「移民の国アメリカではだいぶ受け取るものが違うだろう」ミナリ こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
移民の国アメリカではだいぶ受け取るものが違うだろう
かつてアジアから大きな夢を抱いてアメリカへ渡った人々がたくさんいた。アメリカじゃないけど渡った日本人にアントニオ猪木もいた。
希望に満ち溢れてるはずの生活は決して楽なものではなく、こんなはずじゃなかったと夫婦で罵り合ってしまうのもわからんでもない。
そこに突然異星人のごとき母がやってくる。正直品が良いとは言えない人物だ。でも心根は悪くない。生命力にあふれている。娘はそんな母を嫌がりながらも尊敬してる部分もあり、なんとも複雑な感情が共存する。
それを感じ取るのか孫たちも戸惑いを見せるが、異星人は次第に溶け込んで家族の一員になっていく。この流れが自然でリアルな一家を見ている気分になる。
彼らを待ち受けるのは過酷な運命だけれども、それでも家族で助け合っていく。そんな流れをくんできた家族が、きっとアメリカには沢山存在するのだろう。
この作品はアメリカの人々の、祖父や祖母の話と受け止められるんだろう。そう思えばアカデミー作品賞も納得だった。
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