アンテベラムのレビュー・感想・評価
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勘の鋭い方にとっては、これでもネタバレになる⁉️
『刑事ジョン・ブック』(初めて知ったアーミッシュ)
『ミッドサマー』
のっけからあれですが、私の貧しく薄っぺらな記憶箱の中では、このふたつの作品と、それぞれ重なると思う部分がありました。とはいえ、集合の交わり状況を表す円と円を重ねたベン図にしたら、円の面積のうちの1〜2割程度ですけど。
でも、あーゆうタイプの怖い夢って、よく見ますよね。
・(社会人になって何年も経つのに)就活でやっと内定が取れたのに、卒業単位が見込み違いで足らない⁈
うわー、どうしよう❗️と目が覚めて、どっと冷や汗をかく。
・会社が休みの土曜日の朝。寝坊で遅刻して大事な会議に間に合わない❗️と目が覚めるが、まだ寝ぼけてて、やばい、早く起きなきゃ、と目覚まし時計を見ると、まだ朝の5時。良かった、余裕で間に合うな、と思いながら今日が土曜日であることに気付いて、ホッとする。
それにしても、本当に怖いのは、アメリカだと本当にあったとしても、それほど荒唐無稽ではないと思うほど、リアリティを感じました。
トランプ現象であらためて、浮き彫りになった視野の狭い白人優位主義者たち。
その中には、影響力のある政治家や、それを支える資本力のある人も相当にいて、経済効率とは関係なく、あのようなものの運営が成り立ってしまう。
(日本では、宗教法人として資金を集めたオウムくらいしか思いつかない)
パラドックス
結構映画館には通っている筈なのですが、全く予告編を見ておらず、事前に主演の方が一人二役演じるということだけ仕入れて鑑賞。中々の盛況っぷりでした。
序盤は奴隷にされている黒人・エデンが脱走を図りますが縄でひっ捕らえられ、他の仲間が巻き込まれ死ぬという悲劇的なスタートを切ります。その後焼印を押されるなど、昔の拷問酷すぎないか?と思うくらい観ていて痛かったです。全体的に白人が黒人を虐める図ばかりで、監督は黒人を守りたいのか?それとも貶したいのか?と少し疑問に思ってしまいましたが、後半になってそれらを捲っていきます。
そんなエデンの生き方とはまた違う現代の裕福なヴェロニカ。旦那と娘と仲良く生活しており、人権活動をモットーに生きている女性です。オンライン取材を持ちかけてきてのも白人で、ここら辺りでお?となったのですが、先程の奴隷パートでも発せられていた"帰郷"というワードが出た瞬間に確信しました。あぁこれはどちらも現代の話なんだと。南北戦争っぽいのは舞台なんだと。拉致され方も油断したら誰しもが警戒しなさそうなパターンなので、現代でも普通にありそうだなと思い、ゾッとしました。
そして状況が合致した奴隷パート。スマホを使いこなせる理由も判明したところで、エデンは脱出を試みます。中盤まで音を立てないように移動しているなと思いましたが、これはこの脱出のための伏線だったんだなと思いハッとさせられました。司令官を起こさぬように、身のこなしを生かして家屋からの脱出を図る、中々にお見事でした。その後も他の兵士を上手いことハメて落としたり、怒りそのままに司令官を殺すなど、画面越しでも伝わってくる怒りにいつの間にか引き込まれていました。
終盤、乗馬して脱出するシーン。ここがもう圧倒的で、ひたすらに逃げる姿は美しく、オンライン取材してきた記者がラスボスとして待ち構えますが、必死の攻防の末叩きのめし、序盤にエデンがされた縄で首を縛られる様子をそのまま記者に再現し引きずり、そのまま瓦礫に頭を衝突させ殺すという、もういっそ清々しいくらいの怒りを最後にかましてきます。そして南北戦争を再現した"舞台"から見事脱出することに成功し、物語は幕を閉じます。
序盤の謎を終盤に一気に回収する流れ、ネタバレ厳禁!という表現がとても似合う作品でした。人種差別というテーマに真っ向から向き合い、制作陣の怒りを全面的にお見舞いされる良作でした。「キャンディマン」といい今作といい、最近の人種間のスリラー・ホラーは面白い。
鑑賞日 11/6
鑑賞時間 15:50〜17:50
座席 D-13
やっぱり面白い
南北戦争跡の観光地の裏に、黒人を奴隷にする場所が生きていたという話。
表面的には真正面から黒人差別に焦点を当てている。
あらすじ
↓
人権活動家の黒人主人公が白人に超嫌われている。
誘拐される。
白人たちの奴隷にされる。他の黒人たちも囚われている。
白人からスマホを奪って助けを呼ぶ。
脱出する。
文章で書くと淡々としているが映像で見ると全く違う。
