ミナリのレビュー・感想・評価
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無駄に脚色してなくて後々沁みる。
映画を見ているときは、本当波のない映画なので、気が緩むと飽きてしまいそうだが、
『この映画は無駄に色んなものを入れ込んでないな』と思ったら、凄くシンプル且つナチュラルな
映画だと思う。
特に少年デビッドの視点が特徴的で、この家族を取り巻く状況や、また祖母に出会ったことで、色んな事を吸収していく様は、“映画的”な10歳前後の少年の描き方でなく、等身大だ。
アカデミー賞ノミネートなど、前評判が高い映画だったので、凄い脚本であったり、撮影技術が盛り込まれているのではと期待していた人はちょっと肩透かし喰らいそうだが、
個人的にはこういう映画の制作って実は難しいんじゃないかな、と思う。
でも映画って、別に壮絶感やジェットコースター的要素が必ず必要なものでもないし、
こういった映画で何を感じるのかも、結構楽しかったりする。
アメリカ映画からアジア三国が見える
『ノマドランド』の直ぐ後に鑑賞しましたが、これも韓国人が作ったアメリカ映画です。
内容的には昔の西部劇によくある、ヨーロッパ移民の西部開拓史を近年に置き換えたような、そして、それが韓国人家族がであってもアメリカのフロンティア精神の伝統が伝わるアメリカ映画でした。
時代は変われど元々がアメリカは移民の国であり、多民族国家だということを象徴した様な物語でした。
『ノマドランド』やら本作を観ながら、私は物語よりもアメリカと中国と韓国と日本の精神文化の微妙な相違と融合点の様な事について、色々な思考が勝手に頭の中を廻っていました。
昨年アカデミー作品賞を取った『パラサイト』は韓国映画でしたが、本作は韓国人が主役でもれっきとしたアメリカ映画であり、残念ながらそういう作品を日本人は何故作れないのか?ということを、鑑賞中に色々考えてしまいました。
恐らく『パラサイト』の様な受賞なら、日本映画でも可能かも知れませんが『ノマドランド』や本作の様な作品を、日本人が作れる可能性はまだまだ難しい様に感じられ、その辺りが日本とアメリカや中国・韓国との映画製作での決定的な差の様な気がしました。
昨今の中国・韓国映画の娯楽映画に於いてもアメリカングローバル化が進み、ハリウッド映画と比べても遜色ないスケールの作品が産まれていますが、良くも悪くも日本映画はガラパゴス化の状況にあり、ゲームやアニメ業界だけが逆にそれが功を奏している。
ダンスなどもそうですが、個人では素晴らしいスキルのダンサーがいて世界で活躍していても、日本映画ではまともなミュージカルやダンス映画は1本もない。
最近のアメリカ映画ではアジア圏の人種が主役の物語も増えていますが、アメリカが舞台の日本人が主役の純粋なアメリカ映画を私はまだ観たことがなく、日本人だけが良くも悪くも、魂から溶け込めない浮いた存在の様に感じられます。これは否定ではなく、日本映画(というより日本人)の持つ特質であり、一方アメリカ人や中国・韓国人の、共通した大陸的特質(韓国は半島だが)の差などがあるのかも知れません。
『SAYURI』『ラストサムライ』『沈黙』の様な、日本好きの海外の作家が日本を舞台とした作品なら今後も作られるのでしょうが、恐らく日本はいまだに精神そのものが鎖国状態のままなのでしょうね。
キムチみたいなおばあちゃん
演出や脚本に派手さはなく、淡々と進むストーリーの中で、一人ひとりの心情を無理に装飾することもない。それでも「どこにでもある共感性の高い話」として、じわじわと心を侵食するような、それでいて、見れば見るほど数少ない登場人物たちに愛着が湧いてきてしまう。
それは、アウェイな環境で少しずつライフスタイルに慣れが生まれてくるような、あるいは、とっつきづらかった外国人が一人の人間だとわかり、徐々に距離が埋まっていくときのような、そういう感覚に似ていた。
そうした感覚が生まれるときには、きっとなんらかの「共通点」が見いだせるときなのだ。
ある人には「新たな土地での挑戦」、ある人には「宗教」、ある人には「感情的共通項」…
そしてクセはあるけどやみつきになるキムチのようなおばあちゃんの存在感の大きさといったら!樹木希林さんのような、強くてしぶとくて奇想天外で可愛げのある、愛おしさがありました。
「セリ」は韓国の文化を知ると、もう少し違って見えるのでしょうか?そこだけ、タイトルにするほどの強さを持つものなのか、理解が追いつかない部分でした。
激しい紆余曲折のある脚本や、映像美、アクション等がお好きな方は、楽しみ方が難しいかもしれません!
響かないストーリーとテーマ
うーむ、映画見過ぎて感覚が麻痺してるのかなー?本作、響かないのです。なんでかな?
