ローズメイカー 奇跡のバラのレビュー・感想・評価
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おしゃれな画面と軽妙な脚本
スクリーンから薔薇の香りがしてきそうな、鮮やかな色彩がよかった。
画面のどこかに、8割方薔薇が映っているのがおしゃれ。
薔薇作りだけが取り柄の主人公が、助手や前科者たち素人との凸凹5名で困難を乗り切るコメディであり、同時に「各々の居場所を作る」ファミリー話でもあります。
やっぱ誰でも「自分を認めてくれる」ことが力になるんですよね……
ってあたりを軽妙に、清涼感のあるさらりと嫌味ない見せ方もよく。
対比としてライバルのラマルゼル社の社長を配置したり、新種の薔薇作りが本作のメインテーマではないので、ラストのコンテスト結果はサラリと済ませていたりしたの上手い脚本だなあ、と感心しながら拝見しました。
難をいえば、信頼関係の構築が徐々に成立していくため、「わかりやすいきっかけ」がないってあたりか。
あと、手段を選ばない主人公の性格のせいで、物語に入りにくいかも。
窃盗はいかん。
最初の犯罪?が残念
予告編が面白そうなのとレビューの評価も高かったので期待して見てきました。
フランス映画らしいウィットに溢れた佳作です。
経営難が続くバラ園の二代目経営者エヴと職業訓練所から賃金格安労働者として派遣された3人の素人が織りなす悲喜交々。
バラに人生の全てを賭けた父の後を継いだエヴのバラに接する真摯な仕事ぶりに徐々に影響を受けていく素人三人組。
次々と苦難は続きますが、倒産寸前の崖っぷちの彼らの起死回生の策は成功するのか。という感じの作品。
気になったのは最初の貴重なバラの交配用の花粉を手に入れる為に犯罪(?)らしき事を画策するところ。
コンクールに勝つ為とはいえ商売仇のバラ園に忍び込み窃盗犯罪を犯すのは微妙な気がしました。
そこさえ気にしなければ心温まる人生賛歌の物語なのでラストは豊かな気持ちになります。
あなたの家はここだから
薔薇に包まれる至福の時間。
香りが漂ってきそうな、濃厚な映像。
人はひとりじゃない
だれかに支えられている
助けを求めてもいいんだよ
そんなメッセージが聞こえてきそう
エンディングがまた素敵。
花言葉がこんなに、洒落た演出で登場するなんて!
心が豊かになる時間をありがとう~
素敵な作品!満足度はかなり高め!
逆境を乗り越えるサクセスストーリーに加え面白いシーンもあり。
感動や笑いが満載の良作!
父から引き継いだバラ園を細々と営む子供がいないエヴ。
破綻寸前のバラ園に訳あって働く事になった素人3人集。
その中に窃盗歴のあるフレッドが。
破綻を乗り越える為、新種の薔薇を作ってコンテストで優勝を狙うストーリー。
なかなか上手く新種のバラが出来ない中、大手のバラ園から買収される窮地に。
多くの挫折の中、窃盗歴のあるフレッドの隠れた才能により予想外の展開に面白さが倍増。
エヴが頑固なオバサンなんだけど、子供がいない為か素人3人に対して優しい母親の様な表現がとても素晴らしい。
観賞中に気が付いたんだけど、ほぼ全てのシーンに薔薇が出演(笑)
一輪挿しの薔薇だったり、窓に反射する薔薇だったり。
それが解ってからスクリーンの中から薔薇を探す作業が始まってしまう事に(笑)
劇場内に薔薇の香りがする錯覚に陥る程、綺麗な薔薇が盛り沢山。
後半の薔薇のコンテストのシーンも嫌味が無くてとても良いシーン。
最後の花言葉の本に挟まれた押し花のメッセージに涙が止まりません。
窃盗歴のあるフレッドの成長物語も本作の見所だった感じで新しい職場での成長を応援したくなります。
薔薇の交配のレクチャーがとても解りやすくて笑えました( ´∀`)
新しい美を誕生させる良作なんですが、個人的にツッコミどころがある作品ですw
なんとなく気になっていた作品で上映時間のタイミングが合ったので鑑賞しました。
で、感想はと言うと結構良いかも♪
割りとスタンダードな内容で良質な作品で心穏やかに鑑賞出来ましたw
ですが、全てが丸く収まったと言う訳ではなく、ツッコミどころもそれなりにw
1番のツッコミは盗んだバラの件はそれで良いのか?w
いくら合わない嫌な奴だとしても、忍び込んで、超貴重なバラを盗んで、それを使って配合して、結果として思っていた新種のバラが誕生が出来なかった。でも新人達が手塩をかけて、様々な偶然から新種のバラが誕生した。めでたしめでたし♪
と言うのはどうかと思うし、そのお咎めも無しと言うのはちょっとどうなのかな?
