少年の君のレビュー・感想・評価
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秀逸な映像と演技で深く心に染み渡る映画
素敵な映画すぎてしばらく浸っていた。
いじめという重たいテーマをど真ん中に据えながら、ただ弱者に寄り添うだけではなく、支え合い強く生きていく救いの手を差し伸べてくれるような作品。
なにより撮影と編集が美しい。
そして複雑で難しい感情を、繊細な表情と涙で演じきった主演ふたりの演技が素晴らしい。言葉がなくても伝わってくるものがある。
東野圭吾のパクリ論争があるみたいだけど、パクリだけでこの物語と映像はできない。絵画も辿れば太古の壁画の真似から始まってるしね。
言葉はいらない、その涙が愛おしい~
第93回アカデミー賞で国際長編映画賞に
ノミネートされていた本作、
お馴染み町山智弘氏の推薦もあって観てきました!
泣かされた~~~~~~~~~
あらすじを読んでみると、漫画や小説でよくある展開ではあるけど
その分、主演二人の演技に釘付けになりました。
進学校の三年生チェン・ニェンの友達がいじめを苦に自殺。
チェン・ニェンは友達の為に何もできなかった、いや
観て見ぬ振りをしてきた事に後悔していた。
その気持ちが観ていてよく伝わってきたから
数日後、チンピラに痛めつけられる少年シャオベイを
とっさに助ける行動を取った動機が良く解る。
シャオベイもまた、後に告白するのだけど
13歳で親に捨てられ一人で生きる孤独な少年だったので
初めて自分の為に何かをしてくれたチェン・ニェンと
心を通わせてゆく過程がセリフは少ないながら
二人の立ち位置や表情の僅かな変化で
切ないほど伝わって来る。
後半のある展開、
言葉に出来ない、顔に出せない
だけど、心の中は何かを成し遂げた一瞬の
満足感が溢れている。
押さえつけられているシャオベイの表情が~~~
そしてラスト近くに何も言わずに見つめあうだけで
二人の間に通い合う、一瞬の落胆と裏腹の喜びと
安堵の気持ちが押し寄せて涙になって溢れてくる。
その表情が、思い出しても愛おしい~~~~
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
感想だけでは恋愛映画みたいですが
あらすじにもあるように、学校でのいじめや
行き過ぎた学歴偏重社会、
貧困と格差の問題等、
重い現実社会の出来事がガッツリ絡まってます。
エンドロールでテロップが入ってましたが
チェン・ニェンにはモデルとなった実際の
いじめ事件があったようです。
チェン・ニェンを演じるチョウ・ドンユィは
本当に薄幸な少女に見えたり
時には老成した大人に見えたり
決して派手な顔立ちでは無いから
余計にリアルに感情が伝わってきます。
観たことあるな~と検索してみたら
なんと「恋するシェフの最強レシピ」と言う
金城武と共演のラブコメで
常識外れの超ぶっ飛びシェフを演じてました。
まるで別人だった!!(笑)
二人が歩くシーン、今、思い出しても胸キュンですね~~
マイナス0.5は所々に挟まれる
受験を煽る先生の演説シーンがちと長い!