この作品のテーマを考えたら、アメリカで農業で一旗あげるって設定必要だったのかなー?結局様々なイベントはそこにリンクしてないんですよね。あくまでイベントとして独立して、ストーリーを進めるだけにしか機能してない気がしました。
サイトに書かれている内容を引用すると、
<タイトルの「ミナリ」は、韓国語で香味野菜のセリ(芹)。 たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている。>
だそうです。
うーむ、そっか。だから農業リンクなのか。
に、しては苦労があまりに独りよがりすぎない?
広大かつ別の土地に越して来たのに、ストーリーにダイナミックさがないんだよな。全部家族内で収束していくし、、、。
ミナリのテーマに縛られすぎて、すごーく話が小さくなってはいませんかね?苦労をしたんだぜー、お前たちのために!って感じばかりが前面にでちゃって。もっとさー、違う苦労の仕方あったんじゃない?ってツッコミたくなる展開ばかりなんだよなー。
僕はおばあちゃんっ子だったから孫の気持ち、凄く共感できましたけどね。それだけだったかな?残念だけど。
life goes on
なんにしろ、人生は続く。
移民の映画とは思いませんでした。
夫婦のすれ違いや、子どもの柔軟性や、おばあちゃんの強さや、人は見かけによらない、それから、成長すること老いることの良さと悲しさを描いた作品だと思います。
エヴァンゲリオンでもありましたが、生きていれば今がいちばん若い。
人生はつづくのです。
(原題) Minari
この映画自体がセリのようだった。
力強い生命力と適応力でどこでもよく育つセリのように。
特別で派手じゃないが、逞しくてしきりに頭の中にこの家族の現在と未来が気になって応援したくなりました。
移民じゃなくても、誰の心にもある、家族というノスタルジー。
「移民」が前面に出ちゃうと、日本人には共感しにくいかな?と思っていたけど、裕福じゃない若い夫婦が、必死で立派に子供を育てよう、生活を楽にしようともがく姿って、日本にもあったと思う。
自分の両親のことが思い出されて仕方なかった。
この後、どうなったのかな、と気になる。
どんな形でも、幸せになっていて欲しいと願わざる得ない。
ポールも含めて。
駐車場での口論のシーン、ああいう男女間の認識の差っていうのは本当にある。
成功を掴みかける頃には、一方は見限っていて、成功しそうだからって許せるものではない。
あの場にいるのがいたたまれない。
思ったよりはライトな描写で、起承転結がハッキリしていたので、コンパクトにまとまり過ぎた感はあるけど、分かりやすく、感情移入しやすい。
おばあちゃん、ちょっと怖いくらいの名演だった。
「山の露」懐かしい。
ちがう世界を混ぜると何かしら必ず変化が起こる
家族に韓国から祖母がやってくる。
祖母というちがう世界からきた異物によって家族はかき回され、停滞していたそれぞれの関係値が、また動き出す。
これまでの常識とは異なる、また別の常識をもっている祖母の存在によって新しい動きが起こる。ちがう世界を混ぜることで何かが動き出す。ということは生きていくあらゆることにおいても共通することなのかなと学ばされる映画だった。
祖母と男の子の関係値が微笑ましい。決して引かない男の子の意志の強さが好き。
A24だから見たのになあ
正直つまらない作品でした。登場人物誰にも感情移入できなかったり、誰も成長したように思えなかった。子供はある程度は自然に成長するだろうが。特に夫婦どちらにも気持ちが入らなく、(おばあちゃんにも)ただただストーリーの進行だけを追ってました。
特にすごく事件が起こるわけでもなく、苦労するわけでもなく何を伝えたいのかわからない。キーになる小道具も特に役に立つわけでもない。全てが中途半端なイメージしかなく、今年のアカデミーは相当作品過少で苦労しているのだろう。
文句ばっかりですが絵もアメリカの匂いが感じられなかった。韓国映画はやはりあの闇の深い国家、文化に根ざした湿り気のあるストーリーでこそ輝く。残念なブラピプロデュース作品。
え?ここで終わり?
最近、映画偏差値が低くなって気がする…。他のレビュワーさんの好意的な意見に全然賛同できず。
自分もアメリカ移住を夢見たことがあるから、そこそこ感情移入出来るかと思ったけど、生活がカツカツとか、夫婦仲がよくないとか、息子が持病持ちとか、おばあちゃんがいるとか、あんまり移住条件がよくないし、そんなにいい映画かなぁ…。
夫婦喧嘩とか火事とか、必要なネタだろうけど、個人的にはあんまり観たくない。最後は結局どうなるの?
「82年生まれ、キムジオン」観た時も思ったけど、アジアの家庭ってどこか日本と似てる。
映画はもうちょっとワクワクしながら観たいな。
流石のユン・ヨジョン!
