レッド・スネイクのレビュー・感想・評価
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「難民」の一言ではわからないもの
休みの前日の夜は映画を観ておかないと
なんか損という習性もあり近所ではない
ところでやってたこれを観賞
ISに家族を殺されたクルド人のザラが
クルディスタン勢力の実在した女性部隊に
加わって復讐するお話
感想としては
銃器のリアルな音響や自爆トラックなど
中東情勢の緊迫した空気感は感じ取れますが
なんかフェミニズムを盛り込もうとした
関係で焦点がぶれてしまった部分も
見受けられました
クルド人は国家形態を持たない民族として中東の
広範に暮らしている民族
独自の信仰もしているのですがそのせいか
ISなどにしばしば迫害や襲撃の対象となり
主人公のザラもISによって村を襲撃され
理解者の父を殺され散り散りになります
ザラは奴隷として英国人幹部に買われ
いいようにされますが隙を見て脱走し
救出されたクルディスタンの女性部隊に
殺された父の敵と離れ離れになった弟を
見つけ出すことを誓い入隊します
その女性部隊のチーフは女性社会の
実現も目論んでいるようです
この際IS側の用意した自爆用のクルマなどの
描写が今までになかなか見たことがないもので
こうした描写は目を引くものがありました
クルディスタン兵それぞれの装備も
個人個人でカスタムしてある感じなど
雰囲気がありました
それに比べると展開自体はポンポン飛んで
戦いの場に自然に宿敵がやってきたと思ったら
ロケットランチャーであっさり倒せたり
(まあある意味リアルですが)
ザラを凌辱した英国人幹部をあっさり捕らえられて
弟の居場所を尋問しますが相変わらず侮辱して
きたのでザラはその英国人をメッタ刺しに
してしまいます
凌辱した相手だからそれくらいやり返しても
当然だという感覚もわからなくはないんですが
主人公とするとあんまりそこまでやらない方が
という気もしてきます
こんな男にはここまでやり返してもいい
という肯定っぷりがなんとも
フェミっぽいというか・・
結局その英国人から聞き出したIS首謀者の
居場所に奴隷を装った変装で潜入すると
ザラの弟は改宗されて自爆テロ要員に
させられていましたがザラの説得であっさり寝返り
首謀者も眉間を撃ち抜かれてあっさり死亡
クルディスタン側の勝利となります
しかしクルディスタンはあくまで勢力として
ISに対抗する事から世界各国の支援を得られて
いるだけで独立に関しては協力を得られない
こんなところに特有の難しさがあり
この映画の魅力的な部分だと思います
そんなに悪くはない感じでしたが
実録ものだしもう少しテーマを絞れても
良かった気がしました
前半と後半で
ザラが極端に強くなった気がして少し違和感が。女性部隊のメンバーはいっぱいいたのに、彼女が志願したとは言え選ばれると、チームにもリスクがある気がしますね。まあ、脚色としてはまずまずですが。
今年最高の一本の予感
素晴らしかったです!
ポスターからアクション映画と思われそうですが、銃撃戦以上に宗教や戦争に翻弄される一人の女性の生き様を丁寧に描いた実話ベースの人間ドラマです。
主人公はISIS(イスラム過激派)によって目の前で父親を殺されたヤジディ教徒の女性ザラ19歳。彼女が戦士として立ち上がり引き離された弟を探すドラマです。
個人的に人間同士が殺し合う戦争に大義などないと考えていましてが、本作の女性による特殊部隊の活動を観て考えが変わりました。
異教徒を容赦なく殺しまくるISISを一掃すべきと考えるのは必要な行動だと思えました。国益の為に戦争を仕掛け民間人を何万人も犠牲にしている米も本来なら責められるべきかもしれません。
教養のない自分はいつも思います。そもそも神の存在が争いを生む原因なのではと。
作品の中でも描かれていましたが善悪の判断がつかない子供を洗脳して自爆テロをさせると聞いたこともあります。戦う意味も分からぬまま犠牲になる人も。
日本人の自分達にとって戦争は対岸の火事です。実際戦争の犠牲になっている人々の苦しみなど全く理解出来ないでしょう。
広島出身の自分は小学生の6年間8月6日の登校日に原爆の映画を観せられました。とても凄惨でリアルな原爆の映画はトラウマになりました。だからこそ戦争に対する絶対的な嫌悪感があり、その経験に感謝しています。
本作を観ていて感じたのは生命に対する重さや価値観の圧倒的な違いです。こんなにも容易く蹂躙され失われるのかと改めて考えさせられました。
そんな中、自分の命をかけてISISに立ち向かう彼女たちの勇姿は、個人的にはあまり好きではない言葉ですが『正義』だと思えました。作品の描き方もあるので一概には言えませんが。
平和と思える日本でも国連から非難されるほどの人権侵害が入国管理局で行われていたり、希望を抱いて来日した技能実習生が奴隷のように扱われ100人以上死んでいたり戦争とは異なる犠牲者を出し続けている事実。安い労働力としての外国人は受け入れても難民は頑なに受け入れない。五輪開催に相応しい国とは到底思えません。
恐るべき憎悪と侮蔑
前半は男たちに恐れられる女性特殊部隊の暴れっぷりと、父を殺され家族と引き裂かれ将校に乱暴される娘の悲惨な物語が、重ね合わせで描写される。この同時進行が意外に新鮮。
