劇場公開日 2021年4月9日

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「PG12なのはやや配慮が足りないからかな…?」レッド・スネイク yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5PG12なのはやや配慮が足りないからかな…?

2021年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年57本目(合計123本目)。

内容については多くの方が書かれているので詳細省略します。イスラム国(IS)と女性だけの戦闘員を描く映画です(実話に基づくそうです)。イスラム国問題(ISIL問題)は2011年ごろから出てきたので、ここ10年くらいのいつかの実話ベースなのでしょう。
また、この問題は民族問題がそもそもの背景にありますが、これも他の方が書かれているので詳細省略します(同じ内容になります)。

前半はイスラム教に関する描写が大半、後半は女性戦闘員とIS兵士との打ち合いがメインとはっきり分かれています(映画自体は2時間ぴったり)。後半ははっきりわかりやすいのですが、前半のイスラム教に関する描写が、かなり偏っているというか、PG12になるのも「ある意味、別の意味で」仕方がないのかなぁ…という気がします。

 ・ イスラム教への改宗を強要する
 ・ 男女同権どころか女性が人としての権利すら与えられていない(10年ほど前に人身販売だの奴隷販売だのって…)
  → そのあと、(はっきりとは描かれないが)「大人の営み」のシーンになる
 ・ 「イスラムの教えでは音楽を聴くことは禁止されている」はよくわからない(女性と2人になるな、はある程度わかるが…)
 ・ 「こんな本は焚書だ」といって燃やしてしまうシーン
  → これだと、コーランが燃やされても文句は言えないように思えます。
 ・ 「1日以上たった死体に手を出してはいけない」は本当に不明(他の方も書かれていた通り。「1日」で正しいようですが、根拠が謎)
 ・ 他国の国旗を燃やす(日本では、刑法に触れる)

 とはいえ、イスラム教「自体」が危険な宗教というのではなく、一部の異様ないわゆる「原理主義者」を超えた極端な思想の持主の集まりの考え方に過ぎないのですが、そのことの説明がまったくないので(後半は撃ち合いシーンになるだけ)、下手をするとイスラム教に対するいわゆる(広義な意味での)「ヘイト」を生みかねないのでは…という印象です(前半の人権蹂躙と、異様なまでのイスラム教へのこだわりが過激なので)。
「その意味で」「別の意味で」PG12になったのか…という解釈も可能で(ただ、おそらく、多少なりとも撃ち合いシーンはあるので、PG12になったのでしょう)、分別のある大人は理解できても、下手をすると広義な意味での「ヘイト」を生みかねない…という印象は正直持ちました(後半、どこかでリカバーするかと思いきや、どこでもリカバーされない)。

 その意味で、「いわゆる、原理主義を超えて極端を超える異様な思想の集団がいる」という前提が頭の中にないと、ちょっと前半、危険なのではないか…という印象です(後半、どこかで「イスラム教の信者が全員が全員、そういう思想を持っているわけではない、というカバーも入らない)。

 驚いたのは、これが30年前40年前ならまだしも、2011年以降(ISIL問題は2011年からなので、最長でも10年)の話であり、「なんだかなぁ」と思うとともに、「後半、少しでも良かったのでリカバーして欲しかった」という印象です。

 採点は下記の通りです。

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 (減点0.5) 上記で書いてあることが全てで、PG12というのは「二重の意味で」そうであり、分別の付く大人はもちろん、最近はニュース・新聞も見ない方も増えてきているので、前半の人権蹂躙が極端なので、十分な教育を受けていない層も増えている今日、「その意味においては」G18でもおかしくない内容で(この宗教に対するヘイト感だけがたまってしまいかねない)、どこかリカバーする場所はなかったのか…という印象です(後半は本当に撃ち合いのアクションになるので、どこでもそんな場所はない)。

 「その意味で」無教養で見に行くと危ういところはあるかな…とは正直思いました(ただ、日本語版だけ補足字幕を入れることもできないし、日本公開にあたって字幕をつけること以外に裁量権がないので、字幕関係者や日本語版配給会社の帰責性は低いか、ほぼない)。
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yukispica