また、盗みをたぶらかしたのも雇い主のエヴと言うのも頂けないし、正社員の権利を盾にしてゆすると言うのはかなりの悪党w
勿論、父親のバラ園を潰さない為にと言うのは分からなくはないけど、嫌な奴の様に見せようとしているラマンゼルよりもエヴの方がよっぽど悪い奴に見えますw
後半に行くに連れ、フレッドの才能の開花と気心が知れてきたのでエヴの心も少しずつ氷解しているのは分かるんですが、侵入して盗みを働いてお咎め無しにはどうにも抵抗感があると言うか、納得出来なくて、「えっ?それでよいのか?」となってしまいます。
本当にそこに尽きるんですが、それ以外は結構良い感じで、フレッドの幼少からの親の育児放棄が原因でグレてしまったのも分かるし、意外と親への想いは失われていなくて、逆に自身の親からの旅立ちとかもなんか清々しい。
サミールのキャラは終始ブレが少ないのも良いしw、ナデージュは可愛らしくて、なんでこの2人と一緒に送り込まれたのかが謎w
エヴの右腕で番頭的な感じのヴェラの扱いがちょっと薄いのは気になりますね。
バラの新種配合や誕生と言ったのは正直知識が無いので、かなり難しいと言うか、未知の世界ですが、それでもビジュアルの美しさと匂い立つ様な雰囲気の作品に王道なフランス映画っぽいのが良い♪
また、上映時間も96分と言うフットワークの軽さも良い感じだし、テンポも良い♪
オーソドックスに少し変化球を織り混ぜてますがw、こじんまりとまとまって、結構良い感じのスマッシュヒット的な良作なんですが、エヴの意外な小樋悪党な感じだけが気になってるんですよねw
コメディ要素もあって、クスッと笑わせる部分もありますが、コメディではないからこそ、エヴの性格の立ち位置がちと微妙。
「美のない人生は寂しい」と言う台詞がありますが、この作品はまさしく美の魅入られて、美を誕生させようとする作品。
で、あれば状況はいろいろあれど、「生き方に美は求めないのかい。エヴ?」となるんですが如何でしょうかw
と言うのが個人的に物凄~く思っている点ですが、そこさえ除けばまとまった良い作品なんですよね。
…でも、気になるw
と言う感じなんですが、都市圏はシネコンを初め、上映館が少なくて、なかなか映画を観る機会が少ないんですが、6月からは時短営業とソーシャルディスタンスを保っての営業再開がされると映画好きには嬉しいニュースが入ってきて気持ちが少しは晴れやか♪
それでもまだまだ「密になる環境が怖い」と言う方も沢山おられると思いますので、声を大にして「映画館に行こう!」とは言えませんが、コロナで良い作品が埋もれるのも勿体無いし、寂しい。
ツッコミどころは置いといても結構良作かと思いますので、機会と興味がありましたら、如何でしょうか?