韓国系アメリカ人監督作の「家族の絆」をクローズアップした作品。
昨日鑑賞した『夏時間』もそうだった様に、韓国のある世代から上の親子関係って、現代の日本人には厳格過ぎて少し理解が追い付かない点も多いけど、大昔の日本もこんな感じだったのかな…
父親の思慮が浅過ぎて、そりゃ苦労するよなって展開が続く父親中心の家族に、異質な存在である祖母が加わってからの、親子・夫婦の変化や、祖母と下の孫との友情にも似た関係性がハートフルでエモさくすぐる映像が抜群だった。
親父が馬鹿
アカデミー賞ノミネートされまくりということで観てみたけど、どうなんだろうこれ、個人的には共鳴しにくかったなー
いろんなことから逃げつづけて、その裏側で膨らんでいたワンチャンの夢を追いかけるお父さんと一緒に、アーカンソーの奥深くに辿り着いた家族の物語
「親父が馬鹿」という以上の感想がない
とても綺麗な映像と音楽
なんだけど、たぶん A24+PLAN Bは自分に合わないんだな、何でそこスローなん?とか思っちゃうから
お父さんがヒヨコの選別をする速さ! その道より自分の夢を追いかける...
お父さんがヒヨコの選別をする速さ!
その道より自分の夢を追いかける!
しかし意外と1番お父さんの存在が薄かった。
色々試練が多いけど前を向いて行く家族が応援したくなる。
ミナリが大きな意味を含んでいるのも胸熱。
アメリカ移住
面白かった。家族がアメリカに移住し、暮らしを少しでもよくするため困難に立ち向かう。
子役とおばあさんがとてもいい味だしており、俳優全てリアル。
普通の家族の物語なんだけど、うまく描かれており個人的には好きな作品
ミナリの意味を知った夜はミナリ鍋を食べたよ。
成功を夢見るお父さん?
一昔前のアメリカで、子供に成功した姿を見せたくて農業を夢見るというお父さん。その家族はたまったもんじゃない。。そう言い繕ってるだけで、彼自身が成功したかったかのように見えたが、ミナリとちょっと変わった家族の姿に希望がちょっと見える。自我を通すだけではなく、周りの意見も聞いて前に進む。上手くいくといいな。
最後ハンイェリが歌うrain-songは余韻が残って良かった。
何の感銘も受けなかった
アカデミー賞にノミネートされるほど評判の高い作品だが、当方にはあまりピンとこなかった。序盤のシーンで韓国女性はやはり暴力的なのかと、まず気持ちが冷めた。続いて、妻の説得に子供を使おうとする夫のやり口にも落胆した。互いに約束が違うと言って相手を非難する夫婦。べらんめえ調の言葉遣いの下品なおばあちゃん。
韓国は儒教の影響が残っていて年長者と家を大事にする。人間に精神的な自由をもたらしたキリスト教とは相容れないはずだが、そのあたりの整合性は問題にされないままストーリーがすすむ。ストーリーといっても、場面は多くなく、家の中と畑、それに教会くらいだ。あとは自動車で道を進むシーン。
ひよこの雌雄の鑑別はかなり難しいというのはテレビで見たことがある。鑑別師として一定の水準に達した夫は、別の仕事に投資してもっと多くの収入を求めようとするが、まだ鑑別師としては伸びしろのある妻は、スキルアップすればそれ以上の安定した収入が得られ、貯金をはたくなどの冒険をせずに済むと考える。どう考えてもふたりの将来展望は平行線だ。
昨年の春に鑑賞した映画「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」の大きな世界観に比べるのは可哀相だが、家族のありようが問われる部分は同じである。成功して金持ちになりたいだけの男を、不屈の魂とかいう言葉で褒めたくはない。農業に対する愛、もっと言えば生き物に対する愛がないのだ。いや、あるのかもしれないが、それを感じさせるシーンがない。
将来展望が違う妻は夫の畑仕事を一切手伝わない。妻にしてみれば血の繋がっている自分と子供とおばあちゃんが家族で、夫は家族ではないのだ。そのあたりは夫も感じていて、微妙な疎外感がある。だから子供に自分の存在感を示したい。しかし自分と子供は血が繋がっていることを忘れているようだ。
結局、登場人物の誰にも感情移入できないままに終わってしまった。エンドロールを見ながら、ウィル・パットンが演じた、トラクターをジェイコブに貸してくれたポールを中心にして本作品を見直してみたらどうなんだろうと思った。日曜日ごとに大きな十字架を肩に担いで道を歩くポール。独特なキリスト教徒で、オカルト的な怪しい雰囲気も漂わせている。意外に面白そうだが、本作品とは別の話だ。
当方の感受性のなさを露呈しているのかもしれないが、本作品からは何の感銘も受けなかったというのが正直なところである。
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