときに最後どうなるかってのは実はそれとはあんま関係がない、結局は兵站の補給線とかバックアップの擁護力がモノをいうわけで、現場のリーダーシップなんてつまりは結果論でしかない
基本愛国礼賛のトーンなのでいつもの米国映画の調子ではあるけれども、組織戦略論として観ると興味深い
現場のリーダーシップ開発とかの話って普通にもよくあるけど、そもそもその上位の大戦略が間違ってたら話にならない、戦で勝ちを目指すのではなく、勝ち戦を目指すのが大事だっていうね
極限状況での友情と形としての褒賞で締まるけど、そもそも馬鹿げてたってところが最奥のメッセージなんじゃないかな
後半30分の迫力ある戦闘シーンは良いのだが
アウトポスト、前哨隊とかの意味らしい。
タリバンとの激しい前哨隊での闘いを描いた映画。
後半30分の怒涛の戦闘シーンは、まあまあ緊張感あるが、そこに行き着くつくまでの中盤までは、これから、という時にいきなりシーンが変わる尻切れトンボのカットが多く、あらら?と思うことしきりの展開なのと、基地での隊員達の偶像劇展開の様相の中で正直誰が誰だかよく分からなくて混乱したという感じ。
前半まったり、後半がっつりだが、もう少しもう少し戦闘シーンも欲張って欲しかった。幾多の戦争映画を見ているので、贅沢になってしまってる自分がいるのは分かってますが。
後半の印象が強いので高得点になりそうだが、長過ぎる前半を思い出すとマイナス評価になってしまうわな。
戦闘シーン
アフガン前線日記、晴れ時々銃弾の雨
戦闘シーンは秀逸
アメリカらしい。オレ様映画。特に特徴のない戦争映画、リアルを追求したのがチト裏目。
「プライベート・ライアン」の斬新な映像の戦場の緊迫も、「フューリー」ブラットピットの分かりやすさも、「ミッドウェイ」の順序だった歴史の描き込みも、皮肉なことに、この映画の主役のオヤジ、クリント・イーストウッドの「アメリカン・スナイパー」の掘り下げもない、アメリカ万歳の特徴のない平均的な戦争映画。
好意的に見れば、アフガニスタンに限らず戦争なんて、敵味方入り乱れて、大混乱はありうることだから、戦死者8名だかのリアルに忠実なのだろう。勿論、戦死者はいない0人がいいのは現実的に当然だが、コレ多分タリバンの側の死者が圧倒的に人海戦術で多い。
あくまで映画的にだが、アメリカ側の死者が少ない分。スケールの小さい映画だし。問題は①登場人物が多すぎて、誰が主役かすらわからない。イーストウッドはまだ、顔をよく知らないせいもある。トムハンクスやブラットピットクラスと比較にならない。指揮権も交代して誰が誰だかわからなかった。②圧倒的多数の敵に囲まれた前哨基地が、最後に守り抜けたポイントがイマイチわからない。航空支援はわかったけど。③明らかに死ぬ人間を砲弾の雨あられの中、応急処置や搬送するのは、事実なら良いが、チト美化しすぎと感じた。④前半部のアメリカンスラング連発の内輪揉め、ダレた展開は普通の日本人にはチト辛い。字幕追うだけで平板な展開は辛いよなぁ。
飛び交う弾の数だけはやたら多い。アメリカのオレ様映画。タリバンの立場が無いよなぁ。
まあ平均点の戦争映画。史実は変えられないから仕方ないけど、もう少し、人物のスポットを絞るとか、一ひねり加えるとかできなかったのかなぁ。勲章がなんの意味あるのか知らんけど、なんかスケールが小さいんだよねぇ。
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