誘拐の事実は後半まで明かされず、当時の南部の状況をそのまま再現した場所だったので、我々から見れば「過去」と認識するが、後から唐突にスマホが登場して「現代?」となり、奴隷もスマホの触り方を知っているし、「この奴隷ってリアルタイムの主人公だったの?」と一驚。
エンディング後は一つの都市伝説を知った気持ちになってレビューに書きたくなるので、映画として成功している。
この監督は黒人が好きなのか嫌いなのか度々疑問を持ってしまうが、
その答えは今後も知らないままでいたい。
社会が問題視しているテーマをホラー混じりの娯楽にしているだけで、
それ以外に訴えるものを感じない。
「人種差別って根深いな」とはなったが、
「人種差別って悲しいな」とはならなかったので。グリーンブックとは違う。
黒人が陵辱されている様子を黒人の観光客が間近で見物しているシーンとかあっても良かったのでは。
こんな映画を作る監督自身もそれを見て満足する観客も白人と同じ。
そこに気づいて苛まれた人は自分への釘刺しとして低評価を付けるかもしれない。
でも決して黒人を差別するつもりじゃなくて、題材がそれだっただけ。
たまたま黒人が娯楽対象になっただけ。
黒人の嗚咽とシンクロな動きとピッツィカートがとりわけ白人より似合うだけ。
この映画で何をどう深刻に考えたって何も解決しない。
自分が黄色人種のプランテーションに連れて行かれたときに考えればいいのだ。
黒人差別の潜在意識か
南北戦争当時のアメリカ南部。綿花畑のプランテーションで奴隷として働く黒人のエデンは何度も脱出を図るがその都度捕まり、他の奴隷が代わりに殺されていた。
一方、現代。ヴェロニカは人気作家で博士号を持つ社会学者として働き、夫と娘と3人で幸せな毎日を送っていた。しかし、ある日、講演会を終え、友人たちとディナーを楽しんだ後、タクシーに乗ると頼んでた車と違ってて・・・何が起きたんだ?という話。
エデンとヴェロニカの関係がわかるまでドキドキして観れた。
南北戦争当時、奴隷が逃げる話は「ハリエット」で観てたので、同じような話なのかな、って観てたが、実は・・・なんだとわかりホッとした。
なかなか面白い脚本だった。
アメリカでは白人至上主義が現在も残っている事を皮肉ってるのかも。
とても良い映画
この映画の宣伝ポスターを見て、勝手にホラー映画だと思い込んでいました…スリラーですね、これは(笑)オバケの類は一切出て来ません…それらしい登場人物はいましたが…(笑)
ロッテントマトの評価は、30%/51%(2021年11月7日現在)とかなりの低評価ですが、時間が経つのも早く感じられるほどストーリーにすっかり引き込まれて、個人的にはかなり面白かったです。
テーマは、黒人や女性差別を扱っていますが、単純にミステリードラマとして楽しめる作品でした。海外の評価はあまり気にしなくても良いのでは?
…気になる方は、どうぞ!(笑)
違和感と不快感
南北戦争時代の綿花プランテーションのような場面から始まる物語は、容赦なく白人による黒人奴隷たちへの理不尽な差別が描かれ、冒頭から目を覆たくなるような虐待が続きます。虐待されている黒人たちの一部も、どうやら状況が飲み込めていない様子ですが、観ている側も何が起きているのか、現実なのか夢なのか、現代なのか過去なのか、さっぱり分からない状態のまま進行する本作。
後半になり徐々に不自然さや違和感の理由が明らかになっていきますが、それにより更なる不快感を覚えることになるとは驚きでした。
序盤に用意された伏線が明らかになっていく面白さはありありますが、かなりダイレクトに黒人の人権に関する思想がテーマになっており、所謂ホラー映画ではないので、観る人は選ぶかもしれません。
「ゲットアウト」や「アス」ほどではありませんが、個人的には楽しく観れました。でももう一捻り欲しかったかなーという感じです。
もし、KKKが模倣したらえらいことになるぞ‼️❓
なかなかの演出なので、スマホとかを見るまでは気が付きませんでした。
エレベーターの少女を見たときはホラーかと勘違いしました。
久しぶりに緊張感のある映画でした。
なぜなら、現実にありそうだからです。
だからアメリカは怖い国です、いや、アメリカの白人は恐ろしいやつが多い、とゆうべきか。
コロナ禍で、アメリカでは日本人も襲われるそうです、そう、明日は我が身、それが一番恐ろしい。
ミステリーファン、社会派の人、白人以外は、是非。
発想は面白いのに映画として失敗してる
あーなるほど!という驚きはあるしかなり面白い話になってるとは思うんだけど、無理がありすぎて残念な感じになってる。
でも気になってるなら見た方がいい映画です。
積んだ花燃やしてるのもそういうことだったんですね。
【ネタバレ・・無しよ!】何か語ってしまうとヤバい。「一筋縄」の作品。かえって潔く、心地よい。差別反対!
