「ヤンキーパロディで一貫したコメディ」地獄の花園 とまちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
ヤンキーパロディで一貫したコメディ
登場人物が設定について語りだすメタ的な要素もあったり、完全にコメディとして作っているんだと思いましたが、それでもやはり映画なのでもう一つひねりが欲しかったです。
ヤンキー漫画の設定をOLの世界に落と込んでいますが、せっかくのOLの世界なのに上手く使われていなくて、正直コスプレというか、その程度になっている印象でした。
時折見せるOL的な部分のギャップ(例えば甘い物の話)を、もっと膨らませたらさらに良かったかなぁと。
対男性社会というのは抜きにしたとしても、OLの世界では日々「戦い」が繰り広げられていると想像します。そこにヤンキー漫画の要素が絡み合うという設定の方が、説得力とかが増したのかなと思いました。
例えば映画の前半の部門間抗争で「営業部がいつも会議室を占領している」「●●さんがいつもお茶の補充をしない」みたいな子供みたいで下らないけど切実なオフィスあるあるがきっかけで戦いが始まるとかの方が大企業へのアンチテーゼを盛り込みつつ笑えた気もします。現実世界はねちっこい小言とかで言い合うことになるんでしょうけど、ゴリゴリの殴り合いで解決っていうのが笑えるのかなと。
後半の戦闘は、「たしなみが強さの秘訣」という話が出てきましたが、全くフリになってなくて、もったいなかったですね。ベタですけど、その作法が喧嘩中に「あの動きは・・・!」的な落ちでも良かったかもしれませんし、他の方法もありそうでした。
ちょっと書きすぎました。俳優陣や映像は頑張りを感じるレベルだったので、単純に脚本がもったいなかったかなと思いました。