「銃弾より深く」レッド・スネイク MARさんの映画レビュー(感想・評価)
銃弾より深く
ヤジディ教の村に住む19歳のザラ。ISに捕らえられた先で別れた弟を探し出す為、女性のみで編成された特殊部隊「蛇の旅団」に加入し闘う物語。
父親は殺され、家族はバラバラに捕らわれる。自身はゲス野郎に買われ、暴行を繰り返され…悲しすぎる。
序盤は、まだ出会わないザラと特殊部隊のシーンを交互に見せる展開。絶望の中にいるザラと、なんなら爽やかにすら見える女性特殊部隊の訓練シーンの対比が印象的。
中盤以降、部隊へ加入してからの展開は、強い女性部隊の活躍がアツい。
どうやらISでは女性に殺害されると天国に行けない(⁉)みたいな考えがあるらしく、蛇の旅団は恐れられている存在だそう。
「男が殺してくれるなら」との懇願。彼らからすれば、死ぬに決まった状況でも、相手が男性なら・・・というのが救いになるのだろうか。狂信的な思想はやはり恐ろしい。。
そして、このような戦闘員たちが誕生するする理由が本作でも描かれており…。これは悲劇的すぎますよね。未熟さにつけこむ洗脳、改めて非人道的だ。
その他にも、悲しむザラを慰める先輩隊員の話や、闘う女性の絆に感動。本筋じゃない部分にも、中東の情勢に関するキーワード的なやり取りもちらほら見せてくれて、これまた勉強になる。
そしてラスト近く、意外にもキュンとさせられる可愛らしいやり取り(笑)
そうそう、勇敢な戦士に見えて、彼女らも普通の女性なのだ。
ラストシーンもワタクシ好み。この闘いが終わっても、クルド人達の物語は続いていくんですよね。
中東に平和が一日でも早く訪れることを願って。
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