あれれ、この手の映画でこの感じは珍しいな。
主人公は、15年前に亡くなった父親から受け継いだバラ園を経営するおばあちゃん。バラの開発は得意だけど経営難で倒産寸前。そこへやってきた、おじさん、にいちゃん、女子の従業員3人。それぞれ訳ありっぽい。素人の3人と会社を立て直す為に最初にやったのは、ライバル会社のバラを盗んで新種を作る事。ん?なんか違和感。
頑固ばあさんの設定なんだけど、細かいこだわりは、ほぼなかった。3人に教えるシーンも基本的な説明だけだった。
従業員のにいちゃんは、前科持ちで、家族との絡みも少しあったけど、他の2人の事は全く無し。
涙ぐましい苦労や、素晴らしい努力、作り上げるチームワーク、などなど、期待してた展開は皆無でした。時間がスルスル進んで、最後はご都合主義的に新種ができてハッピーエンド。
軽すぎるわ。残念でした。
【花のビジネス】
映画に取り上げても違和感がないくらい、ヨーロッパでは花のビジネスは巨大なのだと改めて感心した。
あと、バラ🌹には複雑で多様な香りがあることも。
だから、バラはこうも多くの人を惹きつけるのだろう。
まあ、でも、映画はかなり出来過ぎのストーリーだと思う。
でも、更生施設から送り込まれるスタッフが大活躍するし、ハートウォーミングですよ。
(以下ネタバレ)
途中まで、盗んだ薔薇の苗から、まさか新作が賞を取ることになるのかとハラハラしたが、そんなことはなくて大円団だった。
交配が失敗に終わったのは因果応報かもね。
とにかく、盗みはダメですから。
まあ、ストーリーと展開を楽しむ作品だと思います。
三人寄れば文殊の知恵
できすぎ。
ありえなさすぎ。
ここまで現実味がないと、エンタメとして成立していないと思う。
出だしは良かった。
「ババアの匂いだ」という冒頭のフレッドの発言は、フレッドの嗅覚の鋭さを物語る、何気ない伏線であった。
タトゥーを見て新種のアイデアを思いつくところは面白いし、泥棒シーンでは「おっ!そっちもアリか」と楽しんだ。
優れているが、独りよがりな育種家ヴェルネが、「三人寄れば文殊の知恵」とばかりに、素人メンバーとの交流で、新しい世界を切り開いていく話だと思ったのだ。
しかし、観終わってみれば、どのエピソードを取っても、小手先のありえない話の集積でしかなかった。
唯一、まともな人間ドラマであるフレッドのファミリーストーリーも、バラとは何の関係もない、取って付けたような話だ。
どれもこれも、話が浅すぎる。ここまで浅いと、フレッドの嗅覚の話さえ、ご都合主義に思えてくる。
中国産の原生種っぽいものと、脆弱だが最高の香りを持つ“オールドローズ”をかけ合わせて・・・というのは、いかにもありそうな発想だ。
しかし、たった1年で“コンクールでグランプリを狙う”なんて、ヴェルネのようなプロの育種家ならば、ありえないギャンブルではないだろうか。
自分はバラについて何も知らないので、この映画が育種家の実際の姿を再現してくれることで、いろいろ蘊蓄を与えてくれると期待したが、たいしたことはなかった。
そもそも、畑や温室での作業シーンが乏しすぎる。
コンクールでは、バラの形や色だけでなく、香りも重要な判定要素であることは、「やはりそうなのか」であった。しかし形が悪くても、香りが良い種はあるだろうし、香りの専門家でない審査員に何が分かるのか? と不思議な気がした。
また、記憶違いかもしれないが、ラマルゼル社では、水耕栽培で大量生産しているというシーンがあったと思うが、今やそうなのだろうか?
「最初はバニラとレモンで、次にパイナップル、最後はチョコ」、そんな香りをもつ健康で形の良い「奇跡のバラ」を、“ど素人三人による文殊の知恵”で作れるなら、苦労はないのである。
本作品の制作者は、恥を知れ。
それなりのラスト
近くの公園のバラ園に毎週、散歩で行ってこともあって、バラ作りに興味津々で鑑賞。
父親から受け継いだバラ園が倒産寸前の主人公のエヴ。社会更生を目指す訳ありの男3人と共に復活を目指すストーリーだけど、最初の作戦がちょっといただけない。こういう話は、正攻法でないと乗れない。
終わってみるとそれなりにジーンとくる仕掛けになっているから帳尻はあっているんだけど、オーソドックスな復活劇の大団円が見たかったな。
HONEY BEE MAGIC
資金難から閉鎖危機に瀕した15年前に亡くなった父親から引き継いだ小さなバラ園のお話。
オーナーと先代の頃から働く女性の2人だけで切り盛りするバラ園を護るべく、職業訓練所からやって来た訳あり含む3人の素人と共に、新種を交配しコンクールを目指すストーリー。
観る前は堅苦しい作品かもと思っていたけど、話の流れそのものも含め軽くコミカルでおバカなネタも結構ある程。
話自体は単純明快伝えたいものドーン!だし、駆け足が過ぎてあっけなさもあったけれど、愉しく優しく温かくて、気楽に楽しめる作品だった。
「才能と好きなことが違うこともある。無理に続けなくていい」 巨大企...