映画って映像だから、大抵の作品はネタバレ書いても、それはそれとして、また違った見方できて、問題は生じない。
っーか、映画観る前にレビュー見る段階で、その人は「あらすじ」を求めている。潜在意識でもね。
しっかし、この作品は気持ち良いくらい一筋縄だから、まとまった文章書けない!
無料のリーフレットでは「パラドックス・スリラー」ということと、主人公がそれなりの発言力を持つ女性有識者ということは書いてあるから、それは良い。
あと、書けることは
アメリカ南北戦争は日本で言うと幕末
奴隷解放、工業、合理主義リンカーンの北軍、綿花栽培の大規模農家、黒人奴隷酷使、超保守の南軍。
結果は言うまでもない
ちなみにアホウな私は時々、初代大統領ワシントンと時々混同してしまう。リンカーンは奴隷解放ね。あと「人民の・・・」があったか??
北のグラント将軍と南のリー将軍。
あっもう書けること無くなった。
それぐらい潔い映画。人によるねぇ、感想は。
前後して観た「リスペクト」が歌手の背景に公民権運動、キング牧師暗殺を描いていたのは偶然に他ならないが、結婚相手を選ぶ時以外は肌の色や出自で差別はやめようね。結婚相手は個人の好みだからいかんともし難いけども。
まあ私的には「一筋縄」なライト感がいい感じでした。
アメリカ史(南北戦争)に関して知識がないと混乱する部分もあるかも…(説明入れてます)。
今年161本目(合計225本目)。
この映画、ジャンル的には色々分類できると思うのですが、おそらく、人権問題を背後に扱ったのではないか…と思えます。
もちろん、ホラーものと見ることもできるし、アクションものと見ることもできるし(ラストあたり)、複数の解釈が可能です。
※ 原題の Antebellum は「南北戦争前の」という意味の形容詞です。
現在(2020~2021)も、アメリカの人種差別問題は解消していないどころか、抱えている問題は人種問題だけではありません。男女同権の問題もあれば、身障者差別や職業差別、さらには宗教対立など言い出せばきりがないところです。現在ではこれらを全てまとめて「インクルージョン」(お互いへの理解)として理解していこうという流れが主流です。
お話は主に現代アメリカ(上記の問題を抱える)のほか、南北戦争とが描かれます。後者はそれこそ人種差別が現在よりさらにひどかった状態ですが、映画内でも描かれているように、「白人と黒人」という対立構造ではなく、さらに白人の中でも「貧乏白人」「裕福白人」という概念があり、カースト制度のような様相を呈していたわけです(もちろん、当時も女性の人権はあまり意識されていなかったので、それだけではない)。
主に登場する現代アメリカと、南北戦争のアメリカでも、差別との戦いでもありました。またこの映画では主に白人と黒人との対立が描かれますが、それだけではありません。太っている方や教育が足りていないと思われる方、異宗教と思われる方など、色々な方が(特に現代アメリカを描くシーンでは)登場します(表立っては登場しないが、ちゃんとわかるようになってます)。現在のアメリカは、コロナ問題も考慮しながら、こうした問題に取り組んでいるのであり、日本もまた同じような問題を抱えているところであり(もちろん、南北戦争に相当するものが日本にあったかどうかなど、細かい部分は異なる)、このような映画で人権問題に関しての理解が深まれば…と思いました。
なお、本国アメリカ作の映画である事情から、南北戦争の一部の描写が常識扱いされており、説明不足な部分はあります。それについては下記でまとめておきます。
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(減点0.2) やはり映画全体の筋として見た場合、人権意識を高めようという趣旨と見るのが妥当であり、ただそれだと映画館に足を運ばないので、アクション要素を入れたりしたのだとは思います。一方でアメリカ本国の作品で、南北戦争の記述など「本国で常識扱いされている」部分はどうしてもあり、日本公開で最低限の知識がないとやはり混乱する要素はあります(ただ、「最後の決闘裁判」ほどではない)。
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▼ アメリカの南北戦争について(1861~65)
・ 黒人奴隷に対して比較的寛容であった北部軍と、それに対して厳しく対立していた南軍とが戦った戦争です。アメリカ初の大きな戦争と言われます(歴史的経緯を見れば、当然)。
▼ 「ミリケンズベンドの戦い」 → 1863年に起きた小規模な戦いで、正直、大辞典クラスでないと載っていないです(日本では、およそどの私立でも世界史でこれを出せば、悪問奇問扱いされる)。戦闘自体も小規模で、南北戦争自体も短く、他に扱う戦いは多いので、正直優先順位は低いのですが、突然登場するので、知識がないと???状態になります。
▼ プランテーション → 南部では黒人奴隷の扱いがひどく、映画内で描写があるように、主に綿花栽培に従事させていました。この取り分も白人であったのですが、上記で述べた通り、白人の中にも階級があり「貧乏白人」「裕福白人」というような階級があったため、全ての取り分が領土(ここでは、プランテーションの農地の土地の範囲、という意味)の白人の取り分ではなかったようです。
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