「誰かがスマホを鳴らしちゃったのかと…」アンテベラム MARさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かがスマホを鳴らしちゃったのかと…
時は現代。リベラル派の作家として地位を確立する女性、ヴェロニカ。
時は南北戦争時代。南軍の白人達に奴隷として虐げられる女性、エデン。
見た目は同じ顔でありながら、真逆の境遇にあり、立場を超え、そして150年もの時も越え、2人の心と体がシンクロし、やがて壮大なクライマックスを迎えるタイムサスペンスムービー‼
…と、思うじゃん?
蓋を開けてみれば、これが中々、人種差別や復讐心を複雑に織り交ぜた闘う女性のドラマ作品だった(そこかいッ!!)。
序盤からエグい展開。自分の名前くらい言えばよいじゃん‼なんか奇妙だな、なんて思ったが…。成程。状況が分かってからも、よくある洗脳や記憶喪失ではないことに驚き‼思えば色々な伏線があったのかな。喋ることを禁止されていたのも、寧ろ「我々」へのある意味配慮だったのかな?なんて思ってしまう程。
その他にも、人種問題や女性軽視への切り込みも中々。
何気ない女子会でも、友達って所が引っ掛かる…って、あなた達の中でもそういう意識は何だかんだあるのね。ここにはハッとさせられた。酒のプレゼントに上から説教してくるのはイライラしたけどw
そしてエリザベス、この狂気は良かったですね。彼女は彼女で、尻拭いはいつも…なんて、思う所がある模様。そういった点でヴェロニカと分かり合えたりは…しないか。。
最後はちょっと微妙かな。どれくらいの敷地なのかわからないけど、そんな場所じゃすぐバレちゃうのでは??ここはちょっと拍子抜けだったかも。
それでも、全体を通し社会的な問題を投げかけるとともに、映画作品としてこちらを驚かせてもくれるし、エグい仕返しもあり良かった。変に一方を寛大な正義みたいに描くのは好きじゃないしね。とても良い作品だと思った。
思えば、怒っているようにしか見えなくても、実は怯えているだけ…ってのも、広義的な伏線だったのかな。
だって、途中までは絶対そういうシチュにしか見えなかったもんw
中々の良作でした♪