「自分の昂揚が怖かった」アンテベラム デブリさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の昂揚が怖かった
最初のプランテーションの長回しからドキドキした。
いろんなレベルの人種差別がたっぷり描かれる。ホテルでコンシェルジュが客から話しかけられた後に、その客を後回しにして電話を取るシーン、ああこの見下し方は比較的よくあるぞと思った。「われわれは無数にいる」と例の男が呪いのように言い残していったけど、あれは事実なんだと思う。
からくりがシンプルで鮮やかだった。「実は~だったのだ!」みたいな展開があるドラマや映画で「衝撃の秘密が」などと煽ったわりにネタが小さかったり、驚く条件が複雑だったりすることがままあるけど、これはすぱっと分かりやすい。
終盤、主人公が無双するところで、やったれやったれ!と思うばかりで、目を覆うような心持ちにまったくならない自分がちょっと怖かった。あまりにも爽快な疾走シーンだった。
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