ボディカメラのレビュー・感想・評価
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黒人たちの恨みはどこまで行っても晴れない
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嫌いじゃない。けど、何かと残念な完成度だった。キャスティングは主役級の女優さんを辛うじて名前を知っている程度の無名ぶり。はっきり言って『ブラック・アンド・ブルー』と勘違いして最後まで見てしまった。予告編が強く印象に残っていたので、期待だけが膨らんで、見終わってみて、こんなだっけ?と首をかしげたくなるような映画だった。
それは、私の勝手な勘違いだったのだけれど。
スタートから社会派サスペンスを思わせといて、ふたを開けたらスプラッター風ホラー。ゆっくりとカメラがパンしていって、緊張感がマックスになった瞬間にわっ!と驚かす構造の撮り方はもはや古典の領域と言える。
しかも、すべての元凶は白人警官に恨みを抱いた黒人の少年の怨霊がモンスター化したもので、善良な人間には危害を加えないという奇妙さ。すごく浅はかなストーリーは、浮かばれない低所得の黒人たちが、せめて妄想の中だけでも白人の横暴に復讐させてくれよとでも言いたげだ。見終わってみれば残念な印象だが、怖さだけは堪能した。
日本映画で言ったら、『大魔神』のようなものだろう。少々たとえが古くて恐縮だけど。
2021.4.5
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