サイレンシングのレビュー・感想・評価
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二転三転からのイヤミス
広大なカナダの大自然の動物保護区を舞台にしたサスペンス・ムービー。その野生保護区の管理人と、女保安官、そして猟奇的な殺人鬼との三つ巴による死闘を描いている。
嘗ては、動物ハンターとして生きてきた主人公・レイバーンは、愛娘の誘拐失踪事件を機にアルコール依存症となり、自堕落な日々を送っていた。そんなレイバーンの管理する保護地区で、喉元にメスを入れられて声を出せないようにしてから、狩猟用の弓矢で無惨に殺された少女の遺体が発見された。
その事件が、自分の娘の失踪との関連がないかと疑念を持ち始めたレイバーン。その数日後、保護区を管理する監視カメラに別の少女が狩猟されるシーンが、映し出されているのを発見する。すぐさま、森の中に犯人の行方を追って入り込んだのだが、少女は一命を取り留めたものの、犯人の襲撃を受けて、左肩を弓矢が貫いてしまう。そして、その犯人として浮上したのが…。
そこからは、観る者を巧みにミスリードながら、真犯人を炙り出していく、なかなかスリリングな展開となっている。そして、結末は決してスッキリとするものではなく、イヤミスで、それぞれが胸の中で燻ったものを抱えてエンドロールを迎える。
主役のレイバーンには、『ゲーム・オブ・ザ・スローン』のニコライ・コスター=ワイルドが務め、落ちぶれたアルコール・ドランカーなのに、やられても、やられても死なない不屈な男を演じている。槍の刺さった傷を自分で手縫いし、ウイスキーのアルコールを吹きかけるシーンは、こうした痛いアクション・シーンの鉄板とも言えるシーンだった。
主人公二人のトラウマが、物語を引き立てます。
動物保護区を守る主人公。森林で少女を狩る異形の人間を見た主人公が、少女を助けて闘う物語。
異色のサスペンスですね。
主人公は二人。
娘が行方不明になり苦悩する動物保護区の管理人。
そして、もう一人は養父母に虐待を受けた弟を守る女性保安官。
一般的な正義ではなく、夫々の思いを胸に少女を助け、犯人を追います。
広大な森の深い闇の不気味さ。
異形で目的が分からない犯人の不気味さ。
不気味さが視覚的にも感覚的にも、良く描かれているように思います。
また、主人公を二人にし、それぞれのトラウマや苦悩を描くことで、物語に深みが出たようにも思います。
ただ、犯人捜しの面白さに欠けているのが難点でしょうか?
この点に関する製作側の意識が、少し薄かったように思います。
評価は・・・4と迷いましたが、3.5にしました。
大向こう受けする映画ではありませんでしたが、私的に楽しめた1作でした。
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