「才能と好きなことが違うこともある。無理に続けなくていい」
巨大企業からの買収を拒否。バラの素人である職業訓練生たちと自然交配により新種のバラを創ることに成功し、父からのバラ園を守ることができたエヴ。フレッドの才能と彼の人生を狭い社会に閉じ込めようとするのではなく、開かれた世界に導きつつも、一方でそれだけが人生でないことも示されていて、新自由主義に対するアンチテーゼに貫かれていた点がとても良かった。
「美のない人生は虚しい」という言葉を噛み締めた。
【”夢を諦めてはいけない・・。美の無い人生は、空しい・・。”潰れる寸前の薔薇園を守る育種家の元に現れた、”園芸ど素人トリオ”が惹き起こした事。】
ー 薔薇園の主エヴを演じたカトリーヌ・フロの、コメディエンヌ演技は初めて観た・・。ー
・当初、倉庫荒らしだったという入れ墨だらけのフレッドを、胡散臭げに見ていたエヴ。ビニールハウス内に温風を吹き込んでしまうおっちょこちょいで、気弱なナデージュや、50歳と言う年齢もあり、CDI(正従業員)になることを求めるサミールの序盤の姿。
ー 序盤はコメディタッチで物語は進む。
”薔薇栽培の大企業に忍び込んじゃ、駄目でしょ!”とクスリと笑いながら鑑賞。そして、且つては数々の薔薇の賞を獲得してきたエヴの薔薇園の経営が傾いた理由も少し分かる。
エブは、利益より新しい魅力あふれる薔薇を生み出すためには、妥協をしない人物なのだ。ー
・霰のために、ビニールハウスが駄目になっても、踏ん張るエヴ。そして、その過程でフレッドの嗅覚の鋭さに気付き、嫌がるフレッドの嗅覚をテストするシーン。独特な表現ながら、的確に匂いを嗅ぎ分けるフレッド。エヴに褒められ、照れ臭そうだが、嬉しそうなフレッド。
ー フレッドが自分を捨てた、両親に対し別れの薔薇の花束を渡すシーン。彼が、漸く自分の存在価値に気付き、独り立ちする決意を示したシーンである。ー
◆薔薇栽培の大企業から盗み出したオールドローズの名花、”ライオン”の交配に失敗し、大企業に農園を譲り渡そうとしたときに、気弱なナデージュが見つけた奇跡の花。
<薔薇って、こんなに種類があるんだ!と驚き、薔薇の交配シーンも見ていて面白い作品。
何よりも、エヴと”園芸ど素人トリオ、特にフレッド”との信頼度合いの変化や、フレッドが調香師として、新たな世界に踏み出して行く姿が、とても気持ちの良い気分にさせてくれる作品である。>
◆コロナ禍で、行きつけのフラワーショップも、様々なイベントが中止になり、大変だそうである。
こんな時こそ、家に中に美しき花を花瓶にさして、心に豊かさを持ちたいモノである。
美は人生を豊かに
主人公のエヴは15年前に亡くなった父のバラ農園を引き継ぎ個人経営でバラ農園を営む。
しかし業績は悪く閉園か同業の企業の売却の道が近づいてる状況である。
そんな中あえて従業員を増やし好転に賭ける事にする。人件費も安く収めたい事情もあってか、社会復帰プログラムに参加中の訳ありの3人を雇う事となる。
そのうちの一人フレッドは過去に強盗等の前科持ちである。その能力をエヴは買って農園買収
を目論むライバル企業が抱える特許のバラを盗み交配し新種開発により大逆転を狙うストーリーである。
この作品の良いところはとにかく見易い。事がとんとん運ぶ点もその一つだが、バラ及びバラ農園細かい描写を追った作品というより、バラが持つ美しさとエヴやフレッド達がストーリーが進むにつれて1つのチームとなる人間が持つ美しさを同時に描かれている。この美しい描写がなにより見易く心が温かい気持ちにさせられる。
ストーリーは単純。どん底付近にいる者達が一つになる事で得られる典型的なサクセスストーリー。ただこの作品はそれがバラの美しさもゆっくり感じながら見られるので気にならない。
最後はパリに旅立つフレッドに対して花言葉で見送るエヴの描写はとてもお洒落で素敵である。最後までこの作品の美しさを堪能させてもらった。
「美のない人生は寂しい」とエヴの言葉があった。まさにそれを感じられる作品である。
美しさには色んな美しさがある。色んな美しさを人生に取り入れながら人生を豊かにしたい。そんな事を改めて感じさせてくれる作品であった。
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