「【used to verb/囚人のジレンマ】」少年の君 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【used to verb/囚人のジレンマ】
日本では、used to verbは、過去〜だった(が、今は違う)というふうに()付きで習うような気がする。
ただ、チェンが示す例文であれば、「失った」と云うニュアンスの方が、意味としては確かに叙情的で良いと思う。
This used to be our playground.
随分前になるが、イジメに関するレポート記事を読んだ時に、セカオワのメンバーは、昔、イジメにあっていて不登校だったと書いてあった。
全員なのか一部なのかは覚えていないが、その他に、芸能人の中には、昔、暴走族だったという人がいて、イジメや教師に対する暴力事件なども起こしているのだが、現在は、その教師とも和解しているというエピソードを披露して、改心・更生感を演出しているが、イジメられていた方は、そう簡単に許すことなどできないのではないのか、なぜなら、重要な何年もの長い年月を奪われたのだからとも書いてあったように思う。
確かに、そうだと思うし、中には、自殺をするケースもあって、この自称過去不良芸能人の方は、運が良かっただけなのかもしれないと考えたりした。
だから、概ね、昔、ワルだったという自慢にもならない自慢話は、周りにいても、マユツバで、話半分未満に聞くようにしている。
この「少年の君」はイジメをモチーフに、大学受験を控えた少女チェンと、不良少年シャオベイの交流と、イジメをきっかけに起きる複数の事件を交えて、人間ドラマとして描かれているが、他に、取り調べの場面でフォーカスがあたる「囚人のジレンマ」の演出が興味深い。
ネタバレになるので詳細は避けるが、大学で習った「囚人のジレンマ」が思い出されるが、かなりの信頼関係と、強い意志がないとジレンマに陥ることは確実だろうなと考えたりした。
イジメについては、自殺に追い込むような状況を作り出すことは、明らかに犯罪であること、更に厳罰は必要だろうなと思う。
最近でいえば、広告代理店D社の女性社員の自殺も、過重労働とは云え、これもイジメのようなものだと思うし、近畿財務局の赤木さんの訴えを無視して、圧力を加え続け自殺にまで追い込んだのは、イジメと何が違うのかと考えたりする。
イジメは学校で生徒の間だけで起こるものではない。
大人でもやっているのだ。呼び方が違うだけだ。
最近もどこぞの映画SNS(Filmarksではない)で、本垢でレビューを書いて、複数のサブ垢で自分自身に共感を上積みして、更に一部のサブ垢で、他のレビュワーに誹謗中傷や攻撃コメントを繰り返していた輩が、実は職業が教師で子供もいると、(たぶん)そのレビュワーを知る人のワンオフのアカウントから暴かれて、自ら退場に追い込まれたのがいたが、個人的には、いろんな意味で、かなり衝撃の出来事だった。
この作品は、一部ではパクリだという酷評をしている人もいるようだけど、僕は、人間ドラマとしても、久々、囚人のジレンマを思い返すきっかけになって興味深かった。