オヤジの演説が大嫌いなもので~~~
胸が詰まる青春
いつまでも忘れられない。
めちゃくちゃ良かった。衝撃的だった。圧倒的だった。重苦しい社会問題をこれでもかと詰め込んでスクリーンから迫ってくる。
殺伐とした進学校。追い詰められて行く少年少女達。何かが振り切れた時、目の前の人物を容赦なく痛めつける。それが誰であるかは重要ではない。新たなターゲットに選ばれた優等生チェン。家庭にも事情を抱え、もはや心休まる時なんてない。机に積み上げられた参考書の厚みでしか自分の存在価値をはかれない。
そんな中出会った町のチンピラ、シャオベイ。いつも傷だらけの2人。その痛みを分け合いながら距離を縮めてゆく。夕暮れの町をバイクで走り抜ける。お互いの温もりを確かに感じながら。美しかった。希望すら感じた。涙がでた。
受験日当日。発見された変死体。若さ故の暴走。無謀さ。そして愛情。苦難の日々に終わりはないのか。救いだったのは2人を正そうと闘ってくれた大人が側にいたこと。真実に目を背けるとそこから先、前を向いて生きてゆけなくなってしまう。
「もし」なんてない。それが全て。柔かな光に包まれて車が分岐点に差し掛かる。秀逸すぎる演出。
最後の取って付けたようなメッセージには確かに違和感を感じるが、そこを差し引いても傑作であることに変わりない。私にとってはとても大切で、これからもきっと忘れることができないと思える映画でした。
【追記】結局5回鑑賞しました。
しっかり考えさせられた
なかなか重たいテーマでしたが、「少しでもいじめがなくなれば、少しでも救いになれば…」という監督?の想いは、伝わったのではないだろうか?
どこにでもいじめがあるって…。当然、中国でもあるんだろうけど、他の国にもあるんだろうか…。
もしかしたら、子供の頃の振る舞いはいじめだったのかも?と思いあたる行動もある。それが当時は普通だったと自らの行動を肯定するつもりはないけど、たぶん、何も考えていなかったんだろうと思う。ただ、一歩間違うと、まさにused to be…で、輝かしい未来を失ってしまうよ…という警告なんだろうね…。人を慮ることが出来るようにならないと…と改めて思った。
一方で、それらを法律でないと御することが出来なくなっていることに危うさを感じた。もしかしたら法制化を肯定的に見ていないのかも?
関係ないけど、このドラマの内容では良いことなのかも知れないけど、中国は前科があっても教師になれるのね…と、変なところに引っかかってしまった。
ベタではあるが、それを凌駕する熱量と感性の煌めきがある
冒頭で「いじめ」を無くすことが作品のテーマだと宣言し、エンドクレジットで教育省の取り組みをわざわざ説明している部分に、中国政府の干渉を疑わざるをえない。
まぁそのことは抜きにして、確かにいじめの問題をリアルに描き、誰からも守られず助けを求めることもできない泥沼にいる孤独な若者の苦悩を痛いまでに描写しているが、この作品の本質は不遇な状況にあるヒロインを、汚れているけど頼りになるダークヒーローが救おうとする古典的な純愛(友情?)の物語なのだと思う。
ある意味"ベタな"構造ではあるのだが、そのことを凌駕するほどの熱量と研ぎ澄まされた感性がこの作品には満ち溢れている。盛り過ぎとも思える後半のサスペンス要素も娯楽として楽しむためには必要か。
本国のみならず、日本でも特に若い年代層に衝撃と共感を生むことは間違いないだろう。
ロケ地の重慶という街は、他では見られない「8D魔幻都市」と謳われるほどの重層立体都市で、市街地とは思えないその高低差の激しい風景が、ダイナミックさと閉塞感を同時に生み出し不思議な効果を与えている。
そして何よりも主演二人の魅力は圧倒的。
人気アイドルグループのメンバーでもあるシャオベイ役イー・ヤンチェンシーの優しさと脆さを内包した不良っぷりと、若き名女優チョウ・ドンユイ(周冬雨)の強さと弱さを併せ持つ女子高生の揺れ動く感情を滲ませる演技はどちらも完璧にハマっている。
中国(この監督は香港だが)の若き映像作家やアーティスト、俳優たちの感性とパワーを未だ疑っているならそれはもはや時代遅れだ。
日本や韓国や欧米のカルチャーから非公式な方法ではあるが影響を受けてきた彼らの作品は、私たちが目にする時点ですでに圧倒的な競争と制約を勝ち抜いて選ばれてきたものなのだから。
