「実話!」アウトポスト CBさんの映画レビュー(感想・評価)
実話!
ISに対抗して、アフガニスタンの低地に築いた米軍前線基地の54名が、撤収前に、ISからの総攻撃を受けながら、脱出に成功した話。
そもそも、「キャンプ・カスターという名前は、19世紀に全滅した将軍の名前だ」 というのが、永木悪くないの? と疑問を抱く名前付けだよな。
ほぼ全編、戦闘シーンの繰り返しで、それは 「プライベート・ライアン」 冒頭の上陸シーンが、延々と続くような感じだ。
戦闘シーンは、手持ちカメラの、揺れに揺れる映像が、リアルな迫力を伝えてくる。
ことあるごとに、兵士たちの名前がテロップされる。それは最初から最後まで、ずっと続く。その理由はなにか。これが、事実をもとにした映画だからだ。54名の兵士、生き残って帰還できた者も、戦死した者も、全員、この映画で描かれたように、生きて生活していた。数少ない非戦闘シーンで描かれているように、ひとりひとりには、様々な全く異なる米国での暮らしがあり、性格も千差万別な人間たちだった。彼らが、国を守るために、これほどまでに過酷な中で戦闘しなければいけないという矛盾を、せめて本作を観ることで胸に刻もう。その米国の傘の下で守られている日本の一角に住む俺にも、それならばできる。
「無能な臆病者」 と兵士たちに陰口を叩かれる、3人目の司令官は、イラクで様々な前線を経験してきたことも、我々観客に伝えられる。そうしたひとつひとつが、「実際の戦争は、英雄映画では決してないんだ」 ということを伝えてくる。
恐ろしいまでの弾幕の中、傷ついた同僚を放っておけず、危険を冒して救い出したが、同僚は帰還するヘリの中で、その命を終える。そのことも含めて、すべてが事実であり、これが戦争だ。本作は、それを伝えるために、激しいアクションシーンを描いていることは、ずっと忘れないでいたい。
帰還した兵士たちが、 「あそこでのメンバーは兄弟さ」 と言えていることが、せめてものなぐさめだ。
おまけ
頻繁に出てくる "RPG" は、ロケット砲と勝手に思っていたが、正しくは "対戦車擲弾" つまり、自力で飛ぶロケットを発射するのではなく、自力では飛ばない弾を遠くまで飛ばす兵器なんだね。勉強になりました。