援軍の空爆も利用して、他勢に少人数で果敢に向かっていく女性部隊は、同じ対IS戦をテーマにした総力戦のアウトポストなどとはまた違う緊迫感があった。故に作品的にはもう少し細かく見たかった。
女性兵士たちの生活や行軍・戦闘は主軸として描写されるが、その中で、主人公と見做されるザラが、戦い慣れたレッドスネークに変貌していく姿は、実は明確には描かれていない。そうか。キャッチの「私は彼女たちと共に戦う」の「私」は特殊部隊のメンバー一人一人のことを指していたのだ。これは戦場で命運を共にするシスターフッドの物語だったのだと思えば、それはそれで納得できる。
ラストシーンで、自分たちの独立は正式には認証されなかったと悲しく笑うリーダー格の男女の姿によって、民族戦争の救い難く困難な未来が伝わってくる。結局、勝者もひとときの安堵の後、また次の戦争の荒野に放り出される。
さて。
実は堪らなく不気味な感覚が残る。市街地を巡回していたISの街宣車がつぶやいた「死後1日経った死体とは交わるな」とは何? 「1日」の部分は聞き間違いかも知れないけれど、このようなそら恐ろしい警句が本当にあるのだろうか。
女性に殺されると天国で天使と交われないと信じて、女性部隊を恐れていると言うのはこの作品の一つのテーマになっているし、是非は別にして、ISへの憎悪に加え、強烈な侮蔑も盛り込まれた作品。
我々は火から生まれ火に帰る
は、クルド人に伝わる格言。"We Came From Fire" は、クルド人兵士を追いかけた写真家、ジョーイ・ローレンスの写真集のタイトル。クルド人の女性部隊は今も実在。アメリカ軍との連携は2014年からの5年間。
全世界を敵に回すISが仇役。村を襲われ、ISの性奴隷にされたヤジディ教徒の娘が、クルド人女性兵部隊でレッドスネークのコードネームを名乗って戦います。
政治的な話は、あくまでも「女性部隊」に焦点を当てながら、兵士の出自や会話の中に散りばめられています。
戦闘シーンには多少手抜き感あり、ってのは有ります。あざとさも有りますが、イラクとISのリアルを世界に伝えると言う観点からは、評価したい映画でした。
難民とは、即ち自国民。彼等を守るのが使命だと言う女性達がアサルトライフルを手にして戦う姿の凛々しさに感銘。
尚、実際、米軍はクルド人を見捨てて撤退を始めますが、オバマは8,000人を残して撤退を保留。対IS戦争も火力を落とします。トランプに変わり全面撤退。同時にISに対する空爆を強化し壊滅に追い込み、クルド人迫害を行わない様、トルコを訪問して圧力を掛けました。個人的には、トランプ時代の戦略が最善だと思いますけど。
大統領が変わり、戦争メジャーは再びISを陰から支援し、「都合の良い悪役」として再強化し利用するつもりの様です。
バイデン民主、マジ無能。
と言うか、クソ。
途中途中で、緊張感が欠けるのが少し残念だが
ISと闘う女だけの戦士のチームの物語。
オープニングから始まる村をいきなり襲撃するISと、囚われたり殺害されたりする村人達を描くシーンは、緊張感たっぷりで監禁されてからのそれからは、どうなるのか?とハラハラさせられるのだが、シーン変わって女達だけの戦士達のシュチエーショーンになると、日常を描いたリしてぐっと緊張感が無くなってしまうのがちょいと残念。
その後も、プールみたいなところではしゃぐシーンなど必要無いと思われるエピソードが挟まれてるのも少し気になる。
無事難民キャンプに戻ることができた主人公が、いきなり女戦士になりその後、活躍する展開は当然分かるのだが、途中はしょり過ぎで盛り上がりにこれまたかける。
しかしながらラストに近ずくにつれての戦いは、緊張感たっぷり。
決して悪くは無いのだが2年前に公開されたババールの涙には劣り、少し残念なところもあると思うのは期待し過ぎてたということなのか。
でも少しオマケで★4つ。
戦争がもたらす大きな傷
実話に基づいた作品との事だがISとそれに苦しむ人々たちの現状を知るいいきっかけとなった。
異宗教を理由にやりたい放題のIS。その過激行動の一つに女性を奴隷とし人身売買を行っている。
ただ彼らは女性に殺される事を酷く恐れる。それは女性に殺されると天国にいけないとか。
僕の価値観から言えば自分らのやってる事を考えたら到底天国に行けるとは思えないが…同じ人間でも考えが異なり、信じるものが異なればこうも大きく違う価値観が生まれる事を改めて感じさせてくれる。
主人公のザラ(コードネーム、レッドスネイク)は奴隷にされ人身売買の苦しい経験を経て生き別れた弟を探し出すために特殊部隊に入隊する。
散々女性を軽視した行動をとってきたISが女性特殊部隊に返り討ちされる姿は映画作品として観ていてとてもスカッとする。
戦闘シーンも迫力があり映画作品としてもとても見応えがあり楽しませてもらった。
特殊部隊の一部の隊員は戦死してしまったが、最後はザラと弟は一緒になる事ができストーリーとしても見易く楽しめた。
戦争はただ単に人が亡くな、被弾などして体を傷つけるといった傷だけではなく、色んな傷大きなをもたらし苦しめる。この作品では女性が受ける、そして一生を背負う大きな傷を描いてくれている。戦争はもちろん体験しない事に越したことはない。ただ戦争の悲惨さを知る必要は誰しもが知る必要はある。少なからずこの作品を通して戦争の悲惨さの一部を知る事はできるだろう。
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