「少年的你=シャオニィェンダニー」
原題であるこの言葉の響きも素敵だ。
また中国に行きたくなった。
党の宣伝があろうとも満点をつけたい
不良少年と優等生の少女の恋愛って昔の少女マンガでは結構な鉄板ネタだった気がする。怖いだけだと思っていた男の子が実は傷ついてきた過去を持っていて、同じように傷を持つ少女と恋に落ちていくというアレ。とは言ってもちゃんと読んだことあるマンガはあんまりないから偏見とか先入観がかなり入っているかも。
でも、この映画を観ていたら既視感がすごかった。こんな話あったような…みたいな感じ。いや、それは悪い意味ではない。きっちりと物語には入り込んでしまったし、感情移入もしてしまった。
彼女たちがとった行動は全て正しいわけではなくて、感情のまま突っ走ったりもがいた結果だった気がする。それを若いからと片付けることなく全力で応援していた自分がいた。彼女たち2人が心の距離を縮めていく過程をまとめたシーンとか、一緒に撮った写真(そして最終的なその扱い)とか、キスシーンとか、最後に2人が言葉をかわすシーンとか、もどかしかったり、切なかったり、キュンキュンしたり、心が苦しくなったり。いじめてきたやつらの態度にはものすごい怒りを感じたし、大人たちの対応に誠実さを感じつつも無力感に陥るし…、結局心を揺さぶられまくったってことだ。「君は世界を守れ、俺は君を守る」なんてセリフ、気恥ずかしいはずなのに、きっちりとおじさんに刺さってしまった。
ただの恋愛モノではなく、いじめがテーマだし、クライムサスペンス的な要素もある。最後にいつものようにオラが党の宣伝が入っていたけど、それを差し引いても満点をあげたい。
これ、日本でリメイクしないかな。ジャニーズ抜きで。日本の前に韓国でやりそうか。
なぜ小規模公開!?と思ったら東野圭吾のパクり疑惑…😩
面白いけどパクり疑惑となると評価は一旦おあずけ…
だから今年の米アカデミー賞国際長編映画賞も取れなかったのか!?
にしてもこれ、中国で批判されているパクり疑惑原作ではなく東野圭吾さん原作として作ったなら正当に相当高い評価だったろうに…
東野圭吾の高い人気を受け今や中国小説は東野圭吾のパクり作品だらけらしく、中国の東野圭吾ファンが相当憤慨しているらしい
※皆様のレビューいくつか拝見してみたら、やはり「白夜行」との比較がされてる方いますね
純愛なんて安っぽい言葉で表現したくない
一級の感動サスペンス
前半は少し眠くなる様な展開。いじめをテーマにしていながらも、優等生は不良に憧れるを直球で描いている。ラスト40分からが怒涛の迫力。びっくりするぐらいテイストが変わり惹きつけられる。
編集やカメラポジション、ワークとどれをとっても素晴らしい。シナリオも魅力的で飽きのこない工夫で中国映画とあなどるなかれ。久々に安い感動作では無く、本物の感動作を観た感じがする。
これでもかこれでもかと物語が押し寄せてくる感じはたまらなく気持ちが良い。
タイトルの「少年の君へ」最高のネーミング、この映画の登場人物ははじめは少年少女だが、次第に大人になっていく。
いじめは傷害罪にならないのか
鮮烈!
いじめあかん
純愛だー
いじめや受験の凄さはさすが中国。
中国や韓国語の受験戦争の激しさは新聞等で読んでたけど、映像で表現されるとその大変さがよく分かる。
誰だって渦中にいたら頑張るしかなくて、多分私だってものすごく勉強してたと思うよ。
でも実際は日本でかなりのんびりした受験競争しか経験してないから、いじめに走る気持ちは分からない。
近所の附属中学の子供達の通学風景を見てると「絶対いじめだ!」と思える時がある。
いじめられてる子はきっととても辛い毎日なんじゃないかって、車で通り過ぎただけの私でも胸が痛む。
映画の中のいじめは凄惨だし、暗い。
でもそれでもこの映画は「純愛」を描いてると思う。
「私は世界を守りたい」「そんな君を守りたい」
「いつも後ろにいてくれる」
胸キュンです。
それにしても主人公の二人、8才もお姉さんには見えないねぇ。
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