「ドキドキハラハラして、でも考えさせられた」アンテベラム kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキドキハラハラして、でも考えさせられた
以前、マンガの編集をやっている友人が、序盤にこの作品はどんなマンガ(どんなジャンル)なのかを知らせないと読者は戸惑うんだと言っていた。たしかにこれ何の話?と思う作品は困ることが多い。
そんなことを思い出した本作。予告編を観ていたので、ホラーみたいなものをイメージしていた。「シャイニング」的な映像もあったし。でも、序盤は黒人の奴隷がひどい扱いを受けるシーンが長くて、思っていたのとは違う!と若干戸惑ってしまった。それはそれで緊張感があって面白かったんだけど。
中盤からも思っていたのとは違う展開(いい意味で)。エデンが序盤でとる行動の意味が判明したり、いろいろと伏線が回収されて痛快だった。ホラー映画はあまり好きではないのでこういう話の方がいい。
サスペンスとしての緊張感があって、飽きさせない展開があって、上質のエンタテインメント作品なのに、黒人差別の問題をキチンと考えさせる、ものすごい映画だった。序盤にどんなジャンルなのかわからない映画でもたまに面白いものが出てくる。そんな映画の一つだ。
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